風に乗って♪

自然観察が趣味の主婦です。おもしろそうな事は何でもやってみたくて、好奇心のおもむくまま暮らしています。

ヒメグモと居候グモ、繰り広げられる筋書きのないドラマ・・・

2022年09月23日 | 蜘蛛の観察
今年も玄関の入り口にヒメグモが網を張り、7月の初旬から観察を始めました(#^.^#)


去年は、卵から子グモが孵ったタイミングで、クロマルイソウロウグモに巣を乗っ取られ
ヒメグモさん一家は全滅してしまいましたが・・・今年は無事に生き残れますように!
そう願っていたのですが、今年もまたあの恐ろしい居候がやってきました(ll゚д゚)


7月下旬、とうとうヒメグモのメスが脱皮をしました。


この瞬間を待ちに待っていたオスグモたち!
メスは最後の脱皮をすると交尾が可能になるので、オスたちは網の上で優劣を競いながら待っているのです。
ヒメグモの生態を前回調べていて、生態を知ったうえで観察していると、本当にその通りになっていくので、とても面白いです!


交尾が済んで約2週間後、8月の初旬にメスが網に枯れ葉を運んできて据え付けました。
小さなクモが自分の体の数倍もある葉をどうやって運んだんだろう?いつか運搬中の姿を見てみたいです。
しばらくして、産んだ卵を枯れ葉の中へ運んで自分もその横へ入り、出て来なくなりました。


8月が終わる頃、クモの子が孵化しました。
枯れ葉を軽く突くと、真っ白な子グモが糸を引いて出てきました(#^.^#)


ヒメグモの網は広い範囲に張り巡らされて、とても大きなものになっています。
クモを人の大きさだとすると、「東京ドーム何個分」とか言われそうなほどです(^m^)
ヒメグモの張る網は「立体的な不規則網」で、網の底の部分は粘着質の糸でシート状になっていて
そこで獲物を捕らえるそうです。
数ミリの小さなクモが作る大豪邸!素晴らしい能力だと思います。


**
9月になりました。
母グモは元気にエサを食べて丸々としています。
今年はもうクロマルさんが来る心配はないかな、と思っていたある日
いつものように写真を撮ってから、網の中の葉をトントンとしても、子グモが出てきません。


イヤな予感がして網の中をよく見ると、ポチッと黒い点のようなものがありました。
クロマルイソウロウグモです!
ヒメグモは葉の中で死んでいて、子グモもみんな食べられてしまっていました(>_<)rder="0">

クロマルさんはヒメグモより小さくて、メスは3mm、オスなんて点にしか見えないくら小さいのに
あの体でどうやって獲物を探すんだろう?
ヒメグモはどうして、自分より小さなクモにやられてしまうんだろう・・・
その日から、乗っ取ったヒメグモの網で、クロマルさんのメスがオスグモと暮らし始めました。
約2週間後、網の中央に見慣れない物体がぶら下がっていました。


えっ?もしかして卵?
検索したらクロマルイソウロウグモの卵嚢でした。
真っ白なのは、できたてホヤホヤだからみたいで、数日するとベージュ色に変化してきました。


人の家を奪って、そこで繁殖しなくても自分で網を張ればいいのに・・・
そもそも、ヒメグモの網を見つけるまでは、どこでどうやって暮らしていたのだろう?
ヒメグモが気の毒で、クロマルさんが憎らしくなってくるけど、観察を続けよう。
そう思っていたら、今度はクロマルさんに災難が起こりました。
先日の台風で、網がほぼ全壊してしまったのです(ll゚д゚)


かろうじて卵は飛ばされず残っていましたが・・・
ちょっと待って・・・写真を見ていて気付きましたが、卵の位置が変わっています。
最初は網の中央にあった卵が、ヒメグモが運んだ枯れ葉の先に括りつけられています。
風に舞ううち偶然に引っかかったのか、それともクロマルさんが丈夫な糸で繋ぎなおしたのか?


極悪非道(本当は違うけど)なクロマル母は、卵の下で少しも動きません。
人の子は食べてしまうのに、自分の卵は命がけで守っているのです。
黒いしずくのようにまん丸だった体が・・・


ぺしゃんこになっていて、健気な姿にちょっとホロリとしてしまいました。


***
これからの観察課題は、クロマルさんが網を修復するかどうかです。
イソウロウグモについての解説を見ると、「みずから網を張ることはなく」と書いてありますが
張らないのか、それとも張るための能力や技術がないのかが謎です!
もしも修復できない場合、生まれてくる子グモたちの居場所もないし・・・
今日現在(9月23日)の網の写真です!張られた糸が増えていくのか?楽しみです。
       ↓


いったいこれからどんな展開になっていくんだろう。
ハラハラドキドキ
庭のあちらこちらで、今日も何か事件が起こっていたり、いなかったり(笑)
自然界の営みはどれもみんな「筋書のないドラマ」ですね(^^♪