ひさかたの つきかげみれば なにはがた しほもたかくぞ なりぬべらなる
久方の 月影見れば 難波潟 潮も高くぞ なりぬべらなる
天高く上った月が見られるころとなれば、難波潟の潮も満潮で高くなっているようだ。
「ひさかたの」はここでは「月」にかかる枕詞。「天」「光」など天空に関係する多くの言葉に掛かる他、「都」に掛かることもあるようです。中でも、百人一首(第33番)にも採られた 古今和歌集0084 紀友則の歌が著名ですね。
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しずごころなく はなのちるらむ
ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ
紀友則