「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「クワイエットルームへ ようこそ」

2007年11月07日 23時06分43秒 | 映画
 
 「クワイエットルーム」 とは、精神科閉鎖病棟の中の 保護室のこと。

 入院患者の間で そう呼ばれています。

 マルチな才能を発揮している、松尾スズキの 原作・監督作品です。

 有楽町にオープンした 「イトシア」 の、

 「シネカノン有楽町2丁目」 で観てきました。

 28才のライター・佐倉明日香 (内田有紀) は、

 ふと気が付くと、クワイエットルームのベッドに 縛りつけられていました。

 何があったのか、全然 記憶がありません。

 大量服薬 (オーバードーズ) で自殺しようとした と聞かされますが、

 明日香は 死のうなどとはしていない と訴えます。

 自分は こんな所にいる必要はないと。

 病棟には、摂食障害の患者ら、一癖も二癖もある キャラクターがひしめいています。

 食べたくても食べられない ミキ (蒼井優),

 元AV女優で 過食症の西野 (大竹しのぶ),

 鉄仮面のようなナース (りょう) など。

 明日香は 少しずつ記憶が蘇ってきて、

 自分に起こった ヘヴィーな出来事を 理解していきます。

 深刻なテーマですが、松尾スズキの手にかかると、

 観客の目を引きつける、飽きさせない 映像と演出で楽しめます。

 小ネタも満載。

 そして最後は、ぐっと胸に来る 展開で魅せてくれます。

 かなりバッチイ役を、開き直って(?) 演じきった 内田有紀も立派でした。

 大竹しのぶは どんな役でもできてしまうのは 驚きませんが、

 目を引いたのは 新境地の蒼井優。

 拒食症の患者役のため、大分減量して 体を細くし、

 目のつり上がった 不思議な少女を怪演しています。

 また彼女の魅力が ひとつ増えました。
 
コメント
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