漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

雪 その2

2014-02-15 13:09:16 | 雑記
 またも週末の大雪で、先週に続いてきょうも朝から雪かき。先週程の量ではないものの、途中から雨に変わった分、水を含んでいてどっしりと重たい雪です。またしばらく体が動かなくなりそう(苦笑)ですが、雪国にお住まいの方はこれが日常なのでしょうね。大変さが偲ばれます。

 準1級配当漢字のおさらい、四分の一ほど進みましたが、漢字そのものはともかく、熟語や用法はまだまだ初めて知るものがたくさんあります。このあと常用漢字もありますので、しばらくは「辞典」が「読み物」になる状況が続きそうです。


 「水ごり」の「こり」は 【垢離】 。  (辞典 P.486)
 「かいくぐる」は 【搔い潜る】 。  (辞典 P.935)

 こんな発見の喜びを、当分楽しめそうです。 ^^

準1級の過去問

2014-02-14 20:02:20 | 雑記
 手持ちの過去問題集の準1級を一通り模擬試験的にやってみました。H18、H20~24の計6年、18回分です。やってみての雑感です。(かっこ内は、「漢検 漢字辞典」の掲載ページです。)



☆ 思ったほどは忘れていなかった
 実際の合格率3.8%と「超難問」だった24-1が162点だった以外は、170点代と180点代がほぼ半々でした。1級ホルダーとしては情けない点数ではありますが、やる前は正直合格ラインが取れるかどうかだと思っていましたので、それよりは良かったです。1級用の勉強をしている中で準1級の範囲の漢字や熟語もそれなりに出て来ますので、多少はそれで準1級の復習にもなっているということでしょうか。


☆ 常用漢字の表外読みは忘れまくっている (汗)
 全体としては上記の通り思ったほど忘れてはいなかったのですが、常用漢字の表外読みに関しては散々たるものでした。普段、表外読みはあまり出題範囲(1級かどうか)は気にしていないのですが、やはり「1級用」とされているものを中心に復習する結果になるので、逆に準1級の範囲で普段余り馴染みのない読みは忘れてしまっています。
 具体的には、例えば次のようなものが読めませんでした。
    皿嘗めた猫が 【科】 を負う。    【とが】   18-2  (146) 
    草むらに虫が 【集】 いている。   【すだ】   20-2  (689)
    思いの外に 【存】 えてきた。    【ながら】  22-1  (959)
    身を修め家を 【斉】 える。     【ととの】  22-3  (849)


☆ 四字熟語は、特定のものの出題が多い
 約1,000ある四字熟語は一番忘れているだろうと思ったのですが、さして大きな失点にはなりませんでした。その理由は、実際に受検した時は過去問はまったく手がけなかったので知らなかったのですが、準1級の四字熟語は同じ熟語が繰り返し出題される傾向が1級よりもずっと強いのですね。今回やってみた18回分の中で、例えば 【長汀曲浦】 【紫電一閃】 【猪突猛進】 は5回出題されていました。
 ここからすると、準1級に合格するためであれば四字熟語は過去問を中心に学習すればよさそうですが、準1級の範囲全体を改めてカバーしたいのが目的ですから、過去問とは別に取り組む必要があるようです。


☆ 書き取りは1級対策にもなる
 改めて書くまでもないことですが、常用や準1級配当漢字でもいざ書こうとすると書けないものは多々ありますし、個々の漢字は1級でも出題されることもあるわけですから、きっちり書けるようにしておきたいですね。今回私が書けなかったのは、例えば以下のような問題です。
    【ケンペイ】 ずくで部下に命令する。     【権柄】  22-1  (428)
    明日は故人の 【ショウツキ】 命日である。  【祥月】  23-1  (742)
    俗臭の無い 【コウトウ】 的な作風です。   【高踏】  24-2  (497)



 しかし、「1級リピーター」を公言している以上、「準1級はいつ受けても軽く190点くらいは取れる」、みたいになりたいものですね。(苦笑)
    

25-3 振り返り その2

2014-02-10 20:56:42 | 本試験
 続きです。



(六) 熟字訓・当て字

 ここは無事満点。これで今年度の漢検は3回ともノーミスでした。私って、この設問が得意なのかな?? (笑)



(七) 熟語の読み・一字訓読み

 すべて正解。ここも今年度の3回はいずれもフルマークです。良かった良かった。^^



(八) 対義語・類義語

6. 【庶民】 ≒ 【黎元】
 「辞典」に載っていますが、私の語彙にありませんでした。勉強不足。直接 【黎元】 を知らなくても、同じく庶民を意味する 【黎首】 や 【黎庶】 を連想できれば何とか正解できたのではないかと思いますが、それらも思い浮かばず。

10. 【閑居】 ≒ 【栖遅/棲遅】
 これはお手上げでした。まったくわからず。苦し紛れに「静地」と書きましたがもちろん×。

 この設問は今年度12点→16点→16点で、語彙不足は相変わらず。先は長いです。



(九) 故事・諺

4. 性は猶 【キリュウ】 のごとし。   【杞柳】
 まったくわからず。 【杞柳】 とはコリヤナギという植物(ヤナギ科の落葉低木)のことのようです。この植物名も設問の故事・諺も個人的には初見でした。「辞典」の意味欄に小さく「杞柳」と出てはいますが、仮にそれが頭に入っていたとしても、この問題を正解することはできなかったでしょう。今回の最難問でしょうか。

7. 老いて 【トフ】 の功を知る。   【妬婦】
 これも設問・語句とも初見でした。「年老いて初めてその功績を知ることになる『トフ』とは???」 と思いを巡らし、書いた答は「徒夫」。自分に従ってきてくれた部下・家来みたいな意味かと思いましたが正解は伴侶のことなんですね。ただ、そう思いついたとしても【妬婦】という言葉を知らないと正解には辿り着けなかったですね。故事・諺自体は掲載されていませんが、【妬婦】 は「辞典」の見出しにあります。ここでも「辞典」の中身の渉猟しつくすことが必要と痛感。

9. 君子は 【オクロウ】 に愧じず。   【屋漏】
 これも故事・諺としては初見。「オクロウ」を見た瞬間、【屋漏】 が浮かんだのですが、それでは意味が良くわからない気がして早々に却下。その後いろいろ憶測をめぐらしましたが 【屋漏】 に戻ってくることはできず。

 (九)は今年度3回続けて14点。回によってかなり難易度が違うように思いますが、逆に言えば、過去問を中心に7問程度は書けるというのが今の実力ということでしょうか。



(十) 文章題

1. 聡慧で 【ビタイ】 があった   【媚態】
 アホな間違いその3。「【媚眼秋波】 の 【媚】 でいいんだよな~」などと考えながら解答していたら、そのまま 【媚眼】 と書いてしまいました(多分)。ホントにアホですねぇ(泣)  帰宅してネットの解答予想を見るまでは自信満々で正解したつもりでいたのですが、解答予想の 【媚態】 という文字を見て、なんだか見た記憶がないなぁなどと思い、よくよく思い起こして見ると・・・という次第。見直しでも気付かないということは、実質的には見直しをしていないということですね。反省。

7. 【セキジョウ】 を結ぶ   【赤縄】
 文脈から、夫婦の契りのこととは推定できましたが正解にはいたらず。確か「石縄」と書きました。「運命の赤い糸」が思い浮かべば正解できた・・・などと言っていないで「辞典」をしっかり読め、ということですね。(汗) 「辞典」の見出し語です。

10. 【キッキョ】 経営・・・   【拮据】
 「キッ」の音から「佶屈」が思い浮かんだまでは悪くはなかったと思いますが、「佶居」と意味不明な語を書いて×。まあこの問題に限りませんが、やはりその場の類推で正解するというのは相当に難しく、しっかり語彙を増やしていかなければいけませんね。これも「辞典」の見出し語。



 以上です。

 本試験が終わると、どうしても「たら・れば」的な思いを抱いてしまうのはある程度仕方のないことですが、そんな思いを少しでも減らしていけるよう、精進していきたいですね。

 次回漢検まではかなり間がありますから、やるべきと思うことを、あまり焦らずに無理のないペースで進めていきたいと思います。



25-3 振り返り その1

2014-02-10 19:05:06 | 本試験
 間違えたところを中心に振り返ります。


(一) 読み

4.  【播遷】    はせん
 「はんせん」と書いてしまい×。そもそも 【播】 の音は「ハ」又は「バン」で、「ハン」という読みはないですね。試験中、 【播種(はしゅ)】 が思い浮かんで「はせん」かなとも思ったのですがそうは書ききれず、あえなく玉砕。

19.  【下舂】    かしょう
 「かしょう」と迷いはしましたが「げしょう」と書いて×。 【下舂】 そのものは「辞典」にありませんが、漢語林には出ていました。「夕暮れ。日が沈むころ。」の意。

22.  【檠】    ゆだめ
  【夬(ゆがけ)】 の記事を書いたときに、関係する語として 【弭(ゆはず)】 と 【檠(ゆだめ)】 も調べていたのですがきちんとは覚えておらず、違うとは思いつつ「ゆはず」と誤答。残念。

27.  【徇う】    とな・う
 「したが・う」と書き、正解したつもりでいましたが標準解答は「とな・う」。問題は 【木鐸を以て路に徇う】 ですから、 【徇】 の意味は「命令などを広く触れ知らせる」方、つまり読みは「とな・う」ですね。ひっかかりました。

28.  【悛めんとす】    あらた・めんとす
 アホな間違いその1。問題を一瞥して「つつし・めんとす」と即答。見直しでも間違いに気付かず。 【改悛】 なんだから、もちろん「つつし・む」じゃなくて「あらた・める」だし、そもそもつつしむだったら「つつし・『ま』んとす」ですね。勿体ない。(泣)

 今回、ここが25点と今一つでした。上記以外では、一見したときは読めなかった 【刱業(そうぎょう)】 を時間中に思い出せたり、 【蟶貝(まてがい)】 を無事に読めたり、知らなかった 【僉(みな)】 を類推で正解したりとなかなか健闘したんですが、全体で5つも落としてはいけませんね。



(二) 書き取り

3.  【キョウゲキ】な態度    【矯激】
 「驕激」と書いて×。自分的には惜しいと言えば惜しいですが、そもそもちゃんと「辞典」の見出しにある熟語ですから、しっかり押さえていないといけませんね。

6.  【ルイセツ】の辱め    【縲紲/縲絏】
 数日前に復習していたにもかかわらず【縲】が書けませんでした。かなり悔しい間違いです。糸へんが出てこなかったのですが、 【紲】 と同じ偏にしてみるという発想すら出ず。頭が固いですねぇ。

13.  【ソウボウ】の間    【怱忙/匆忙】
 アホな間違いその2。 【怱】 にりっしん偏をつけてしまう癖が本番でも出て誤答。ちなみに「愡」という漢字も、漢検配当外ですがあるにはありますね。癖というのはなかなか治らないですが、「本試験で誤答する」という、もっとも記憶に残りやすいことをしたので、これからは大丈夫でしょう。(笑)



(三) 国字

 無事、5問とも正解。



(四) 語選択書き取り

 珍しくここが5問とも正解でした。1.の「性質が残忍で荒々しい。」を 【獰猛(どうもう)】 か 【剽悍(ひょうかん)】 か迷いましたが、 【剽悍】 は25-1で出たばかりだからないだろうとの邪道の読み(汗)もあって無事正解。5.の 【巫覡(ふげき)】 も 【覡】 がなかなか出て来ませんでしたがなんとか絞り出しました。



(五) 四字熟語

 ここも書き取り、意味とも全問取れました。準一級配当の 【舞文○○】 は覚えていなかったのですが、消去法で「ろうほう」であることはわかり、類推で何とか 【弄法】 と正解。 【衆口○○】 はまったく見たことがなく、最初は下位級からの出題かと思いました。これも消去法で読みが「しゃくきん」であること、意味が「讒言の恐ろしさを言う。」であることがほぼ確実と思えたこと、「しゃくきん」の音感から 【流金鑠石】 が連想されたことの合わせ技で奇跡的に正解。試験当日の記事にも書きましたが、帰宅して調べたらやはり「四字熟語辞典」の見出しにはなく、「辞典」の 【衆】 の項に 【衆口金を鑠(と)かす】 が出ていました。なお、「四字熟語辞典」には、 【三人成虎】 【聚蚊成雷】 【曾母投杼】の各項に、類義語として小さくは出ています。



 裏面については引き続き次の記事で。

25-3 自己採点

2014-02-10 17:24:35 | 本試験
 今日、標準解答が届きました。

 ネットで公開されていた解答予測で照合したときから1点マイナスで173点という結果。読み問題の 【徇う】 を 「したが・う」 と解答していたのですが、標準解答は 「とな・う」。 確かに文意からは後者ですね。ひっかかりました。 (泣)
 今回、合格はもちろんですが170点を目標としていましたので、この自己採点通りならなんとか達成できたかなというところです。正式結果はどうなりますか。


 以下、設問ごとの内訳です。

(一)読み           25点/30点
(二)書き取り         24点/30点
(三)国字           10点/10点
(四)語選択書き取り      10点/10点
(五)四字熟語
 問1 書き取り        20点/20点
 問2 解説・意味       10点/10点
(六)熟字訓・当て字      10点/10点
(七)熟語の読み・一字訓読み  10点/10点
(八)対義語・類義語      16点/20点
(九)故事・諺         14点/20点
(十)文章題
  書き取り          14点/20点
  読み            10点/10点

            計  173点/200点


 四字熟語で、「漢検 四字熟語辞典」の見出しにないものや準1級配当からの出題があった中で満点を取れたのは嬉しかったです。故事・諺は今の実力相応という感じでしょうか。もう一つの(永遠の?)課題であるアホなミスは、前回より減りはしましたが相変わらず・・・(汗)

 次の記事以降、間違えたところを中心に、少し詳しく振り返ります。