8月12日(金)晴れ、台風の前の風吹く【一隅に生きるまことの尼僧様】
昨日、越後の尼僧の先輩から、小包が届きました。中にビタミン入りのチューブが多数と、過分な頂きものをしました。夜、お礼の電話を入れて、いろいろと話をしました。幼いころから、尼寺に預けられて、この道一筋の大先輩です。
養子さんも病弱なので、ずっとそのお子さんの面倒も大変だと拝察していますが、「なんも、そのお陰で、学んでいることが多い。車の免許もその子に必要なので、とれたんだし、その子のために弱音をはいちゃおれん、でも頑張ると思っちゃダメださ、楽しくやんないとね、与えられた中から逃げようとしても逃げ隠れはできないからね、あなたもこれから、香語もつくらにゃならんし、頑張らにゃ、と思っていなさるだろうけれど、楽しくやんなさい、なんでも楽しくやれば、嫌だなと思ってやると一歩も出せなくても、楽しくやれば十歩もすぐ出せるし、自然に一生懸命になれる、やな仕事ほど楽しくやんなされ」
この方が話されたことを、メモしておけばよかったと、数々の含蓄ある言葉を聞かせてもらったのですが、覚えていることが少なくて残念でした。「楽しくやれば自然に一生懸命になれる」という言葉は、最高です。このブログを書き終わったら、楽しく香語作成に取り組みます。(10月にちょっとした大役があり、香語という漢詩を作成しなければならないのですが、七言絶句の約束事が多いので、好きな言葉だけで作れるものではないので、頑張らねば、と思っていましたが、そうか、楽しく、ね、と思い返しています。)
夜の八時過ぎに電話をしたので気になって、「何時ころ寝るのですか」と聞きましたら、「九時にはもう布団に入るよ」「朝は何時ころ起きるのですか」と気楽に聞きましたら、「朝は2時半には起きて、全部電気をつけて、3時には朝のお勤めをするのさ」
「エッ」と私はびっくりしました。夜中の二時半……
「どうしてっていうと、冬はさ、雪が降っていたら、年中外を見て、ちょっと積もったらすぐ外に出て雪をかいて、また少したったら外を見て、積もったようならすぐに雪をどけるの、一晩中そんなことをしなくては、坂の下に停めた車まで行けないから、いつもそんなことをしなくちゃなんないから、夏でもいつでも同じ時間に起きるようにしているのさ、誰も雪かきをしてくれるわけではないからね」
「このへんじゃ、暑いことを〈あっちゃ〉て言うんだわさ、お経に行く先で、おばあちゃんたちが、あまりの暑さに〈あっちゃ〉て、嘆いているけど、災害に遭っている人のことを考えたら、このくらい我慢しなければ、て言うけどさ、〈でも、あっちゃ、ね〉って言ってるんさ」と月参り先での話をしてくれます。越後のほうの尼僧様たちは、毎月信者さんのお宅に伺ってお月参りをなさいます。長野や愛知もそうですが、尼僧さんたちが、暑い夏も寒い冬も毎月変わらずにお参りに伺います。私も浦和に住んでいるときは、10年間そのようなお勤めをさせていただきましたので、その大変さは多少知っていますが、雪深い越後の月参りの大変さは全く次元が違うでしょう。そんなご苦労の中からの、ビタミンのチューブと過分な頂戴物をいたしました。有難くて、涙が出そうな尼僧の大先輩からの小包のプレゼントでした。