「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

模索 -- 脱法行為の介護会社 (11)

2011年07月17日 20時47分44秒 | 介護帳
 
(前の記事からの続き)

 これらの間、 自分は どこまでのことをすればいいか、 また できるのか、

 多少の迷いもありました。

 労働審判以外に 拘束力のある手立てがないとしたら、

 会社が白を黒と言い続け、 行政機関の指導なども 無視し続ければ、

 結局何も得られず、 ただの徒労に終わるかもしれない。

 会社の専横的な体質は 今後も変わらないかもしれない。

 今の会社は見限って、 早く次の職場を 探したほうがいいかもしれない。

 でも相手には 筋の通る理屈は 何ひとつないのだから、

 自分たちの不義を 本当は分かっているはずだ。

 良心のかけらでも残っていれば、

 彼らのほうが 人間としては “負け組み” だということを、

 内心では 認めざるを得ないのではないか。

 それを彼らに対して 示すことができるだけでもいいのではないか。

 とにもかくにも、 このまま悪を のさばらせることだけはできませんでした。

 世の正義として、 会社の非道を許してはならない。

 もしここで 何もしないで終わらせたら、 僕はずっと 後悔するに違いない。

 すごすごと 雇い止めに屈してしまえば、

 相手はこれからも 独裁が簡単に通用するのだと 思い上がり、

 従業員への権柄ずくは ますますエスカレートするでしょう。

 決して 誰もが施設長らの言いなりに なるわけではないのだということを、

 僕は示さなければなりません。

 例え 結果がどうであろうとも、

 やることに意味があるのだ という意を強くしました。

 結果的に もしも相手が変わらなかったとしたら、 つまり、

 これ以上 増長しなくなったとしたら、

 こんな上出来なことは ないのではないでしょうか。

 他の社員の人たちのためにも、 抵抗を示すのは 大事なことなのです。

(次の記事に続く)
 
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