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タイムスリップは、少年が人々に出会うための方策(ジャンル)と見ればいいでしょう。
むしろこの作品の面白さの大きなウェイトを占めているのは、孤児の主人公がリヴァプールで繰り広げる里親や社会福祉事務所とのやりとりと、タイムスリップした先で出会う100年前のアイルランドでの「家族」との対比を読む楽しさ、だろう。
そのことさえ受け入れられれば、かなり「読める」んじゃないかな。
結末が二種類あるらしいけれど、私はこの初版形で全然問題なし、だと思う。だってYA(ヤングアダルト)は物語であって、「こういうお話だよ」ってことを共有できることが必要なんだもの。これは仕掛けとして十分共有できると思うな。
読むモノに迷って、YA本が嫌いじゃなければ手にとっていい一冊。