風月庵だより

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親は子を悪から遠ざけよ-六方礼経に学ぶ

2007-02-03 23:59:59 | Weblog
2月3日節分 晴れ【親は子を悪から遠ざけよ-六方礼経に学ぶ】

今夜は十六夜の月が皎々としている。

今日のご法事は墓前のお経であった。89歳でお亡くなりになった婦人の七回忌である。可愛い曾孫さんも二人来ていたので、お線香の差しあげ方を説明した。小さい子どもさんがいるときは、いつもお線香の上げ方や、お焼香の説明をすることにしている。

お線香をあげるときは、先ず合掌し、頭を下げてお拝(礼)をする。その後お線香を額のところでよく念じてから差しあげる。その後また合掌し、お拝をする。念じることはとても大切なことで、曾孫ちゃんたちならば、「曾お祖母ちゃん、いつも見守っていてくれてありがとう」と念じるのよ、と私は説明している。(ここで仏教は霊魂不滅は説かなかった、という議論はお許し下さい)

大人たちの後で、小学四年生になる少年の番が来た。きちんと言われたとおりに、額のところで念じてからお線香をあげていた。その後しばらく合掌していたが、その姿の美しかったこと。実はどの大人たちよりも、すっきりと美しい合掌であった。

自分の型ができていない子どものうちは、人の言うことを素直によく聞き、言われたとおりにしてくれる、という経験をいつもさせてもらっている。そうであるからこそ、子どものうちはこの頃のように殺人事件などのニュース番組は見せない方がよいと私は思っている。

大人の人にも「凶悪事件やらいろいろな事件を報道しているニュース番組を、子どもさんがいる時は、平気でテレビを付けておかないようにした方がよいのでは」とお話した。少年たちにも、子どものうちは恐いニュースはまだ見ない方がよいと思う、ドラエモンとか楽しい番組を見てね、と頼んだ。

たまたま『六方礼経』についての箇所を読んでいるとき、次のような解説があった。父母は子に対して五つの点で尽くさなくてはならない。その一つに「罪悪から遠ざける」とあった。悪いニュースを見せない、ということもこの範疇に入れてよいだろう。

『六方礼経』を持ち出すまでもないことだが、少し、この機会に『六方礼経』について学んでみたい。

*『六方礼経』:シンガーラカという在家の男性が、今は亡き父親から教えられたように六方を礼拜 していた。それを釈尊がご覧になって、単に東南西北下上の方角を拝むのではないことを教えられた。『善生子経』も同じ内容のお経。

東:父母を拝む。南:師を拝む。西:妻を拝む。夫を拝む。北:友を拝む。下:男女の使用人を拝む。上:沙門、バラモンを拝む。


2月4日(日)晴れ 【昨日の続き-六方礼経】

(昨日は家具の配置換えを一人でしたせいもあり疲れてしまい、ログを書ききれなかったので少し補足します。今朝起きて、配置を換えた部屋を眺めて、部屋の雰囲気が安定しているので感心しています。部屋もバランスが大事です。)

さて『六方礼経』についてもう少し補足。
特に東を拝むときについて:

東に向かって拝む者は、子が父母に事うると謂うは、当に五事あるべし。一つには当に治生を念ずべし。二つには早つとに起きを勅令し、時に飯食を作せ。三つには父母の憂を益さざれ。四つには当に父母の恩を念ずべし。五つには父母の疾病は当に恐懼きょうくし医師を求め之を治すべし。
治生:生業なりわいのこと。勅令:指示を与える。時に飯食を作せ:時を間違えないように食事を作る。

父母が子を視るに亦五事あり。一つには当に悪を去り善に就かしむることを念ずべし。二つには当に計、書、疏を教うべし。三つには当に経戒を教え持たもたしむべし。四つには当に早つとに与ために妻を娶らしむべし。五つには家中の所有は当に之を給与すべし。(原文略。大正蔵経第一巻251頁)
四について:適齢になったら、早くに結婚させることも父母の大事な役目。  
五について:家督の相続を適当な時期に譲り渡すこと。

以上のように東を拝む真の意味が説かれている。他に師を拝むときの五事、妻を拝むときの五事、友を拝むときの五事、使用人を拝むときの五事、沙門を拝むときの五事が書かれている。使用人に対しても拝むという教えは、当時の社会では珍しいことであったろう。このようなことからも、釈尊の広大な視野が分かるのである。

他の五事については省略しますが、六方を拝むということは単に方角を拝むことではなく、その真意を知ることが大事なこと。父母と子が拝み合う教えを是非学びたいと願う。