漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 213

2023-11-15 04:33:09 | 貫之集

ひさかたの つきかげみれば なにはがた しほもたかくぞ なりぬべらなる

久方の 月影見れば 難波潟 潮も高くぞ なりぬべらなる

 

天高く上った月が見られるころとなれば、難波潟の潮も満潮で高くなっているようだ。

 

 「ひさかたの」はここでは「月」にかかる枕詞。「天」「光」など天空に関係する多くの言葉に掛かる他、「都」に掛かることもあるようです。中でも、百人一首(第33番)にも採られた 古今和歌集0084 紀友則の歌が著名ですね。

 

ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しずごころなく はなのちるらむ

ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ


紀友則



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