風月庵だより

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歌姫スーザン・ボイル

2009-04-23 21:45:25 | Weblog
4月23日(木)晴れ、暑いですね【歌姫スーザン・ボイル】(この写真は他からコピーさせて頂きました。借用に問題がありましたら、コメントしてくださいませ。この方がスーザンさんです)

皆さんは、スーザン・ボイル(Susan Boyle)さんが歌っているユーチューブ配信を観ましたか。私はユーチューブというものがよく分かりませんし、自分で初めてアクセスして観てみました。

イギリスの歌手のスター誕生番組のようですが、このオーディションにスーザンさんは出演しました。審査員の音楽プロデューサーたちは、スーザンさんが舞台に出てきた様子に、すでに心の中で、なんだろうかこのおばさんは、という印象を持ったかもしれません。スーザンの外見は、着ているものも野暮ったい地味なワンピースです。そして、体も寸胴の顎も二重顎になっている太めのスタイルです。容貌も、どちらかといえば色気はまるで感じられないいかつい感じです。ご自分でも「キスされたこともありません」と言っていました。

でもどこか憎めないおばさんといった雰囲気があります。審査員が年齢を聞きますと、「47歳」と答えました。この番組は、若い人たちがプロの歌手になることを夢見て出演する番組でしょうから、その年齢もすでにかなり基準からはずれています。何になりたいのか、と尋ねられ、「プロの歌手です。」と答えます。どのような歌手になりたいのかと聞かれると、「エレイン・ペイジ」と答えます。審査員ならずとも、おそらく全ての聴衆も、大歌手の名を臆面もなく口にするスーザンに失笑し呆れ果てます。なぜ今まで実現しなかったのか、と問われて「今までチャンスがなかったのです。これがきっとチャンスだと思うわ」とスーザンは答えました。

イギリスの田舎町で、母親の面倒を見ながら、教会のボランティアワーカーの仕事をして、今まで生きてきたスーザン、今は猫のペブルスと暮らしているのだそうです。歌は12歳からはじめて、47歳のこの日、晴れて多くの聴衆を前に自分の歌声を披露することができるのです。2年前に亡くなった母親と、いつかテレビに出演することを約束したのだそうです。

何を歌うの?「レ・ミゼラブルの"I dream a dream(夢やぶれて)"」
スーザンは音響係にサインをだします。スーザンの歌声が流れました。
一瞬、会場は驚きで包まれます。あまりにスーザンの歌声が素晴らしかったからです。そして、その歌声に、会場の人びとの全ては魅了されます。歓声を上げたいほどに心を打つ歌唱力に審査員も聴衆も酔いしれたといってもよいでしょう。そして、その歌のはかなく破れていく夢を歌った内容とは、逆の人生がスーザンを待っていることを実感するのです。

歌い終わった後、三人の審査員は、異口同音にスーザンの歌を称えて、最高の「イエス」を与えてくれたのです。スーザンのガッツポーズの素晴らしさ。気取らないこと、自然てこういうの、ということを教えてもらえます。

舞台の袖に戻ってきて、スーザンは顔を涙で濡らして言いました。「ファンタスチック(夢のようだわ)、ファンタスチック」

ビートルズを生んだイギリスから、また世界中に夢を与えてくれる歌姫が誕生したのです。

彼女の歌を聴き、彼女の人生を知ったなら、多くの人びとが生きる勇気とエネルギーをもらえるのではないでしょうか。