前日は夕焼けだったのに
夜中に雨が降って
この日の蓼科山もスッキリしません。
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深田久弥さんの
日本百名山より
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蓼科山は俗に北八ツと証せられる連嶺の一番北の端に、
一きわ抜きん出ている峰で、その余威は更に北に向って、
次第に高さを落しながら広大な裾野となる。
しかしそれは赤城山のようにスムースな美しい線ではなく、
幾らか不整形なので人々の眼はただその円頂のみにそそがれる。
この円頂はどこから望んでも端正な形を崩さず、
蓼科山が名山として讃えられたゆえんも、ここにあるのだろう。
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蓼科牧場から車で上がった7合目に
駐車場があり
今回の蓼科山登山の出発点です。

写真は帰りのものです。ちょうど
団体さんのバスが到着しました。
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地図は登山時に調べ
参考にさせてもらいました。

朝早くモヤがかかり
小雨が降っています。
登山道は針葉樹林で囲まれ
朽ちた倒木さえ覆う苔の林床が広がり
車山とは違う静かな山道です。

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馬返しと呼ばれる地点から急坂が始まり

分かりやすい一本道は
天狗の露地という標識のところで
横道が見えますが

山頂方向の標識どおりに進めば
迷うことはありません。
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上るに従がい
石が大きくなってきますが

倒木を針金で組んで
階段状になっていますから
見た目ほど
歩きにくいことはありません。
もうじき
蓼科山荘だろうと思いましたが
急坂で休む場所がなかったので
登山口から1時間で休憩にしました。
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予想通り
静かな林の上から
人の気配がしました。
ここまでほとんどひと気がなく
小雨は止みましたが
雲は厚く展望もありません。
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ガイドブックの標準タイムどおり
7合目の登山口から1時間10分で
蓼科山荘に到着です。

山小屋の中から
食器の音が聞こえましたから
朝食の時間だったのでしょう。
外にも
出発の準備をしている人がいました。

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小屋から上り始める単独の登山者に
先を譲り
再び始まる急登に取り付きます。

傾斜を増した岩の道は
一部に鎖があります。
下りには重宝するでしょう。

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疲労が残る身体で
30分かかって
蓼科山頂ヒュッテに着きました。

すぐ脇に
山頂のりっぱな案内板があり

もう到着した気になりますが
ここはまだ北の端です。
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大きな黒い溶岩の上を
慎重にゆっくり進むと
平坦な山頂の中央部に
山頂を示す標柱と蓼科神社奥宮があります。

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独立した山容ですから
晴れていればすばらしい眺望でしょう。
この日は
白と黒の世界が広がります。

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先行した単独の登山者がすぐに下りたので
広い山頂に
誰もいなくなってしまいました。
朝食をとって
晴れ間を待ちましたが
上空を飛行機が2機通り過ぎただけで

風が穏やかで
1時間ねばっても雲がとれないので
下りることにしました。
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下りは1時間30分かかりました。
急坂なので
時間は上りとあまり変わりません。
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上ると雨が止んだように
下ると雨が降り出しました。
登ってくる人が多く
年齢層もばらばらで
大勢の団体さんも2組すれ違いました。

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今回は
展望も花もありませんでしたが
これも日本百名山だと思います。
山頂の独特な風景が
強く印象に残りました。
この日の歩数
10,385歩
信州りんごを買って帰りました。
end