漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 629

2025-01-04 05:42:23 | 貫之集

ゆふされば ひとまつむしの なくなへに ひとりあるみぞ こひまさりける

夕されば 人まつ虫の 鳴くなへに ひとりある身ぞ 恋ひまさりける

 

夕方になると恋人を待つかのように鳴くまつ虫の声を聞くと、ひとり身の自分はいっそう人恋しさがまさることだ。

 

 写本によっては、第四句を「ひとり寝る身ぞ」としているものもあるようです。
 なお、第五句を「おきところなき」とした一首が玉葉和歌集(巻第十二「恋四」 第1644番)に入集しています。同じ歌と見て良いでしょうか。



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