先日、札幌の「麻生」を、「あざぶ」ではなく「あさぶ」と発音することについて、東京の「麻布」との区別化ということもあったということに触れていましたが、あのときリンクしたテレビの特集を見て、じゃあ東京の「麻布」ってどういう由来があるのだろうと思い、ちょこっと調べてみました。
調べてみて初めて知ったんだけど、「麻布」という地名は、東京にはないんですね。
有名な「麻布十番」をはじめ、「西麻布」「東麻布」「南麻布」(「北麻布」はないんですね)などのエリアの総称的な地名ということなんだそうです。
で、地名の由来だけど、最も一般的に流布しているものとしては、「麻布」は、かつてこの地域に住んでいた農民が、麻の布を作っていたのが由来ということのようです。
札幌の「麻生」が「麻が生育している」という表記だけど、こちらは、ずばり「麻の布」なんだなあと思ったところ、Wikipediaによると、「麻布」の表記が定着したのは元禄期(1688年~1704年)だそうで、明暦期(1655年~1658年)という説もあるようですが、古い記録では、「阿佐布」、「浅生」、「浅府」、「阿佐婦」、そして札幌と同じ「麻生」という表記も見られたのだそうです。
また、別な説として、地域の古刹である麻布山善福寺の言い伝えによると、昔麻が降ったことがあり、それを麻布留山(あさふるやま)といったのを略して麻布山としたのが地名になったとも言われているそうで、他にも浅く草の生えている土地だったので「浅生」、変じて「麻布」となったという説もあります。
それは分かったけれど、では何故「あさぶ」ではなく「あざぶ」なのかということについては、なかなか難しいようです。
今では麻布十番をはじめとする「麻布」と総称されるエリアは港区に属しているけれど、かつては「麻布区」という区が存在していたことがあったそうで、その頃から区の名前は「あざぶく」だったそうです。
一般的に「麻の布」「麻布」は「あさふ」と読みますが、札幌の麻生のときに、「あさぶ」よりも「あざぶ」の方が発音しやすいと書いたように、確かに「あさふ」はちょっと発音がしずらくて、噛んでしまいそうにもなります。
そういうこともあって、いつの間にか「あざぶ」で定着していたということなのかもしれませんね。
これまで何度も上京しているけれど、都営大江戸線や東京メトロ南北線の麻布十番駅は、乗り換えで利用したことはあっても、降りて散策したことはなかったように思います。
一体どんな町なんでしょうね。興味が湧いてきました。次回上京時の散策候補地に挙げておきます。