monologue
夜明けに向けて
 

水槽  


 ある日、父は水槽を買ってきて応接間で熱帯魚を飼った。そしてしばらくすると色々な種類の金魚や小さな魚を入れて楽しんだ。そしてそれには物足りなくなったのか今度は鯉を数匹入れた。すると数日すると多かった他の魚の数が減りだした。鯉がいつのまにか捕食していたのだ。父はそれに気付いて鯉をどこかの川に流してしまった。わたしたちは簡単だからとなんでもかんでも一緒にしてはいけないということを学んだのである。

  今、琵琶湖その他の湖や池で同じことが起きている。人間が入れる外来魚のブルーギルその他の肉食魚によって本来の地元の魚が追いやられその湖の生態系が破壊されてゆく。以前捕れていた魚が捕れなくなり結局は人間の生活の手段を奪うことになってしまう。生き物たちとは適切につき合わねば…。
fumio

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