地下鉄東豊線さっぽろ駅から、JR線路下を通って札幌駅北口方面へ向かう通路があるのだけど、これまで何度となく通っていたのに、その道中に興味深い展示コーナーがあることに、つい先日気が付きました。
「SISTER CITIES STREET」。姉妹都市に関する資料展示でしょうかね。
そのとおり、大きな世界地図に、札幌市と姉妹都市提携を結んでいる都市の位置が表示されています。
サンフランシスコは姉妹都市ではなく、姉妹都市であるポートランド市の位置関係を示すために表示されているということなのでしょう。
まずは・・・、ロシアの「ノボシビルスク市」ですね。
ノボシビルスク市は、ロシア連邦ノボシビルスク州の州都であり、シベリア連邦管区の中心都市です。
昭和49年(1974年)に札幌で開催された「シベリア博」にノボシビルスク市が参加したのをきっかけとして、両市の友好関係が育まれるようになり、平成2年(1990年)に姉妹都市提携が結ばれました。
市内には地下鉄が走っているんですね。
描かれているのは、ノボシビルスク市内にある、国立オペラバレエ劇場です。
(ズームの度合いを調節して、札幌との位置関係をご確認ください)
続いて、韓国の「大田(テジョン)市」
札幌から最も近い姉妹都市である大田市(正確には「大田広域市」という名称のようです)は、平成15年(2003年)に共通の姉妹都市である、先程のノボシビルスク市の開基110周年記念事業において、大田市長から札幌市との姉妹都市提携の提案があったことから交流が始まり、同22年(2010年)に姉妹都市提携が結ばれることとなりました。
札幌とは、都市の規模や産業構造など多くの共通点があるほか、青少年、芸術・文化など様々な分野で盛んに交流が行われています。
日本にも、島根県に「大田(おおだ)」という表記の市があり、こことも姉妹都市提携が結ばれています。
参考までに、島根県の大田市の位置も。
続いては、中国の「瀋陽市」。
これは歴史的文化的にも有名な「故宮」。
1625年に、当時の「後金」という国家の創始者である「ヌルハチ」と、後に二代目皇帝となる「ホンタイジ」という人物の、日本でいう「皇居」に当たる建物です。
札幌との関係は、姉妹都市ではなく「友好都市」だそうで、昭和55年(1980年)11月、札幌を訪問した瀋陽市長と札幌市長が調印を行い、友好都市提携が結ばれました。
その後も、芸術・文化、経済、スポーツなど幅広い分野で交流を進め、相互理解と友好が深められています。
位置関係が全くわかっていませんでしたが、北京よりも日本寄りにあるんですね。
続いては、アメリカのオレゴン州にある「ポートランド市」。
ポートランド市との関係については以前にも別な記事で触れていましたが、この「フッド山」という山は、かつてオレゴン州に住む日系移民の人たちが、日本を懐かしんで「オレゴン富士」と呼んでいたことがあるそうです。
「アメリカ横断ウルトラクイズ」の問題で出題されたことがあり、私にとってはその印象が強いので、あらためて紹介しました。
札幌にとって最初の姉妹都市であるポートランド市は、共に開拓者によって開かれた都市であること、ほぼ同緯度で風土が似通っていること、そして札幌は開拓当時多くのアメリカ人の指導を受けて発展したこと、などの理由から、昭和34年(1959年)に姉妹都市提携が結ばれています。
最後は、もしかすると、札幌の姉妹都市ではここが一番有名かもしれない、ドイツの「ミュンヘン市」。
札幌市内にも、豊平川を跨ぐ「ミュンヘン大橋」という橋や、大通公園にある、ミュンヘン市から寄贈された「マイバウム」という大きな彫刻作品など、ミュンヘン市ゆかりのスポットが幾つかあります。
「ミュンヘン大橋」という橋は、このブログで紹介していたような気がしていたのですが、ブログ内検索をかけても何もヒットしないので、紹介していなかったのだと思います。いつか紹介したいと思います。
札幌とミュンヘン市は、ビールが有名という共通点がありますが、昭和47年(1972年)の冬季・夏季オリンピック開催地に各々が選ばれ、同年2月にミュンヘン市長が札幌にオリンピックの視察に来訪した際に姉妹都市提携の正式な申込みがあり、ミュンヘンオリンピック大会3日目である同年8月28日に、ミュンヘン市役所にて姉妹都市提携調印式が行われました。
以上、ざっと紹介してきましたが、それほど人通りの多くない通路のためか、あまり知られていないスポットのようです。
もっと広くPRされればよいと思っています。