札幌と室蘭を結ぶ国道36号の、豊平区月寒中央地区にて。
何度も通ったことはあるけれど、自宅から遠いこともあり、立ち止まるということはそうそうなかったと思います。
その国道に架かる小さな橋の上に、何やら解説板のようなものが。
「一里標跡」とあります。
そう、昨日の記事で、札幌から室蘭までの三十四里の測量が行われ、一里ごとに標柱が設置されたということを書きましたが、最初の一里の標が、この位置にあったのです。
昨日の記事で紹介した「三里塚」のことは何となく知っていたけれど、「一里標」なるものがあることは知りませんでした。
「もちづきさむかわ」って読んじゃいそうだけど、「もつきさむがわ」と読む、小さいけれど、れっきとした一級河川が下に流れています。
「つきさむ」の前の「も」は、アイヌ語で小さいという意味で、「月寒川」の支流であることから、川の流れが付けられています。
続いてこちら。
「駐輦之所」とありますが、「ちゅうれんのところ」と読みます。
「駐輦」とは、天皇が行幸の途中で乗り物を止められるという意味の言葉であり、明治14年(1881年)のに明治天皇の北海道行幸の際、札幌を出発して室蘭へ向かっていた明治天皇が、当時「二里塚」と呼ばれていた場所で休憩したことを記念して、明治44年(1911年)この石碑が建てられました。
そう、昨日の「三里塚」と、先程の「一里標」に続き、今度は「二里塚」。札幌から室蘭までの三十四里の道中を示すものが、ここにも建立されているということなのです。
この碑が立っている場所は私有地ですが、こうして国道沿いから表側を確認することができたので撮りました。
現在の国道36号。
高速道路が整備されていることもあり、札幌~室蘭間を一般道で移動する人はそうそういないのかなとも思いますが、それでも、札幌と室蘭を結ぶ大動脈的な路線であることに変わりはありません。
その道路の途中に、知られざる歴史が残されているという発見でした。