漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

熟字訓は楽し(続き)

2017-09-18 21:23:03 | 演習問題
 前半 40 問はいかがだったでしょうか。
 続いて後半です。


41. 【螟虫】
42. 【粗榧】
43. 【手繦】
44. 【章花魚】
45. 【蝦虎魚】

41. ずいむし   (1458/1473)
42. いぬがや   (915/923)
43. たすき   (663/670)
 字面から「てすり」と読みがち。「てすり」は【勾欄】です。
44. いいだこ   (/)
 これ、索引だけでなくそもそも見出しにない語です。どこからもってきて自分の問題集に収録したのかまったく覚えていません。(笑)
45. はぜ   (157/159)
 「蝦」がついているので、つい「しゃこ」と読んでしまいます。


46. 【針穴】
47. 【文珠蘭】
48. 【両下】
49. 【野蜀葵】
50. 【杜松】

46. みず   (794/802)
47. はまゆう   (1346/1360)
 これもつい「はまなす」と読んでしまう・・
48. まや   (1558/1574)
 切妻造(きりづまづくり)のこと。
49. みつば   (1478/1493)
50. ねず   (1116/1125)
 なぜか、あとで出てくる【棠梨 ずみ】と混同してしまいます。共通の漢字が使われているわけでもなく、読みの「ず」しか一緒じゃないんですけどねぇ・・


51. 【紫萁】
52. 【牛縻】
53. 【小鈎】
54. 【眼子菜】
55. 【梅桃】

51. ぜんまい   (614/620)
52. はなづら   (311/314)
53. こはぜ   (732/738)
54. ひるむしろ   (252/255)
55. ゆすらうめ   (1219/1231)
 【山桜桃 ゆすらうめ】も覚えておきましょう。


56. 【棠梨】
57. 【杠谷樹】
58. 【神巫】
59. 【千屈菜】
60. 【鹿薬】

56. ずみ   (1138/1148)
57. ひいらぎ   (482/485)
 「かえで」(【槭樹】【鶏冠木】)と「ひいらぎ」(【杠谷樹】【枸榾】)の区別がなかなか定着しません。最後の【枸榾】は、「からたち」(【枸橘】【枳殻】)とも紛らわしい。
58. いちこ   (788/796)
 「みこ」と読んじゃダメなんだろうか・・
59. みそはぎ   (886/893)
 【白屈菜 くさのおう】と紛らわしすぎる!
60. ゆきざさ   (1607/641)


61. 【落霜紅】
62. 【楊櫨木】
63. 【六月雪】
64. 【退紅】
65. 【尸童】

61. うめもどき   (1530/1547)
 個人的な超難問。いつまでたっても間違える問題の代表格。
62. うつぎ   (1516/1532)
63. はくちょうげ   (1605/1621)
64. あらぞめ   (973/981)
65. よりまし   (591/597)


66. 【石蚕】
67. 【提子】
68. 【海蘊】
69. 【酸塊】
70. 【沙子】

66. いさごむし   (865/873)
67. ひさげ   (1086/1095)
68. もずく   (175/177)
 【海蘿】は「ふのり」。
69. すぐり   (584/589)
70. いさご   (538/543)
 【石蚕 いさごむし】【沙子 いさご】【沙蚕 ごかい】。難しぃ・・


71. 【竜葵】
72. 【菜瓜】
73. 【知母】
74. 【三毬杖】
75. 【鐙靼】

71. うみほおずき   (1553/1569)
72. つけうり   (551/556)
73. はなすげ   (1023/1031)
 【莎 はますげ(こちらは普通の訓読み)】 とは別の植物だそうです。
74. さぎちょう   (571/576)
75. みずお   (1148/1158)


76. 【胞衣】
77. 【黄瓜菜】
78. 【荒鮎】
79. 【大人】
80. 【海蛆】

76. えな   (1390/1404)
77. にがな   (501/504)
 「にが」の部分が字面から連想しづらい。
78. さびあゆ   (491/494)
79. うし   (979/987)
 これは「おとな」と読んでも誤答にできないでしょうから、出題はされないですね。文章題ならありえる? でも「うし」の意味なら「たいじん」と読んでもOKなので、結局やっぱり出ない??
80. ふなむし   (174/177)
 【蛍蛆 つちぼたる】と区別を。


81. 【浮薔】
82. 【白楊】
83. 【眼間】
84. 【煎汁】

81. みずあおい   (1316/1330)
 つい「うきくさ」と読んでしまいます。ちなみに「うきくさ」は【浮萍】。
 ついでに【雨久花】も「みずあおい」。
82. はこやなぎ   (1225/1237)
83. まなかい   (252/255)
84. いろり   (897/905)
 「自分の語彙にないので覚えづらい」語の一つ。



 以上です。残り1カ月、ご自身にとって未知の熟字訓にあまり時間を割くことはお勧めしませんが、過去問は別。多いときでは8問程度が過去問から出題されることもありますので、過去問の熟字訓はしっかり自分のものにしておきましょう。


 
 さあ明日からはまた仕事。期末で忙しいんだよなぁ・・・ (泣)


熟字訓は楽し

2017-09-18 20:49:53 | 演習問題
 昨晩、夜中は家が揺れるほどの強風と豪雨でしたが、朝起きると久々な好天。見た目には夏の日差しという感じでしたが、空気というか吹く風というか、やはりもう秋の気候です。しかし今年は本当に秋らしい 【旻天 びんてん】 の日が少ないですね。抜けるような青々とした秋の空を見たいものです。

 さて、今日は手元のエクセルにまとめている熟字訓を一気にさらってみました。「漢検 漢字辞典」巻末索引掲載語を中心として全部で 1,787 問。結果、誤答は 84 問で、誤答率は 4.7%。この5%前後という誤答率の数字は、もう何年も変わっていません。一度一通りやってみて5%くらい間違い、その間違えた問題をもう一度おさらいして本試験を迎えるというのが、熟字訓に関するだいたいいつものパターンです。

 さてこの「5%」ですが、問題の顔ぶれがやるたびにかなり変わります。もちろん、記憶に定着しなくていつもいつも間違える問題というのもあるのですが、それを一部克服したかと思うと、すっかり身についたはずのものを間違えるという感じで、先日も書きましたが、人間の記憶というのは面白いものです。

 きょうは単純に、私が今回間違えた問題をそのまま列挙します。ほぼ私自身のためだけの記事(汗)ですが、ほとんどが「巻末索引にあるが本試験では未出題」のものですので、本試験の新出問題対策に多少は役立つかもしれません。気の向かれた方はやってみてください。しかし我ながら、ホントに私は熟字訓が好きですね・・・(笑)


1. 【垣衣】
2. 【郁李】
3. 【睡菜】
4. 【蚕豆】
5. 【省沽油】

1. しのぶぐさ   (「漢検 漢字辞典」初版 P.193/第二版 P.195)
2. にわうめ   (42/42)
3. みつがしわ   (823/831)
 【睡蓮 ひつじぐさ】 との区別がなかなか・・・
4. そらまめ   (581/586)
 「豆族」の熟字訓については、こちらの記事もどうぞ。
5. みつばうつぎ   (851/858)
 「うつぎ族」:【省沽油 みつばうつぎ】【酔魚草 ふじうつぎ】【錦帯花 はこねうつぎ】


6. 【三白草】
7. 【直衣】
8. 【海布】
9. 【花仙】
10. 【馬尾毛】

6. はんげしょう   (575/580)
 【六月雪】は「はくちょうげ」。
7. のうし   (1061/1071)
 なぜか最近、「のうえ」と読んでしまう・・・
8. め   (174/177)
9. かいどう   (139/142)
 【花柏 さわら】が紛らわしい。
10. ばす   (1209/1221)
 見出しにはもともとありましたが、巻末索引には第二版で追加になりました。
 こういう語が結構あります。


11. 【葦雀】
12. 【大芥菜】
13. 【蜘蛛抱蛋】
14. 【髪菜】
15. 【卮子】

11. よしきり   (36/36)
12. たかな   (988/996)
13. はらん   (1027/1035)
 このところ「四文字熟字訓」が出てないですね。そろそろでしょうか。
14. いぎす   (1240/1252)
15. くちなし   (593/599)
 「くちなし」は【卮子】【梔子】【山梔子】の3つ。


16. 【歩行虫】
17. 【臆虫】
18. 【鹿砦】
19. 【樸樹】
20. 【黄瑞香】

16. おさむし   (1373/1387)
17. おめむし   (120/122)
 ちと古い記事ですが、「虫族の熟字訓」はこちら
18. さかもぎ   (1606/641)
 どうもいまだに【鹿薬 ゆきざさ】との区別がつきません。
19. むくのき   (1414/1429)
 【紅樹 おひるぎ】 との区別は永遠の課題。
20. みつまた   (499/504)


21. 【紫荊】
22. 【楊梅】
23. 【水葱】
24. 【榔楡】
25. 【魚虎】

21. はなずおう   (614/620)
 「紫族」はホントに難しいです。
22. やまもも   (1516/1532)
 字面からは想像しえない読みで難しいです・・・
23. なぎ   (817/825)
24. あきにれ   (1602/1618)
25. かわせみ/ハリセンボン   (317/321)


26. 【酢漿草】
27. 【苦菜】
28. 【石斑魚】
29. 【紫参】
30. 【赤栴檀】

26. かたばみ   (562/567)
27. のげし   (366/369)
 【和尚菜 のぶき】【黄瓜菜 にがな】【苦棟樹 にがき】との間で複雑骨折的な混同が発生・・
28. うぐい   (866/874)
29. はるとらのお   (614/620)
30. ひめしゃら   (869/876)
 【姫莎草 ひめくぐ】の方がよっぽど「ひめしゃら」っぽいのになぁ。



31. 【射翳】
32. 【螺子】
33. 【底翳】
34. 【天蚕】
35. 【鳳尾松】

31. まぶし   (651/657)
 こちらも索引収録は第二版になってから。
32. ねじ   (1526/1543)
33. そこひ   (1081/1090)
34. やままゆ   (1103/1112)
35. そてつ   (1396/1410)


36. 【敵娼】
37. 【山芹菜】
38. 【笊籬】
39. 【茅膏菜】
40. 【蘭草】

36. あいかた   (1093/1102)
37. なべな   (577/582)
38. いかき   (930/937)
39. いしもちそう   (1402/1416)
40. ふじばかま   (1537/1553)
 【山蘭 ひよどりばな】との区別を。



 これで約半分。長くなりますので、後半は次の記事で。


記憶は薄れる・・・

2017-09-17 19:54:18 | 雑記
 手元の問題のおさらいに少し飽きたので、27-3(次回 29-2 から遡って5回前)を本番宛らに一通り回答しました。結果は 195 点。過去問と言っても、やはり完全に正解して 200 点を取るのは、そう簡単なことではないですね。しかも今日間違えた5点分は、いずれも本試験では正解した問題ばかり。本番で間違えた 19 点分の問題はちゃんと記憶に残って「次回出たら正解できる」状態になっていた一方、1年半前には正解した問題の中に、記憶が薄れて今日はできなかったものがあったということです。

 年齢のせいもあると思いますが、人間の記憶というのは、自分では長期記憶になっていると思っても、やっぱり少しずつ忘れていってしまうものだということを改めて実感しました。復習は大切ですね。



 ちなみに、間違った5点分は以下の通りです。



(一)19  音読み
  黽俛 事に従い敢えて労を告げず。

(二)15  書き取り
  月に カサ がかかる。

(四) 7  四字熟語
  刺字(まんめつ)



 正解はそれぞれ 「びんべん」 【暈】 【漫滅】 です。「びんべん」の誤答はちょっと情けないですが、あとの二つは個人的に苦手で、復習していても結構間違えがちな問題です。

 あと1カ月、新しい問題に取り組む余裕はなさそうなので、その分可能な限り復習をしっかりやって本番に臨みたいところです。

意味を覚える

2017-09-16 20:38:57 | 熟字訓・当て字
 29-2 までちょうど1カ月。皆さん、学習は順調でしょうか。

 私はと言えば、手元の自作問題集の一巡目のおさらいが残り 2,200 問ほど。全部で約 11,500 問のストックで、今回手をつけ始めたのが7月の終わり頃でしたから、9,000 問に約1カ月半かかったことになります。一日平均 200 問ということですが、これが全部初見の問題だったらなかなかのペースではないかと思いますけれど、実際は真逆で、自分にとっては全部既往問題ですから、「亀の歩み」というべきでしょう。なかなか難しいものです。

 そんな中、きょう間違えた熟字訓が【髪菜】。正解は 「いぎす」 ですが、どうもこの 「いぎす」 と 「うない」 の区別がしっかりできなくて、すぐに混同してしまいます。


【髪菜】   いぎす

【海髪】   いぎす

【髫髪】   うない



 混同を起こす原因は2つあって、

(1) いずれにも 【髪】 が入っていて、字面では覚えにくいこと。
(2) 「いぎす」「うない」両方とも、私のもともとの語彙にない、知らない言葉だったこと。

です。特に(2)が大きな原因で、これら以外でも、やはりもともと自分の語彙にない言葉は、どうしても頭に入りづらいですね。


 これの克服は、やはり王道を行って、きちんと意味を覚えて自分の語彙にすること。「いぎす」 は植物(海藻)、 「うない」 は髪型です。そのことがきちんと身についていれば、「いぎす」にはそれぞれ【海】【菜】という字が入っていますから、混同するはずもないですね。

 言葉の勉強をしているのですから、「知らない語が出てきたらその意味を覚える」なんてのは当たり前すぎる話ですが、1級の熟字訓に取り組んだ学習当初、とにもかくにもやみくもに覚えていったので、お恥ずかしい話ですが未だに「読みは知ってるけど意味は知らない熟字訓」がたくさんあります。  ^^;;

 きょうの間違いをきっかけに、少なくとも「いぎす」と「うない」についてはしっかりと意味を覚えて、今後混同を起こさないようにしたいですね。