(前の記事からの続き)
助けを求める屈辱感から、 男性は家庭内暴力にどう反応するか、
以下に例を示します。
「自力で何とかできる」 男気の装い :
親しい人からの攻撃は、 身体だけでなく 心までも傷つけます。
うつ状態や物質乱用を招き、 自信を失い、 自殺に至る可能性もあります。
「男は無言」 :
家庭内暴力を 周りの人や専門家に 口外しないというのは、 男女に共通しています。
しかも男性は女性よりも、 強い疑いや あざけりの目で見られるため、
ますます口を閉ざしてしまうのです。
現実逃避 :
男性は 悲惨な家庭生活に目を背け、 そこから逃れようと 会社で残業をしたり、
自宅でも 書斎やガレージなどにこもったり、
車中や友人宅で 寝泊まりすることもあります。
なぜ男性は 女性のもとに留まるのでしょう?
法的に男性のほうが、 わが子との連絡が 絶たれることを恐れています。
また、 自分がパートナーを助けられると 思い込んでいることもあります。
加えて、 離れることで 感情的に不安定になりたくないという 思いがあります。
関係を失う恐怖と、 その後の未知の恐怖から、
不健全なパターンを繰り返すのでしょう。
失敗に対する恐怖 :
男たるもの 妻子を養えなければ 本物の男ではない、 と従来言われてきました。
「できて当然」 のことが できないという気持ちに 駆られるのかもしれません。
子供に対する懸念 :
男性は 自分が盾になることで、 わが子を虐待から守る という思いがあります。
わが子が 支配的な妻の掌中にあっては、 会うこともままならないと 思っています。
男性のための拠り所が少ない :
女性のためには 緊急電話相談や保護施設がありますが、
男性を対象にしたものは ほとんどありません。
それどころか 施設を運営する人々が、 「男性被害者」 は存在しない,
いたとしても問題にするまでもない、 と考えていることもあります。
(次の記事に続く)
〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕