( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/51200007.html からの続き)
ある晩、ミカエルは 酒に酔って大暴れし、
ついには警察と 銃を突きつけ合うことに。
数奇な出来事を くぐり抜けてきたために、
不幸にも 背負ってしまった苦悩に 胸が痛みました。
何故 人間は苦しみ、傷つけ合わなければならないのか?
この映画は、「アフター・ウェディング」 とは違って、
問題の解決を 示していません。
しかし、事件について ミカエルが始めて口を開く ラストシーン。
恐らく、ミカエルが少しずつ 心を開いていき、
サラも それを受け止めていくだろうと 想像させます。
苦悩を 分かち合うことによって、初めて問題は 解きほぐれていくでしょう。
そこに 希望が見いだされます。
リアルに、繊細に、丹念な エピソードを重ねていき、
この作品でも 物言うクローズアップを 多用しています。
大向こうを唸らせるような演出は 思い切りカットして、
人間ドラマを 容赦なく描き出す スサンネ監督の手腕。
重く、深く、胸に迫り来る 映画です。
本作は ハリウッドでリメイクが 進んでいるそうですが、
スサンネ監督の手を離れると、ただのメロドラマに なってしまいそうな……。
そして スサンネ監督自身も、ハリウッドへの進出が 決まっています。
中国の巨匠チェン・カイコー監督の ハリウッド作品のように、
大がかりな2時間ドラマに ならないことを願っています。