あしひきの やまべにいまは すみぞめの ころものそでは ひるときもなし
あしひきの 山辺に今は 墨染の 衣の袖は 干る時もなし
よみ人知らず
服喪のため今は山に住み始めていますが、喪服の袖は涙に濡れて、乾く間もありません。
詞書には「女(め)の親の思ひにて山寺にはべりけるを、ある人のとぶらひつかはせりければ、返りごとによめる」とあります。「女(め)」は妻、「とぶらひ」はここでは弔問の手紙の意ですね。「あしひきの」は「山」にかかる枕詞、「墨染」には「住み初め」が掛かっています。
あしひきの やまべにいまは すみぞめの ころものそでは ひるときもなし
あしひきの 山辺に今は 墨染の 衣の袖は 干る時もなし
よみ人知らず
服喪のため今は山に住み始めていますが、喪服の袖は涙に濡れて、乾く間もありません。
詞書には「女(め)の親の思ひにて山寺にはべりけるを、ある人のとぶらひつかはせりければ、返りごとによめる」とあります。「女(め)」は妻、「とぶらひ」はここでは弔問の手紙の意ですね。「あしひきの」は「山」にかかる枕詞、「墨染」には「住み初め」が掛かっています。