monologue
夜明けに向けて
 



<5>

ゆうべに辿る道は険しかろうと 朝露の道は輝いているだろう
砂浜は波に洗われ洗われ 其方達の足跡を残すことは無い
過ぎ行く時の しじまを縫って帆掛け舟は出て行く
時と時との間にある にかわを溶かす者は何処に眠っているか

耶麻女(ヤマメ)の走る先 清き流れの元となる所
総ての雪の生まれる所、馨しき香の流れる所

音で辿れ あまねく人々の耳に快い音で
それは 葉ずれの音
それは 波打ち際の音
それは 深山の音

ようやくにして 心と心の音の解る人々が生まれてきたことよ
黄金のサキツチの世に、虐げられるもののあることを許すまじ
闇の世 永くは栄えぬことよ
そは すべからくアジナの主の言う通り

メの神の世には 光 未だ齢(ヨワイ)を持たず
今 しばらくの時を待つべし

---カリカラの明王

「光の黙示録」より


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「音で辿れ あまねく人々の耳に快い音で
それは 葉ずれの音
それは 波打ち際の音
それは 深山の音」


「葉ずれ」について「SOUNDとこの部屋の仲間へ」の解読において「私は木の葉擦れの間で息をしよう。」の「葉擦れ」はニギハヤヒを祀り十種神宝が隠されたといわれる玉置神社 の神札に記載されている「波須礼(外れ)」を示唆している。として波はイザナミ、須はスサノオ、そして礼は本字の「禮」に戻せば示篇に豊で「豊の国霊ニギハヤヒ」と解いた。それを踏まえると「波打ち際」はイザナミの内紀和と読める。そして深山は新参で山王であるニギハヤヒ、やはりにかわを溶かす者は紀和の深山玉置神社 に眠っているらしい。
fumio

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