風月庵だより

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『負けないで!』を読んで

2023-01-04 21:25:41 | Weblog

1月4日(水)晴れ【『負けないで!』を読んで】

三が日も終わりました。三日間のご祈祷を勤めました。一日8時間ほどかかります。さすがにちょっと疲れました。しかし、『理趣分』について、どうしても深く学びたいことがあり、杉本俊龍老師の『龍華』を紐解いてみました。

しかし、途中でちょっとお茶を飲みたくなりまして、お茶の間に一冊の本を手にとりました。小笠原恵子さんの『負けないで!』(小笠原恵子 創出版)という自伝です。読み始めましたら、止まらなくなりました。

皆さん、ご存じの方が多いと思いますが、小笠原恵子さんは聴覚障害がありますが、プロのボクサーとして活躍なさった方だそうです。女性のボクサーは少ないうえに彼女は耳がほとんど聞こえません。耳の聞こえないもどかしさで、いじめられたり、先生にも理解されないので反抗的になったりしますが、そのいら立ちをボクシングをすることによって、昇華していったと言えましょう。

耳が不自由なために、あるボクシングジムに8年間通ったのですが、プロボクサーの試験を受けられないだけではなく、アマチュアの試合にも許可がでなかったのです。悔しくて、たまたま怪我をしたのをきっかけに、そのジムに行くのはやめましたが、ボクシングへの想いを断ち切れず、佐々木隆雄さんという人が会長の「トクホン真闘ボクシングジム」の門を叩きました。

本人も本の中で言っているように、大人になってもずっとひねくれていたそうです。障害を持っていることに不満を抱いていたそうです。苦しみ続けていた彼女を救ってくれたのが、この佐々木会長だったそうです。

会長やトレナーさんたちの御蔭で、厳しいプロテストに受かった時は、読みながら涙が出てしまいました。この本を読みながら、笑った場面もありますし、胸がいっぱいになる場面もありました。人は出会った人の縁で生かされもし、道を閉ざされてもしてしまいます。

この会長さんのような人たちに出会えたことが、幸せでした。耳が聞こえなくても、自分の好きなボクシングをあきらめずに努力し続けた恵子さんの姿には、感動しかありません。

しかし、ひねくれていた盛りの時に、この方に会ったなら、感動することはできかねるでしょう。人を一時期の一面で決め付けることは、やめようと思います。

この方を主人公とした映画が上映されているそうです。映画館にはなかなか足を運べませんので、元となった本を買い求めておいたので、今日は思いがけない感動をさせていただきました。

十分な紹介でなくて恐縮ですが、一端を紹介させていただきました。

 



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