monologue
夜明けに向けて
 

ポス  


ピレニアン・マウンテン・ドッグの子犬は大きいので父は初めはボスと名付けようとしたがそれでは当たり前すぎるのでひねって「ポス」にした。それで大きくなってドッグショーに出る時、地名を前につけて「久御山ポスボーイ」という名前で出場した。グレートピレネーズの部門ではいつも優勝したが全体では優勝できなかった。犬全体で優勝するにはそれなりのなにかが必要らしかった。ポスは父が帰宅してしばらくすると前足でガラス戸を開けて家に上がりこんできた。お座敷犬ではないのに父の横に座って夕食のおかずを相伴した。セキセイインコたちもご飯の茶碗にとまったりする。犬とインコは喧嘩することなく平和に一家の夕餉の団らんに顔をそろえた。
fumio

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わたしの父は滋賀の田舎で育ったせいか生き物好きだった。戦後、京都市内の長屋式の家に住んだ時、シェパードを飼った。ジョンやメリーと名付けられたシェパードは庭がないので走り回れずかわいそうだった。社会にも個人にもすこし余裕ができた頃、京都の郊外に家を建てた時、狭いながらも庭を作れたのでピレニアン・マウンテン・ドッグという犬種の真っ白な子犬を買ってきた。その犬はセントバーナード並の体格に成長した。近所の人が子供を連れて見に来たりしたものだった。父は文鳥やセキセイインコなどを買ってきた。慣らして手乗りにするのはわたしの役目だった。文鳥よりセキセイインコのほうが人に慣れやすく口まねもうまく面白かった。生まれた時から育てると家族同然になる。いつも呼ばれるセイタロウという自分の名前を覚えて、わたしたちの食事中に肩にとまってセイタロウ、セイタロウ、と耳元で言ってご飯粒をねだった。好きな時に籠に入り呼ぶと遊びに来た。自由に人間との生活を楽しんでいるようだった。
fumio


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今なぜわたしが「スター・ウォーズ」を採り上げなければならないのかと不思議だった。初めはこの作品の預言的使命に気付かずただ表面的なストーリーを追うだけだったがサーガ全編を通して見終わって名作傑作として後世に残るほどの作品は一人歩きして作り手の意志や意図を超えるものであると感じる。ジョージ・ルーカス監督が思い描けなかったところには見えざる手が働いて助けていたのではないかと。「スター・ウォーズ」とはスペースオペラの形で現代を映しそしてやがて明け行く光りの時代を預言する作品であったのだ。了
fumio

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  フォースにバランスをもたらす選ばれし者として預言によって父なくして生まれたアナキン・スカイウォーカーは「アミダラ阿弥陀女王」との間に双子をもうける。そのひとりがルークで、ルークとは光。もうひとりがキャリー・フィッシャーの演じたレイア姫、「レイア・オーガナ」。漢字で書けば「霊阿大賀奈」となるのだろうが、「オーガナ」は「organ 器官, 臓器、機関」からきているように思える。霊阿」は「偉大な光照者」大日如来を表す梵字「阿」の霊ということのようである。つまりキリスト意識をもつアナキンと阿弥陀の間に生まれたのは「ルーク」という光の存在と「レイア」という「偉大な光照者」の霊をもつ姫であった。その双子が新たなる希望として人類にもたらされるということであった。これまでの大宗教が重なり、そして以前のものを超える光りが生まれるのである。
fumio

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私的カウントダウンアルバム「水面に書いた物語 」 収録曲の今週のアクセス聴取ランキング
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7月30日(金)~8月6日(金)
ヒット数: 1,215件中
    
順位( )内は前週の順位< >内は前々週の順位 
 
第1位(3)<1>水面に書いた物語
第2位(1)<2>ごめんなさい
第3位(2)<4>あやかしのまち
第4位(4)<5>ときめきFALL IN LOVE
第5位(5)<3>軽々しく愛を口にしないで
第6位(6)<8>はるかなるメロディ
第7位(8)<7>ラスト・ランデヴー
第8位(9)<18>わかりあえる日まで
第9位(7)<6>女優(スター)
第10位(17)<12>Stay with me
第11位(12)<9>オーロラの町から
第12位(14)<10>それってⅨじゃない
第13位(13)<14>素顔のマスカレード
第14位(10)<11>マイ・スィート・ライフ
第15位(16)<19>しあわせになれる
第16位(19)<17>Sentimentallady”M”
第17位(11)<15>恋すれば魔女
第18位(18)<16>NEVER GIVE UP!
第19位(15)<13>まことのひかり
第20位(20)<20>プロセス
第21位(22)<->ハロー!エンドレスドリーム

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  今週もまたトップが入れ替わって水面に書いた物語 が首位に。ご愛聴感謝。
fumio

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神話学者ジョーゼフ・キャンベルは映画監督ジョージルーカスにとって溝口健二監督の相棒であった脚本家、依田義賢(ヨーダ )と同じようにいわゆるジェダイ・マスター(師匠)であった。ルーカスはパダワン(弟子)として「千の顔をもつ英雄(The Hero with a Thousand Faces)を学びキャンベルが分析研究してみせた世界各地の英雄伝説に共通する英雄の行動パターンをはじめに製作した「スター・ウォーズ」三部作、「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」 「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還」に使用した。それは簡単にまとめれば「英雄は旅立ち、成し遂げ、生還する」というものである。その間にさまざまな山や谷があるのだ。そしてその後、ルーカスは大学でキャンベル本人の講義を実際に受けたり会ったりする。そして満を持して「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 」を製作し「スター・ウォーズ」サーガ全編を完成したのである。ジョーゼフ・キャンベルは折りに触れて「スター・ウォーズ」シリーズを絶賛しているがジョージルーカスはかれにとって自慢の弟子だったのだ。自分を超えるマスターになることを祈っていたことだろう。
fumio


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 1988年にテレビジャーナリスト、ビル・モイヤーズ(Bill Moyers)が著名な神話学者ジョーゼフ・キャンベル(Joseph Campbell)にインタビューするドキュメンタリーシリーズ番組「神話の力」がジョージ・ルーカス監督のスカイウォーカー・ランチ(Skywalker Ranch)で撮影されて放映されたことがあった。わたしはヴィデオテープに録画して何度も見てアメリカに住む友ヨシ さんにコピーして送ったりしたものだった。

  ルーカス監督は1977年に最初の「スター・ウォーズ」を製作したあとそのストーリーは神話学者ジョーゼフ・キャンベルの「千の顔をもつ英雄(The Hero with a Thousand Faces)その他の著作を参考にしたと述べている。 ジョーゼフ・キャンベルはルーカス監督の師匠にあたる神話学者だったのである。
fumio


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ジョージ・ルーカスが最初に製作した「スター・ウォーズ」の主役の名前は「ルーク・スカイウォーカー」だった。その名はかれの名、ルーカスからきていると思われた。しかしながらルークがアナキンの息子であることが明かされるとそんなに単純ではないことがわかる。アナキン・スカイウォーカーは預言によってフォースにバランスをもたらす選ばれし者として父なくして生まれてきた。すなわちキリスト意識なのだがかれはダークサイドに墜ちて「ダース・ベイダー」となってしまう。「悪人の救済こそが阿弥陀仏の本願という悪人正機(あくにんしょうき)説の「an悪人(アナキン)」と「アミダラ阿弥陀女王」の子がルークなのであった。ルークとは光、反キリストとされる光の大天使ルシファーなのである。つまり、キリスト意識の支配する世が終わり、「新たなる希望」としてルシファー意識の世へと進むということであった。
fumio

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「白は黒であって 黒も又 白である
 白が白でしか無くなり 黒が黒でしか無くなったとき
 私は全てを 無に帰する」
「光の黙示録」より

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  宇宙神霊アリオンは「光の黙示録」で上のように述べている。。「スター・ウォーズ」シリーズ全体の主人公アナキン・スカイウォーカーは預言によってフォースにバランスをもたらす選ばれし者として父なくして生まれてきた。「フォース」とはバランスをもたらすことによって完全に機能するものなのだろう。それは「白と黒」「善と悪」「光と闇」「男と女」「温と冷」などの陰陽思想が基になっている。そのバランスがとれた状態を示したのが陰陽大極図なのだ。この図の「白と黒」は完全に半々に分かれているのではなく互いに入り込み魚の目のように互いの中に存在しあう。「フォース」とはバランスが崩れた時、敵味方に分かれて激しく争っても最終的にはバランスをもたらされて完全になるものなのだろう。そんな東洋思想を新しい西洋のことばで飾ってみせたのが「フォース」という概念であった。
fumio


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 「スター・ウォーズ」シリーズには多くの成功の秘密が存在する。印象に残ることばにジェダイ戦士たちが別れ際に口にする"May the force be with you."「フォースがあなたとともにありますように」というものがある。それは普通 "May God be with you."あるいは"May luck be with you."と言うのだがジェダイはforceを神( God)や幸運(luck)という概念と置き換えて使用していたのである。「スター・ウォーズ」は従来の神の概念を解き放ちフォースの概念へと観客を導いた。簡単に理解できるものには人は惹かれない。そのわかったようでわからない古くて新しい概念の導入が映画の成功の一因でもあったのだ。
fumio


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