龍の尾亭<survivalではなくlive>版

いわきFCのファンです。
いわきFCの応援とキャンプ、それに読書の日々をメモしています。

読むべし『当事者は嘘をつく』

2022年04月05日 00時18分24秒 | メディア日記

筑摩書房から出た『当事者は嘘をつく』小松原織香

多くの人に読んでほしい。
私は大きく揺さぶられました。
体験それ自体もなんですが、むしろその「語られ方」というかその困難さというか、加害者と被害者のあまりの非対称性というか、果たして語りうる当事者性とは何か、ということと向き合うこと自体が難しく、それを言葉にするための足場というか基盤というか、そういうものがいったん崩されてしまうと、「自分の言葉で自分について語る」ことがいかに難しいのか、ということが切実に感じられます。それこそが「当事者性の当事者性たる所以」だとするなら、私たちはどうやって言葉をつぐめばいいというのか?

語り得ることなどあるのだろうか、という疑問が、幾層にもなって形を得ないまま雪崩壊れ落ちていく感覚、とでもいえばいいでしょうか。
 
読んでいる内に自分は幾分かこの「当事者」でもあり、かつ(ここがきついところですが)幾分かは当事者にとっての「加害者」でもある、ということに気づかされていきます。
さてそこでなおも言葉を求めるとはどういうことなのだろう。
本を閉じてからの方が、その本を間近に感じる、という感覚を味わっています。
ぜひ一読をお勧めします。

とにかく読んでいただければ。
今年四半期ベストの中の一冊。

 

https://www.amazon.co.jp/%E5%BD%93%E4%BA%8B%E8%80%85%E3%81%AF%E5%98%98%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%8F-%E5%8D%98%E8%A1%8C%E6%9C%AC-%E5%B0%8F%E6%9D%BE%E5%8E%9F-%E7%B9%94%E9%A6%99/dp/448084323X



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。