「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

厚労省の指導と、 労働審判 -- 脱法行為の介護会社 (8)

2011年07月14日 20時11分58秒 | 介護帳
 
(前の記事からの続き)

 雇い止めの 防止やトラブルを解決するため、

 厚生労働省は雇い主に対して 次のような指導を行なっています。

(1) 契約を結ぶときに、

    契約更新があるかないか、 ある場合には 更新の基準を明示する

〈以下、 3回以上更新された契約や、

 1年を超えて継続勤務している 労働者に対して〉

(2) 契約終了の30日以上前に 更新しないことを伝える

(3) 労働者から 雇い止めの理由について 証明書を請求された場合は、

    証明書を交付しなければならない

(4) 労働者の希望に応じて、 できるだけ長い 契約期間を定めるよう 努力する

 (3) は、 雇い主は無視することもできますが、

 そうすると、 のちに 組合による団体交渉や 裁判の際に、

 無視したという事実が残って 不利になるそうです。

 けれども結局 以上の指導も、 雇い止めに対して 強制力はありません。

 労働基準法には、 不合理な理由で 雇い止めをしてはいけない、

 ということは書いてありません。

 雇い止めの理由が 社会通念上合理的なものかどうか、

 その判断は民法上のもので、 裁判に委ねるしかありません。

 裁判は 非常に時間がかかるため (約1年とか)、

 「労働審判」 という簡易な制度が 5年前にできました。

 裁判官と労働審判員の2名で 組織され、 3回以内の期日で審理し、

 調停を試み、 まとまらなければ 解決のための判断 (労働審判) を行ないます。

 裁判の和解と 同じ効力があり、 強制執行させることも可能です。

 ただしこれは 弁護士を立てなければならず、

 例えば 20万円くらいの費用がかかるそうです。

 勝ち負けはないので、 弁護士費用は戻らないようです。

 もし 会社が非を認めず、 言った言わないの論争になれば、

 客観的に証明をしなければならないし、

 何にしても 審判に訴えるのは 労力も費用も生半可ではありません。

 週3のパートの 身分回復の闘いとして 見合うかというと、 難しいことです。
 
(次の記事に続く)

〔 参考資料 :

  「ポケット労働法」 (東京都産業労働局)

  「パートタイム労働ガイドブック」 (東京都産業労働局) 〕
 
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