「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

セラピストの考え

2014年04月22日 20時44分13秒 | 「BPDファミリーガイド」より

○ セラピーに対して

 皆さんは セラピストと話すとき、

 質問するのが失礼でないかと 考えるかもしれません。

 しかし セラピストが寛大でなければ、 適切な人ではないでしょう。

 よいセラピストは、 患者の悲劇に巻き込まれることなく、

 セラピーを軌道に乗せられなければなりません。

 セラピーにおいて、

 クライアントがどれほど 自分の感情を管理できているかを 把握します。

 自殺傾向のない高機能のBPDは、 何故か 自分の感情を和らげることができます。

 それでも、 泣いたり 危機に陥ったりし、 一日数回 電話してくることがあります。

 セラピストが、

 クライアントの精神科医と うまく連絡を取り合うことは 不可欠です。

 また、 クライアントの長所や成果を 強調することは大切です。

 良いセラピストは、 クライアントに対して 深い同情を感じます。

 特に、 クライアントが取り組む意志があり、 感情的に弱い場合はそうです。

○ 未成年のBPDの診断に関して

 子供の病気で、

 混乱した人間関係, アイデンティティの混乱, 自傷, 過度の衝動性, 空虚感,

 不合理な信念, 妄想, 解離のような認知障害、

 これら全ての症状が生じるのは、 BPDだけです。

 BPDと他の障害の 主な違いは、

 自己破壊的行動の程度, 自己嫌悪の程度, 絶え間ない自殺思考です。

 BPDの若者の多くは、 攻撃的になったあとで、 恥じたり後悔したりします。

 BPDの成人は、 症状と苦痛が 子供時代や思春期に始まっています。

 思春期の若者が BPDの症状を抱えているなら、 診断を下して治療するべきです。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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