monologue
夜明けに向けて
 



 2006年7月7日、ピンク・フロイドの設立メンバーの一人で中心人物であった、シド・バレット(Syd Barrett)が糖尿病の合併症により60才で亡くなった、というニュースに、そうか、やはり、とうとう、など複雑な感慨を抱いた。英国にはビートルズ、ローリングストーンズなどビートポップグループと別の方向性をとるロックの潮流があった。その代表が芸術性を指向するピンクフロイドであった。

 かれらのデビューシングルはArnold Lane で内容は女装癖をもつ下着泥棒の男の話しで不可解だったが一部では支持され、二枚目のSee Emily Play は一般受けしてヒットチャートを駆け昇りピンクフロイドは人気者になってしまった。
 ところが芸術家肌のシド・バレット、本名ロジャー・キース・バレット(Roger Keith Barrett,)は、その人気に馴染めずLSDなどを乱用して精神的に病んで社会と隔絶した生活を送った。かれは破壊と創造の境の間(魔)に落ち込んでとうとう帰ってくることができなかった。しかし、かれの感性を継承したピンクフロイド ディヴィッド・ボウイ などは現実世界に踏みとどまって成功したのである。アートロックの先駆者の見ていた夢はなんだったのだろう。夢の途中で亡くなったのだろうか…。合掌。
fumio

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