風月庵だより

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ラップー野村麿我さんへ

2006-08-05 18:36:59 | Weblog
8月5日(土)晴れ暑し【ラップ-野村麿我さんへ】

今日も暑い。今日は渋滞の環八を運転してご供養のお手伝いを勤めてきた。お家でのご供養の後、焼けるような墓所のお参りを共に勤めたが、あまりに暑い。そこでその家のお墓の周りに打ち水を勧めた。墓所一面に打ち水をしたら、焼けるような暑さのお墓にヒンヤリとした涼しい風が吹いてくれた。

さてお墓とラップと続くと、心霊現象のラップ現象かと思う人もいるかもしれない。そうではなく音楽のラップについて今日は書かせていただきたい。この門外漢が現代音楽についての勉強をちょっとさせていただく縁があったので、一くさり論じて?みる。

一ヶ月ほど前のご法事で、合掌の姿の美しい若者に出会った。彼は野村麿我というミュージッシャンである。いつか彼のCDを聴いて感想を書く約束をしていたので、今日はそれを果たしたい。

その前に一言。私のCDコレクションの中には尾崎豊(1965~1992)の『十七歳の地図』がある。私はこの中の「十七歳の地図」と「僕が僕であるために」は特に好きである。彼が苦しい青春の心を歌い上げていてくれたお陰で、どれほど多くの若者たちが救われていたことだろうか、と私は思う。彼の墓標には「生きることそれは日々を告白してゆくことだろう-放熱への証」と刻まれている。おそらくドラッグによる事故死であろうが、惜しまれる死であった。

若者は、同じ目線の、同じ苦しみを持った心の叫びを共有しあいたいのだと思う。彼の歌を歌うだけでそれぞれの傷が癒されていたのだと思う。どんなに大人たちが一杯の愛を注いでも、尾崎豊ほどには癒すことはできなかったろう。しかし時は流れて、たった今の若者にはどんな共有の音楽があるのだろうか。

現代の音楽を聴く機会がこの頃はなかったのであるが、麿我さんと一緒にたまたま尾崎豊の墓所もお参りしたのだが、彼のCDを聴かせて貰った。『FRIENDS』(唄:Variety Various and キングコング梶原)というタイトルのCDで、収録されている曲は「FRIENDS」「under the rain "interlude(間奏曲)"」「Sensitive」「Hands up」
の三曲(四曲)である。

ラップ(rap)はもともと黒人音楽の一ジャンルであり、1960年代頃にアメリカで生まれたようである。ゴスペルが教会の中だとしたら、差別に苦しむ人たちの街中での叫びであろう。社会への風刺や理不尽なことへの怒りもこめられたエネルギーから自然に生み出された音楽だろう。キング牧師やマルコムXの黒人の人たちの自由を願う祈りも、ラップが助けていただろう。想像するに難しい言葉よりも、分かりやすい言葉が使われていたのではなかろうか。

その音楽ジャンルを導入してこの『FRIENDS』も構成されている。「FRIENDS」の歌詞はその題も示すように、私にも付いていけそうである。
「いつもいつもThanks my Friends ありがとう Dear my Friends ずっと僕らはFriends僕らはFriends 」というくだりは私にも分かる。若い人たちにはよく理解でき、楽しめる曲だと思う。

しかしこの年寄りにはやっぱり言葉についていくのになかなか大変な努力がいる。やっぱり年寄りの冷や水かな。若者たちのセンスになかなか追いつけそうもない。許されよ。そこで年寄りからの願いを一言。年寄りにも分かるラップを聴かせてもらえないかということ。ラップ自体に対しての拒否反応は決してないつもりなのだが。しかし私のセンスでは分からないのは、恋愛に対しての瑞々しい感覚が欠如しているからかもしれないね。

私にはどうもラップとスキャットの違いもよく分からないのだが、ラップには魂の内なる叫びがあってほしいと思う。それは年寄りにも分かるはずだと思っている。人間としての内なる叫び。社会に対しても。自分に対しても。友に対しても。世界に対しても。自然に対しても。空に対しても。雲に対しても。

いつか麿我さんのラップ論を聞かせてもらえれば有り難いです。この年寄りは何も分からないくせに厚かましくも一言を述べているのだから。やはり人生を賭けて音楽に生きている人の言葉を聞かせて貰いたいと思っています。

脇の話ですが、グループ名は誰もが覚えるには、少し難しすぎるように思うのですが。CDを買うとき発音に苦労しました。

ヴォイス・トレーニングにしても、アメリカのラップの勉強にしても、いろんな地道な努力を重ね、できうる限りの努力をしてさらに素敵な音楽を聴かせて貰えることを楽しみにしています。君の素直な合掌の姿の中に、いきいきとした瞳の輝きに、魅力的なマスクに、なによりその甘いだけでない力強い声に、さらなる活躍を期待しています。若者を信じられるということの幸せを君にみることができるのです。精進を祈っています。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます!! (まろ(野村麿我))
2006-08-09 01:31:39
ここ最近時間が無くてなかなか見れませんでした。お返事遅くなってしまい、大変申し訳ありませんでした。



風月様、貴重なご意見ありがとうございます。実は母にも同じ様な事を言われました。笑

僕自身始まりがダンサーなものですから、普通のラップよりもリズム重視で何を言っているかは聞き取りずらいかとおもいます。笑



「耳に心地よいリズムを運ぶ」これが今の一番の楽しみです。きっとこれに皆さんが共感出来る様な素晴らしい歌詞が考えられればもう一個レベルアップかな?と自分でも思っております。



今後は新たなるユニットでの活動となるのですが、また出来次第自身のblogにアップしていきます。



次作は風月様に直接お渡しさせて頂きたいです!!

これから夏本場ですので風月様もお体お気をつけ下さい。またお会い出来る日を楽しみにしております。
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麿我さんへ (風月)
2006-08-09 10:08:34
お返事有り難うございました。



勝手な私の意見に対して、ご丁寧なお返事恐縮しています。



さらなるご活躍を祈っています。



次の作品を楽しみにしています。
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ご無沙汰してました (りょう)
2006-08-16 16:04:43
風月さん、こんにちは。

ミュージシャンさんとも交流があるとは・・・

私も『17歳の地図』のアルバム持っています。

若者時代特有の、多感で不安定な心を代弁していますね。ちなみに私のカラオケの十八番は尾崎豊の『卒業』です



ラップは実は私もあまり分からないんです・・・

年齢的なものもあるかもしれませんね。なんだか全部同じに聞こえてしまって・・・。

黒人音楽ではブルースが好きです。学生の時はまりました。マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、BB・キングなどなど。抑圧された生活に対するあきらめや、怒り、そして一縷の希望が歌い上げられています。

長々失礼致しました・・・
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