専門家のなかには、 BPDの診断を告げることに 賛成しない人もいます。
理由は以下のようなものです。
・ BPDの人が、 診断を普遍のものとして受け入れてしまう
・ 診断を、 変化しないための言い訳にするかもしれない
・ 診断を無意味なものと考えている
・ 気分を害したり、 怒ったりするかもしれない
親の気分を害さないために、 BPDの診断を 親に告げない臨床家もいます。
BPDへの偏見は、 患者側より臨床家側のものです。
BPDの人が診断を知る利点は、 以下のようなものです。
・ ひとりぼっちでないことを知り、 孤独感が薄れる。
ネット上のコミュニティで 情報と支援を共有できる。
・ 本やインターネットで BPDについて学ぶことができる。
・ 積極的に治療計画に参加できる。
患者が話し合いに参加し、 合意することが重要。
BPDの人は、 学習することで、 セラピーのプロセスの 重要な一部になります。
実際は、 診断を聞いて怒る人もいます。
しかし、 それが
人生の肯定的なターニングポイントになると 考えるようになります。
悪い知らせに折り合いを付けることに、 近道はないのです。
○ 忍耐強く: セラピーには時間がかかります
変化することの難しさを 過小評価しないでください。
BPDの人は それまでやってきた歪曲したやり方を、
すぐに取り消すことできません。
頭では納得しても、 変化するのに より長い時間を必要とします。
責任を取るのは 彼らにとってはとても難しいことです。
進歩が見え始めるかもしれませんが、 浮き沈みもあるでしょう。
〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕