「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

仲間の職員たち -- 脱法行為の介護会社 (15)

2011年07月22日 20時43分17秒 | 介護帳
 
(前の記事からの続き)

 デイサービスのスタッフは、 僕に職場を辞めてほしくないと 言ってくれました。

 単に頭数の問題ではなく、 僕でなければだめだと、

 僕自身思っていなかった ありがたい言葉でした。

 ただ、 上に何か言っても 無駄だと思っていて、

 僕が動いているのを 応援するという姿勢ではありませんでした。

 みな仲がいい仲間なのに、

 理解して味方になってくれる という立場でないのは、 残念なことでした。

 確かに 上に太刀打ちしても 何も得られないかもしれず、

 それに費やす 時間や労力を考えれば、

 徒労になることは しないほうがいいかもしれません。

 多くの人は 失うもののことを考えて、 理不尽な処遇は 許せず悔しいけれど、 

 無用に歯向かわないほうを 選ぶかもしれません。

 無論 それはそれでいいのです。

 でも中には 僕のように 抵抗する人間もいないと、

 悪をますます 増長させるだけになってしまうでしょう。

 失うものがあっても、 或いは 得るものが期待できなくても、

 人はやらなければならないこと というのがあります。

 そして、 世の中の大方の人が、 闘うのではなく 安全志向であることによって、

 社会は安定を維持していける という面があります。

 多くの人が反骨的で 闘うことばかりしていると、

 世の中はガタガタになり、 安心して暮らしていけません。

 守る人たちが 沢山いることによって、 一部の人は支えられて 闘うことができます。

 そして、 一部の人が悪と闘って 世を改善していくことによって、

 守る人たちも 恩恵を被ることができます。

 お互いに 持ちつ持たれつなのだと思います。

(次の記事に続く)
 
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