昨日の記事で紹介した「平岸天満宮」のある小高い丘は、天満宮の祭神である「天神様」こと菅原道真公に因んで「天神山」と名付けられました。
少しばかり歩いてみたので、紹介します。
行ったのは5月4日。
天候にも恵まれ、青空と緑がとても綺麗です。
敷地内には、幾つかの碑が設置されています。
まずこちらは・・・、
読みにくいけれど、「久保栄」という、札幌出身の作家の「林檎園日記」という作品の一節を記しています。
後ほどまた触れますが、この平岸地区は、かつてリンゴ栽培で栄えた地域であり、この作品も、平岸を舞台に描かれていることから、ここにこうして碑が設置されたという経緯があります。
こちら、先程の「林檎園日記」以上に読みにくいですが、実は、かの石川啄木の歌碑でして、
「石狩の 都の外の君が家 林檎の花の散りてやあらむ」
という、こちらもまた、平岸のリンゴ園の風景を詠んだ歌です。
釧路で啄木の歌碑巡りをしてきた私にとって、こんなところで啄木の歌碑に出会えるとは、意外でした。
綺麗な桜の花が咲いていました。
来年こそはコロナが収束して、安心してお花見ができるようになるといいですね。
この塀、何だかお城の石垣のようにも見えますが、どのくらいの歴史があるのかな。
因みにこの天神山自体は、約4万年前に支笏湖を形成した火山から出た火砕流の堆積物によって形成された台地が豊平川の浸食によって削られ、その残った部分なのだそうです。
園内には、綺麗な庭園も整備されています。
「さっぽろ・ふるさと文化百選」にも選定されている「平岸リンゴ園跡」。
「平岸は明治の頃からリンゴの栽培が始められ大正期から昭和20年代にかけて全盛を誇った。かってこの天神山のふもとを始め周辺一帯はリンゴ園が広がっていたが、その後の人口増加に伴い急速に宅地化され姿を消した。「平岸リンゴ」に因み、環状線通りにはリンゴ並木が植えられ、毎年「リンゴまつり」が行われている」
と書かれています。
看板周辺を遠景から。
最後に、社名が出ていないけれど、園内にあった小さな神社。
生い茂った木々に隠れたひっそりとした存在ですが、ひっそりとしながらも天神山緑地を見守り続けているという、そんな存在なのでしょうか。