ノーという能力は、 より健康的な対人関係を築くための 肝要な部分です。
それなしでは、 ブレーキのない車に乗るようなものです。
「ノーの言い方」 には 2つのステップがあります。
1. 相手の要求の正当性を認める
2. はっきりと、 それをしたくないという意思を述べる
いくつかの例を挙げます。
・ 「アクション映画もいいけど、 今夜はもう少し 落ち着いたもののほうがいいわ」
・ 「緑色はダイナミックな色だよね。 でも寝室は パステルカラーのほうがいいな」
・ 「あなたが正面から 対決したいのは分かるわ。 でも私は不安に感じるわ」
鍵となるのは、 「~のほうがいい」 と 「不安だ」 という表現です。
自分の見解を正当化していません。
言い争ってもいません。
重要なのは、 相手が反論に使える事柄を 提供しないことです。
好みや感情には反論できないのです。
※ 練習9-6 アサーションの階層の構築
アサーション (ノーと言うことなど) を学ぶには、
練習と、 リスクを負う姿勢が必要です。
最初はリスクの低い状況から始め、 より不安な状況に取り組んでいきます。
ノーと言ったり、 限界を設定したい状況の リストを作りましょう。
対人関係の問題を含めましょう。
そのリストに、 リスクと困難に応じて 1~10のランク付けをしてください。
10が最も困難な状況です。
状況 _____________________________________
状況 _____________________________________
状況 _____________________________________
状況 _____________________________________
状況 _____________________________________
最もランクの低いものから始めて、 次の4つのことをしてください。
1. 脚本を書く (「~と思う」 「~と感じる」 「~してほしい」)
2. 脚本のリハーサルをする
3. それを用いたい 時間と場所を特定する
4. 特定の日に アサーションにコミットする
最初の目標を達成したら、 有効だったこと, 改善することを評価してください。
それを、 第2位の状況のために組み込んでください。
そして階層を上がっていきましょう。
人間関係が 次第に実りのあるものになっていくでしょう。
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より [星和書店の許可のうえ掲載]