「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

診断の開示

2014年04月19日 21時49分53秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
 専門家のなかには、 BPDの診断を告げることに 賛成しない人もいます。

 理由は以下のようなものです。

・ BPDの人が、 診断を普遍のものとして受け入れてしまう

・ 診断を、 変化しないための言い訳にするかもしれない

・ 診断を無意味なものと考えている

・ 気分を害したり、 怒ったりするかもしれない

 親の気分を害さないために、 BPDの診断を 親に告げない臨床家もいます。

 BPDへの偏見は、 患者側より臨床家側のものです。

 BPDの人が診断を知る利点は、 以下のようなものです。

・ ひとりぼっちでないことを知り、 孤独感が薄れる。

  ネット上のコミュニティで 情報と支援を共有できる。

・ 本やインターネットで BPDについて学ぶことができる。

・ 積極的に治療計画に参加できる。

  患者が話し合いに参加し、 合意することが重要。

 BPDの人は、 学習することで、 セラピーのプロセスの 重要な一部になります。

 実際は、 診断を聞いて怒る人もいます。

 しかし、 それが

 人生の肯定的なターニングポイントになると 考えるようになります。

 悪い知らせに折り合いを付けることに、 近道はないのです。

○ 忍耐強く: セラピーには時間がかかります

 変化することの難しさを 過小評価しないでください。

 BPDの人は それまでやってきた歪曲したやり方を、

 すぐに取り消すことできません。

 頭では納得しても、 変化するのに より長い時間を必要とします。

 責任を取るのは 彼らにとってはとても難しいことです。

 進歩が見え始めるかもしれませんが、 浮き沈みもあるでしょう。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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