そして、1964年中盤を終え、次にイギリス勢として首位を奪ったのは9月に入ってSeptember 5付けキャッシュボックス誌の1位になったジ・アニマルズの「朝日の当たる家 The House Of The Rising Sun」であった。 映画「ポップギア」 でこの歌を演奏するアニマルズは、ロックヴォーカリストたちに衝撃を与えた。エリック・バードンのソウルフルな歌唱に圧倒されてなんとかあんな風に歌おうと稽古したものだった。
「朝日の当たる家」は、それまではジョーン・バエズ の演奏するような普通のフォークソングだった。
1962年、フォークとロックの改革者となる、ロバート・アレン・ジマーマン(Robert Allen Zimmerman)というユダヤ系名から改名したボブ・ディラン (Bob Dylan)は敬愛する先輩フォーク歌手ディヴ・ヴァン・ロンクDave Van Ronk の演奏する店に毎晩通った。デビューアルバムにディヴ・ヴァン・ロンクの大切なレパートリーである「朝日の当たる家」を収録したかったから。ディランはディヴ流の「朝日の当たる家」の素晴らしいコード進行をピックアップしてしまいある日、ディヴに尋ねた。。"Would you mind if I recorded your version of the house of the rising sun?"「あなたのヴァージョンで『朝日の当たる家』をレコーディングしてもかまいませんか?」
「おれにも録音の予定があるんだ」とディヴがすげなく断ると、ディランは「アッオー」と絶句したが ディヴ・ヴァン・ロンクのコード進行のままで録音してしまったのだ。ディヴはおかげで以来、ディランのを盗んだと思われるから「朝日の当たる家 」をやれなくなった、と嘆く。