2月10日(木)晴【前後際断と前後裁断】
最近友人から頂いた小冊子に「前後裁断」という言葉が出てきました。前と後ろを断ち切る、ということになるでしょうか。しかし、過去と未来が断絶していることを意味するとしたら、『倶舎論』にも出てくるようですが、前際は過去のこと、後際は未来世のことで、これを断じる、ということになりますから「前後際断」のほうが、仏教語としてはよいようです。
道元禅師の『正法眼蔵』「現成公案」巻にも出てきます。
「しるべし、薪は薪の法位に住してさきありのちあり、前後ありといへども前後際断せり」
もう少し「前後際断」の意味を考えますと、単に過去世と未来世が断絶しているのではなく、「過去と未来を対立的にみる見解を截断して、絶対の現在に生きることをいう。」と『禅学大辞典』に書かれています。
なんとも仏教語は難しいですね。私も長い間「ぜんごさいだん」と聞きますと「前後裁断」だと思っていましたし、意味も単に過去と未来を裁断して、たった今に生きることくらいに理解していました。
多くの仏教語や特に禅で使われる言葉は、難しくて、言葉に振り回されてしまい、そこで仏教を学ぶことに突き当たってしまうことにもなると思います。それこそ辞書を手にしながら、一々言葉の意味を確認しながら、学んでいかなくては意味を全く取り間違ってしまうこともあります。
この小冊子の文字はもしかしたら、校正ミスかもしれません。そういうこともありますので、あまり多少の文字の違いに目くじら立てることもないですし、その人の言いたいことを理解することのほうが大事だと思います。
ただ、お坊さんは仏教を学ぶプロですから、やはり「前後際断」という言葉や漢字も知らないと困ることもありますね。私も知らない言葉がたくさんあって本当に大変です。
さて、風邪が流行っているようです。くれぐれも皆さん、お気を付けください。
最近友人から頂いた小冊子に「前後裁断」という言葉が出てきました。前と後ろを断ち切る、ということになるでしょうか。しかし、過去と未来が断絶していることを意味するとしたら、『倶舎論』にも出てくるようですが、前際は過去のこと、後際は未来世のことで、これを断じる、ということになりますから「前後際断」のほうが、仏教語としてはよいようです。
道元禅師の『正法眼蔵』「現成公案」巻にも出てきます。
「しるべし、薪は薪の法位に住してさきありのちあり、前後ありといへども前後際断せり」
もう少し「前後際断」の意味を考えますと、単に過去世と未来世が断絶しているのではなく、「過去と未来を対立的にみる見解を截断して、絶対の現在に生きることをいう。」と『禅学大辞典』に書かれています。
なんとも仏教語は難しいですね。私も長い間「ぜんごさいだん」と聞きますと「前後裁断」だと思っていましたし、意味も単に過去と未来を裁断して、たった今に生きることくらいに理解していました。
多くの仏教語や特に禅で使われる言葉は、難しくて、言葉に振り回されてしまい、そこで仏教を学ぶことに突き当たってしまうことにもなると思います。それこそ辞書を手にしながら、一々言葉の意味を確認しながら、学んでいかなくては意味を全く取り間違ってしまうこともあります。
この小冊子の文字はもしかしたら、校正ミスかもしれません。そういうこともありますので、あまり多少の文字の違いに目くじら立てることもないですし、その人の言いたいことを理解することのほうが大事だと思います。
ただ、お坊さんは仏教を学ぶプロですから、やはり「前後際断」という言葉や漢字も知らないと困ることもありますね。私も知らない言葉がたくさんあって本当に大変です。
さて、風邪が流行っているようです。くれぐれも皆さん、お気を付けください。
さて、日本語の漢字に関した本をしきりに読み漁る私ですが、記憶力が低下したために簡単な字を間違えることがあります。
つい先日、漢字パズルの本を熱心にやっている妻に助けを求められました。その中に「人事異動」という項目があったのですが、「異動」は「移動」ではないかと勘違いしました。
先日の自衛艦と漁船の衝突事故の裁判判決は「禁錮」となっていました。これは「禁固」の間違いと思っていたのですが、仕官の道を閉ざすという意味で「禁錮」が正しかったのでした。
気になる言葉や漢字は、手元の電子辞書ですぐに調べられるようになったので便利になったのですが、それを覚えていられないのが残念なところです。
さて、とにかく漢字はいろいろな意味があり、いろいろな組み合わせがあり、悩まされます。
この漢字も、もしかしたらお坊さんでない人が校正をして、際のほうが間違いかと思って裁にした可能性もあります。
著者校正は絶対に必要ですね。その後、校正者なり編集者が赤を入れる場合は、著者に問い合わせなくては、と思います。
校正者に対する怒りは、高島俊男先生の「お言葉ですが」でたくさん取り上げておられますね。
いま、決算報告書を作っているところです。これから事業報告書、予定表など総会へ向けての準備で忙しくなりました。それを早く終わらせて、次の寺報を作り始めなければなりません。
うさじいさんもいつもお忙しそうですね。私は、勝手に忙しがっていますが、寒さに負けずに頑張りましょう。
校正者に対しての怒りは、、私は持っていませんが、もし、自分の原稿が校正者の知識によって間違えられたとしたら、切ないですね。校正者、または編集者の力量によって、本の出来具合は随分違ってきます。
「前後際断」の意味ですが、臨済宗の沢庵宗彭禅師がかなり詳しく意味を定義してくれています。道元禅師と同じかどうかという問題はありますが、一つご参考までにどうぞ。
http://wiki.livedoor.jp/turatura/d/%c1%b0%b8%e5%ba%dd%c3%c7
非常に簡潔なご紹介、有り難うございました。
切って繋ぎ合わせたほうが、うまく行くのでは
解説は色々有るようですが、私は上記の方が
適切と思います。