普通子供は、乳児期に親から全面的に抱かれ、何の心配もなく育っていくことができます。
子供は両親から無条件で愛護されることによって、自分は大切にされているんだ,この世に生きていていいんだという、人間として生きる基本的な精神が無意識に養われていきます。
ところがこの時期に相応の愛情が与えられず、身体的にも快適なアタッチメントがないと、子供は自分の存在を肯定できず、安心して愛情を信じることもできなくなってしまいます。
心子も右へ左へ浮き草のように漂い、愛情を欲しながら人の愛情を疑う、非常にアンバランスな心性を持つようになってしまいました。
それを補償するために、自分をどこまでも抱き留めてくれる、限りのない愛情を欲するのでしょう。
そうしなければ、自分が存在する価値,生きていていいということを確かめられないのです。
(続く)