週末、ヒラリー・ハーンという人のヴァイオリンを、そればかりを聴いている。
子どもの頃、7年間も町の音楽教室でヴァイオリンを習ったのに、きらきら星も弾けないし、楽器も手元にないまま30年以上経ってしまった。
週一回レッスンに行くことがどうしてあんなに嫌だったのか今では思い出せない。
とにかく習い事が死ぬほど嫌いだった。
たぶん、当時の地方小都市公務員子弟のガキとしてはスカした感じでヴァイオリンケースを持って市街地まで路面電車で通うこと自体が小っ恥ずかしかったし、土曜半日と日曜日の友人たちとの遊びを断って練習とレッスンをしなければならないことが、どうしても我慢できなかったし、そんなこんなで上手にならないからますます嫌だったし、それでも父親が怖くてサボることもできないほどチキンだったし、結局やるでもなく、やめるでもなく、ダラダラと続けてしまった、というわけだ。
両親の立場で今振り返って考えれば、戦争で自分たちができなかった「文化的」なことを、高度経済成長の時期、子どもにやらせてやりたい、という思いだったのかもしれない。
もう一つ、「文化的」な匂いのすることを親から提供された。
それは集英社から月1回で配本された『少年少女 世界の文学』というハードカバーの名作全集。
それ以外にも推理小説の文庫本や漱石の小説など、文庫であれば気軽にお金を出してくれた。
結果からすると、前者の音楽教室はムダに終わり、後者の本の海の方は、国語教師として飯の種の基礎になった、ということになるだろうか。
90歳になった父親に元気がなくなり、私自身も五〇代の半ばになって体力気力ともに下り坂になってから、そして大震災の後はとくに、クラシック音楽を聴く気持ちになっていった。
そのとき手に取ったのは、昔あれほど嫌がっていたバッハのソナタとかパルティータだというのは、まあ不思議というか当然というか。
iPhoneとituneという「環境」も手伝っているかもしれない。
昔は気になったレコードを買うには、仙台か東京に出るしかなかった。
今はアマゾンとかHMVとか、あるいはituneなどでダウンロードすれば素早く手に入るのだから、本当に隔世の感、である。
日本の古典を読むのが楽しくなったように、クラシックを楽しむようになったのは、老境に入って新しいモノを受け付けなくなってきたから、かもしれない。
ヒラリー・ハーンという人は、余計なことをせずにすぱっと音を届けてくれるところが好きです。
まだ特に他の人の演奏と比較してみたいとは思わない。
ここしばらくは聴き込んでいきます。
中でもバッハが聴きやすくて耳になじみます。
結局鈴木メソッドでやった曲とかバッハが多いしねえ(苦笑)。
Hilary Hahn Plays Bach (Hilary Hahn)
The Essential Hirayr Hahn (Hilary Hahn)
Mozart:Violin Sonatas (Hilary Hahn,Natalie Zhu)
Mach:Violin Concertos (Hilary Hahn,Jeffrey Kahane,Allan Vogel,Margaret Batjer)
子どもの頃、7年間も町の音楽教室でヴァイオリンを習ったのに、きらきら星も弾けないし、楽器も手元にないまま30年以上経ってしまった。
週一回レッスンに行くことがどうしてあんなに嫌だったのか今では思い出せない。
とにかく習い事が死ぬほど嫌いだった。
たぶん、当時の地方小都市公務員子弟のガキとしてはスカした感じでヴァイオリンケースを持って市街地まで路面電車で通うこと自体が小っ恥ずかしかったし、土曜半日と日曜日の友人たちとの遊びを断って練習とレッスンをしなければならないことが、どうしても我慢できなかったし、そんなこんなで上手にならないからますます嫌だったし、それでも父親が怖くてサボることもできないほどチキンだったし、結局やるでもなく、やめるでもなく、ダラダラと続けてしまった、というわけだ。
両親の立場で今振り返って考えれば、戦争で自分たちができなかった「文化的」なことを、高度経済成長の時期、子どもにやらせてやりたい、という思いだったのかもしれない。
もう一つ、「文化的」な匂いのすることを親から提供された。
それは集英社から月1回で配本された『少年少女 世界の文学』というハードカバーの名作全集。
それ以外にも推理小説の文庫本や漱石の小説など、文庫であれば気軽にお金を出してくれた。
結果からすると、前者の音楽教室はムダに終わり、後者の本の海の方は、国語教師として飯の種の基礎になった、ということになるだろうか。
90歳になった父親に元気がなくなり、私自身も五〇代の半ばになって体力気力ともに下り坂になってから、そして大震災の後はとくに、クラシック音楽を聴く気持ちになっていった。
そのとき手に取ったのは、昔あれほど嫌がっていたバッハのソナタとかパルティータだというのは、まあ不思議というか当然というか。
iPhoneとituneという「環境」も手伝っているかもしれない。
昔は気になったレコードを買うには、仙台か東京に出るしかなかった。
今はアマゾンとかHMVとか、あるいはituneなどでダウンロードすれば素早く手に入るのだから、本当に隔世の感、である。
日本の古典を読むのが楽しくなったように、クラシックを楽しむようになったのは、老境に入って新しいモノを受け付けなくなってきたから、かもしれない。
ヒラリー・ハーンという人は、余計なことをせずにすぱっと音を届けてくれるところが好きです。
まだ特に他の人の演奏と比較してみたいとは思わない。
ここしばらくは聴き込んでいきます。
中でもバッハが聴きやすくて耳になじみます。
結局鈴木メソッドでやった曲とかバッハが多いしねえ(苦笑)。
Hilary Hahn Plays Bach (Hilary Hahn)
The Essential Hirayr Hahn (Hilary Hahn)
Mozart:Violin Sonatas (Hilary Hahn,Natalie Zhu)
Mach:Violin Concertos (Hilary Hahn,Jeffrey Kahane,Allan Vogel,Margaret Batjer)