4月14日(日)曇り【70代の生き方】
『女性の品格』をお書きになった坂東眞理子さんが、『70歳のたしなみ』という本を出版されたそうです。私はまだ読んでいませんが、70代になってから、たしかに私の日々も面白くなっています。今までわからなかったことも、そういうことだったかと合点がいくことや、仏教の教えについても、そういうことだったのか、と新しい驚きがあったり、「よかった、この歳まで生きていて」と思うことが度々です。
また、住職というお役ですから、とにかく忙しいし、いろいろと気を使わなくてはならないことが多く、心身共に走り回っています。ただ、70代を過ぎたら、服なども新しいものを身に着けよう、というようなことをたしなみとしてお書きになっているのかもしれませんが、こちらは僧侶ですから、身に着ける物は限定されてきます。
ただ、物の見方や、生き方や、あまり社会の枠にとらわれなくとも、自然に自由に生きています。無理に自由に生きようなどと思うこともなく、自由に生きていると思います。権威あるものに屈服するということもありません。
とにかく卑屈に生きることだけはしまいと思って生きてきました。『仏遺教経』の中に「汝等比丘、諂曲(てんごく)の心は道(どう)と相違す」という個所があります。諂曲とは、「へつらう」という意味です。私は今、『仏遺教経』解説の連載を書いています。この経典は、お釈迦様がまもなく涅槃に入られるという場面で、弟子たちに最期になさってくださった説法が書かれています。「汝等仏弟子たちよ、へつらいの心は、真実の道とはかけ離れているのだよ」
へつらいの心を捨てて、端心にして(心を正して)、質直(誠実)であれ、と教えてくださっています。私の70歳のたしなみは、「端心、質直」といたしましょう。でも、簡単には折れません。皆さんはいかがでしょうか。
(ルナのこの強い面構え、学びます)
#70代の生き方