風に乗って♪

自然観察が趣味の主婦です。おもしろそうな事は何でもやってみたくて、好奇心のおもむくまま暮らしています。

ナンキンキノカワガの繭作り、続き。

2019年09月11日 | 蛾の観察や飼育
それまで左右の端を交互に作っていた幼虫が、繭の内側から両端を縫い合わせ始めました!


これも、同じように木材を巣の材料にしている、アシナガバチとは大きく違いました。
ハチは、巣材を唾液と混ぜて泥状になったものを、少しずつ塗り重ねていくのですが
キノカワガの繭は、木の皮を糸で編んで、ネットのようなものを作っているようです。
これくらいの分量だった茶色の部分が・・・


びよ~んと伸びて、天井が合わさったドーム状になりました。


半分ほど縫い合わせたところで、いったん外へ出てきました。
サイズとか密度を点検しているよう(笑)まるで職人さんみたいです。


天井を縫い合わせつつ、内側を補強しているようです。


追加に割りばしをかじることもなく、これで大丈夫かなな?と思うような密度ですが、迷いもなく作業を続けます。


ここで突然、手前の端をめくり始めました。
気に入らなくて手直しするのかな・・・
この時、ふと思ったのですが、繭を作る昆虫は、同種なら手順や段取り?はみんな一緒なのかな?
器用、不器用、丁寧、大雑把、創意工夫とかは個別にあるものなのかな?
この子は、天井を半分閉じてから、枝と繭の接点を作り直しました。
覚えておいて、また別の幼虫の繭作りを観察できたら、比べてみたいと思います!


どうなる事かと思いましたが、なんとか繭の形になってきました。


9時50分になりました。ここまでで約2時間です。
最初に見つけた8時の時点では、繭はまだ作り始めたばかりだと思いましたが
こうして出来たものをみると、茶色い部分が多く、割りばしの木はほんの少しだけです。
もしかしたら、早朝からずいぶん頑張っていたのかもしれません。


家事をするため(母に叱られた~(笑))観察を中断して、次は午後1時に様子を見にきました。
完成したようです。


ベランダへ出て、太陽の下で見てみると、まだ少し編み目が粗いようにも思えますが・・・
多分、自然界にはない、マーブル模様のお洒落な繭が出来上がりました!
向かって右側が頭で、左がお尻です。
ところで、あの威嚇音を出すための溝は、内側にもう作られているのでしょうか?


庭へ出て、植木の中から去年の古い繭を探してきました。


繭を開いてみると、内側に10数本の、筋状の突起がありました。
どの段階でこれを作っていたのだろう??
天井を閉じたあと、内側でしきりに顔を動かしていた、あの時かな。
知りたい、知りたい!すべてが本当に不思議でたまりません(^^)


庭のナンキンハゼの木では、第2次孵化ラッシュが始まり、キノカワガの小さな幼虫がいっぱい出てきました。
最初にマットで繭を作った幼虫は、初夏に生まれた第一次世代の生き残りでした。
一緒に生まれた他の幼虫は、ほとんどアシナガバチに狩られてしまったのですが
蛾は、全滅しないように産卵時期を2回にわけているようです。
なので、エサの葉を取に行く度に、チビッコ幼虫がついて来て
飼育ケースの中を覗くと、いつの間にか数が増えていて、ヒエ~となります(笑)

繭作りの個体差を観察したいので、続けてチビちゃんたちを育てていきたいと思います^m^


ナンキンキノカワガが繭を作り始めました!(実況中継)

2019年09月11日 | 蛾の観察や飼育
昨日の夜10時頃、ナンキンキノカワガの幼虫が葉から離れて、ケースの中をウロウロし出しました。


そろそろサナギになるのかな?
本当は木の枝を用意するつもりでしたが、念のために、割りばしを立てておきました。


今朝、飼育ケースの中を見たら、昨日まできれいなグリーン色だった幼虫が茶色っぽく変色して
ケースの底で繭を作り始めていました。
よく見ると、割りばしではなく、ドライフラワー用のオアシスを繭の材料にしています(。・Д・)ゞ


ドームの基礎部分がもう出来ていましたが、材料のスポンジは、押すと粉みたいになってしまい強度が無いので
どうしようか迷いましたが、オアシスを取り除いて、代わりに木の枝をそばに置いてみました。
午前8時12分。


幼虫はしばらく思案していたけど、すぐに枝を調べ初め、結局材料を割りばしに変更する事にしたようです!
場所を移動して、最初から作るかと思ったけど、そのまま午前8時30分、工事再開です。


みるみる間に、スポンジの土台に、割りばしの層が積み上げられていきます。
サナギになるのに、タイムリミットがあるのかな?仕事が早いです!


静かにしていると、割りばしを食いちぎる、バリッという音が聞こえてきます。
アシナガバチの巣も、材料は木材ですが、ハチは木の表面をガリガリ削り取っていきます。
キノカワガの繭も、そうやって作るのだと予想していましたが、実際はちぎって貼る、と違っていました。
10分後、8時40分。


9時5分。
基礎部分を、内側から押し上げるように伸ばし始めました。
糸で紡いだ布のようになっていて、伸縮性がかなりあるようです。


最初に見た時からここまで、約1時間です。
よそ見していると、どんどん工事が進んでいます(^^ゞ
狭い繭の中で、器用に体の向きを入れ替えて、足りない部分に材料を足しています。


脱皮してサナギになる幼虫は見て来たけど、こうして繭を作る様子を観察するのは初めての体験です。
こんな小さな昆虫の中に、物作り(造り)の能力が本能として備わっているなんて・・・
引き続き、完成までの工程を観察します(^^)