60歳からの眼差し

人生の最終章へ、見る物聞くもの、今何を感じるのか綴って見ようと思う。

羽子板市

2010年12月24日 09時09分40秒 | Weblog
台東区の今の会社に通い始めて、もう20年近くになる。この地域は以前通っていた池袋と違い、
古い時代の東京の伝統文化が色濃く残しているように思う。それは浅草寺を中心にした浅草地区、
上野の周辺で「谷根千(やねせん)」と呼ばれ、下町の情緒が残る谷中・根津・千駄木地区など、
そこには昔からの神社仏閣が数多く残り、戦後の開発から取り残されてしまったからなのでもあろう。

ここにいると自然に、四季折々に催される、この地に根づく伝統の行事に触れる機会が多くなる。
浅草寺の初詣に始まり、上野公園の桜まつり、隅田公園の桜まつり、5月の三社(さんじゃ)祭り、
7月の入谷鬼子母神の朝顔市や浅草寺のほおづき市、8月の隅田川の花火大会や灯籠流し、
浅草寺の境内で行われる薪能(たきぎのう)、11月の鷲(おおとり)神社の酉の市、等々である。
先週会社のそばにある町内掲示板に浅草寺の羽子板市のポスターが貼ってあった。この行事は
まだ行ったことはない。「思いたったら即行動」、そう思って休みの土曜日に行ってみることにした。

浅草に着くと、普段に倍して大勢の人が出ている。大提灯で有名な雷門から仲見世通りを通って
本堂まで、空いていれば5分で着く距離を、人の波にもまれもまれて15分程度もかかってしまう。
仲見世でお土産を買っている人、数人で固まって歩く観光客、そんな人々の会話を聞いていると、
意外に中国語や韓国語が多いのにおどろく。日本の地を訪れ、東京を見て回る外国人観光客
にとって、この浅草は日本の伝統文化や情緒が残っている場所として知名度が高いのであろう。

羽子板市は本堂の左手の境内に、約50の露店が軒を並べる形で展開されていた。それぞれの
店にはその店の特色を出した羽子板を並べている。羽根つきという遊びは、すでにすたれて久しい
のであろう。店に並んでいる羽子板は実際に遊べるものはほとんど無く、一つが何万円もする伝統
工芸品としての高価な品が多い。売り手と客の会話を聞いていると、これは押絵羽子板といって、
ひとつひとつ手仕事で正絹を貼り合わせ役者絵などを描いていくそうである。そしてそこに使われて
いる生地によって値段も大きく違うということであった。

羽子板市の中をひと廻りし、境内の五重の塔を見上げたら、塔の傍に東京スカイツリーが見えた。
「ここから歩いてもそんなに遠くないはず」そう思って、スカイツリーの工事現場を見に行くことにする。
隅田川に架かる吾妻橋を渡り、アサヒビールの本社を左手に見て浅草通りを業平の方へ向かう。
見上げればどこからでもスカイツリーが見えるから迷うことはない。思ったより近く20分程度で工事
現場に到着した。タワーの上にも、下のビルの工事現場にも何本ものクレーンが林立しいている。
今日は土曜日で工事は休みなのであろう。柵で囲われた現場の中には、何台ものダンプカーが
停められていた。動きが止まり静かな工事現場を大勢の見物人が取り巻いている。そしてそれぞれ
にカメラや携帯を持ち、ツリーの上から下までを収めようと苦労している。「只今514m」、完成まで
あと1年と少しである。完成すれば古い伝統文化が残る浅草と、最新で世界一のタワーが建つ
この地区とが一つになって、東京最大の人気スポットになるのは間違いないように思える。

  

                お正月の飾り付けも終わった仲見世通り

          

          

          

  

  

  

                    今話題の市川海老蔵

  

         高額の羽子板(10万円?)が売れると三三七拍子の手締めをする

          
  
         
          

              五重の塔の向こうに東京スカイツリーが見える

          
                 
                     アサヒビール本社

  

                    東京スカイツリー工事現場

          


                 

 

            

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