風月庵だより

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地道と立志伝

2006-11-10 17:35:35 | Weblog
11月10日(金)晴れ【地道と立志伝】

今週は新しい論文を作成するための資料作りに追われて、あっと言う間に一週間が過ぎてしまった。一字一語を調べるような、コツコツと音を立てるような生活が今の生活である。私は「論を立てる」などという大それた事はできないが、少しでも宗門にとって役にたつ研究をしたいと心している。心してはいるが、なかなか及ばないだけのことである。

しかし一つ一つ積み重ねて、地道に生きるということは楽しいことだと実感している。法事に伺っても、周りの人を大切に、宇宙の生命を地道に生きることの大切さなどを口幅ったいようであるが、お話ししたりしている。

そのように考えているので、今年はペンフレンドの少年や少女たちに、いくつかの立志伝や立志伝中の人の言葉の書かれた本を送ろうかと思っている。例えばD・カーネギの『自分を磨く本』や斉藤一人氏のことを書いた本や、松下幸之助氏の言葉を書いた本などである。立志伝に残るのは、地道な努力の積み重ねの結果なのである。それが大事なことであろう。

立志伝はほとんど巨万の冨を築いた人を讃えているが、『人を動かす』等の著書で有名なD・カーネギの場合は巨万の冨を社会事業に投じたことも必ず書き添えている。社会から頂いたお金を社会に少しでも還元していく生き方は、地道な生き方であると思う。

そしてお金を儲けることは必ずしも卑下されるようなことではない。人を喜ばせ、人の役に立ち、社会の利益になるような商売は大いに歓迎されるべきであろう。大いに儲けて、大いに社会に還元できればこれ以上のことはないと思う。勿論家族や周りの人も潤わせて生きたお金の使い方をできるように、子どもの頃からそんな目を養うことは、決して無駄ではなかろう。

そんなわけで今年は楽しい立志伝などを、もっと探してみようと思っている。やはり年齢相応でないと少年たちには面白くない。10歳以下なら立志伝よりも「トムソーヤ」かもしれない。立志伝を読んで楽しんでいるのは、実は私自身かもしれない。僧侶でなかったら、今でもきっとなにか儲け仕事を探して努力しているかもしれない。どんな人生でも最後まで諦めないことが面白い。

商売や俗世間での成功などから抜け出ることを教えられたのが、釈尊ではあるが、その末裔たる仏弟子である私は、儲けることを勧めているとはこれ如何に。それでもさらに申し上げるが、宇宙の生命を見据えた仏教の教えを学ぶことはさらにさらに面白いということを。
*北海道佐呂間町の竜巻に対しての募金を、日赤でも受け付けると思う。来週には郵便局で受け付けると思うので、大富豪のようにはできなくても寄付をしたい。
*【大富豪の潔さーウォーレン・バフェット氏
*【功徳を積むということ
*【なぜ功徳を積むのだろうか
*【真の功徳