風に乗って♪

自然観察が趣味の主婦です。おもしろそうな事は何でもやってみたくて、好奇心のおもむくまま暮らしています。

気絶したオニヤンマを道で拾いました

2022年09月18日 | いきものの観察や飼育
7月の半ば頃、夕方仕事から帰る途中、農道に何か落ちているのを見つけました。
少し過ぎたところで車を降りて、走って見に行くと、大きなトンボでした。
「オニヤンマだ!」


たぶん走っている自動車とぶつかったのでしょう。
飛べないようですが、足をしきりに動かし、まだ生きています。


脳震盪を起こしただけなら、休めば飛べるかも。
連れて帰って様子をみることにしました。


それにしても、大きい!
まるでヘリコプターみたいです。


そういえば・・・「虫よけオニヤンマ」があったのを思い出して、持ってきました。
野外活動のとき、これを上着や帽子、バッグに付けておくと蜂などが寄ってこないらしいのです。


並べてみると、なるほど実物とそっくりです。
目が離れているところと、黄色の縞模様が強調されているのが違うかな・・・
でも、パッと見ただけでは、区別がつかないくらいよくできています。


ネコが入らないように部屋のドアを閉めて、網戸につかまらせておきましたが
その日の夜には残念ながら死んでしまいました。


オニヤンマの成虫が見られる時期は6月~9月で
成虫の寿命は、羽化してから1~2か月ほどだそうです。
この子は事故で命を落としてしまい気の毒でしたが、せめて寿命期間を生きていたらいいなと思いました。
それから、今回オニヤンマのことを調べてびっくりしたのは、その幼虫期間の長さです!
ヤゴの状態で3~5年、10回も脱皮を繰り返してやっと成虫になるそうです。
セミと変わらないくらい幼虫時代が長いのです!
では、大型トンボのギンヤンマはどうだろう?調べてみてまたびっくり。
ギンヤンマの幼虫期間は、長くても8ヶ月で、その間13回も脱皮するそうです。
人生いろいろ、トンボもいろいろですね(^m^)

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そして一昨日、また道に落ちているオニヤンマを拾いました。


このあたりは川と田んぼが広がる中に、まっすぐ農道が通っているので
生き物が暮らす中を車は結構なスピードで走っています。
トンボやカエル、トカゲヘビなどが轢かれていることが多くて、見るたびに心が痛みます。


指につかまる力があったので、助かるかもと思い連れ帰りました。
前回の子より一回り小さくて、性別を調べたらオスでした。


トンボのオスの特徴は、写真のこの辺り(腹の第2、第3節)に交尾に使う器官があります。
メスのお腹はスッとなめらかだそうです。


それからもうひとつ、腹の先(ついつい、しっぽと言ってしまうけど)には、上下に「付属器」があって
交尾中、この器官でメスの頭をガッチリと掴んで離さないのだそうす。


メスの方は、この部分に尾毛という毛が生えていて
腹の下側に産卵弁があります。


蜘蛛にあげていたように、筆に水を含ませて口元へ持っていったら
アゴを動かして少しだけ飲んだようでした。


網の中へ入れて一晩、部屋で様子を見ましたが
翌朝、もう動かなくなっていました。
せめてこの子も交尾を終えていて、子孫を残せていたらいいのにな・・・


オニヤンマの死骸は、土に埋めて微生物に分解してもらうことも考えましたが
庭で小さな虫たちの糧になるように、草の中へ置いてきました。
飛んでいる状態では見られない体のつくりを観察させて貰え、感謝です。
ありがとうございました。