男性に対する暴力は、 当初考えられていたより はるかに多いことが分かっています。
家庭内暴力には、 女性からの、
もしくは男女双方からの 攻撃が含まれているのです。
アメリカのある州では、 家庭内暴力検挙者の 35%が女性というデータもあります。
女性の場合は、 物を投げる, 叩く, 蹴る, 押しのけるといった傾向があります。
金切り声で叫ぶ, 相手を眠らせない, 睡眠中に襲いかかる,
男性の急所を攻撃する, 噛みつく, 武器を使用する傾向も
女性のほうが高いものでした。
付け狙うというストーカー行為は、 男性と同じくらい 女性にも見られます。
男性は、 銃で脅す, 首を絞める, 散々に叩きのめす, 髪の毛を引っ張る,
押しのける, わしづかみにする, 突き飛ばすといった行動が 多く見られます。
男性による虐待的行動のほうが 命に関わる危険性が 高いかもしれません。
では何故、 暴力を振るうのは男性だけだという 社会通念が根強いのでしょう?
下記のような理由から、 男性は虐待を報告したがりません。
・ 男性は 自分を犠牲者と考えていません。
男として 自分が彼女を守ってやらなくてはならないと 思い込んでいます。
・ 誰に相談したらいいか 分からないこともあります。
決まりが悪い, 相談しても信じてもらえない,
自分のほうが逮捕されると 恐れています。
・ 緊急電話相談や避難場所がありません。
逃げたら 子供を置いていかざるを得ない という思いもあります。
・ 虐待を受けるのを 「女々しい」 と捉えています。
自分の力で対処しなくてはならない と考えてしまいます。
(次の記事に続く)
〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕