「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ボーダーの人の 自殺行動と自傷行為(3)

2007年06月13日 22時34分59秒 | 自死について
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48219305.html からの続き)

 自殺行為は 多くの精神障害で起こりますが、

 致命的ではない自傷行為が 簡単に繰り返されるのは、

 ボーダーの人のみに 見られることです。

 自傷行為の原因として 一番多いのは、

 見捨てられたり、見捨てられたと 思い込むことです。

 ボーダーの人は、他者を操ろうとしたり、

 人の注目を集めるために 自傷行為するというより、

 むしろ この行為を恥じたり、隠したりすることが しばしばあります。
 

 ボーダーの人にとって 自傷行為のプラスの意味には、

 次のようなものがあります。

・ストレス,不安,怒り,罪悪感,羞恥心など、

 感情の緊張がほぐれて、気分がよくなるように感じる。

・精神的な苦痛から 注意をそらして、気持ちを紛らわせる。

・自分を罰する。

 羞恥心,後悔,疎外感など 苦悩からの救いとなる。

・目に見えない精神的苦痛を、具体的に見える形で 証明・確認する。

・ボーダーの人は 自分を制御できないと 感じているが、

 自傷をすると、出来事や感情を コントロールできると感じる。

・感情的な苦しみのために 感覚麻痺や離人感に陥ることを、自傷行為が緩和してくれる。

・怒りの感情のはけ口。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48268070.html
 

[参考文献 : 「境界性パーソナリティ障害 最新ガイド」 星和書店 ]
 
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ボーダーの人の 自殺行動と自傷行為(2)

2007年06月12日 11時37分26秒 | 自死について
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48193950.html からの続き)

 「境界性パーソナリティ障害 最新ガイド」 (星和書店) という本があります。

 これによると、一般的なボーダーの人は 心子の場合と いささか事情が異なるようです。

 この本から 書いてみようと思いますが、

 ボーダー本人の方々の 意見や気持ちなども 伺いたいと思っています。

 よろしくお願いいたします。

 
 多くのボーダーの人は、実際に死のうという意思のない

 自傷行為,自殺念慮,周りの人を操作するための 自殺行動が見られます。

 そのため周囲の人は、実際の自殺の危険性を 予測することが難しくなります。

 過剰な反応も 過小評価もしないように することが必要です。

 巻き込まれて 共倒れになってしまってはいけませんし、

 逆に 「オオカミ少年の訴え」 のように思って 呑気に構えていると、

 本当の自殺を 招くことになってしまいます。

 ボーダーの人の中では、自殺を意図しない自傷行為と

 はっきりした自殺企図とは、全く異なっています。

 体を傷つけることで 本当に自分を殺さなくても済み、

 生きる 「許可」 を 得ている場合もあります。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48254244.html
 

[参考文献 : 「境界性パーソナリティ障害 最新ガイド」 星和書店 ]
 
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ボーダーの人の 自殺行動と自傷行為(1)

2007年06月11日 11時12分56秒 | 自死について
 
 心子は 僕の目の前で、包丁を胸に突きたてようとしたり、

 カッターでのどを 掻っ切ろうとしたり、何度も 自殺行動を見せました。

 それは 助けてほしいというサインであり、

 僕が危険を犯してでも 彼女を救うかという “試し” だったと思います。

 彼女は僕の部屋で 僕がいない間に、のど元にナイフを突きつけたまま、

 僕が戻ってくるまで 待っていたことも、一度ならずありました。

 また、僕が体を張って 心子を助けた後、

 心子は落ち着いてから 切に感謝したこともあります。

 心子の主治医の先生も、

 本当に死のうとする人は 人前では自殺行動をしない、と言っていました。

 心子の自殺行動は、実際の死を 意図したものではないと、僕は思っていました。

 しかし最後は、本当に 旅立って行ってしまいました。

 ボーダーの人は、自殺行動によって 相手の愛情を 操作しようとすることがあるが、

 現実に死に至ることもある というのを知ったのは、

 彼女が亡くなって しばらくたってからのことでした。

 ボーダーの人が 自殺によって命を終える確率は、約1割だといいます。

 また心子は、リストカットなどの自傷行為は、僕の前では ほとんどありませんでした。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48219305.html
 
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妄想性パーソナリティ傷害の 原因と対応

2007年06月10日 09時32分02秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48153669.html からの続き)

 妄想性パーソナリティ障害の人の親は、

 怒りっぽく すぐに子供を 叱ることが多いと言います。

 すると子供は また怒られるかと びくびくし、非難に過敏に なってしまいます。

 いつも不安で 用心深く、疑り深くなりやすいのです。

 また 親の性質を引き継いで、

 人に対しても 批判したり 攻撃するようになってしまいます。

 
 このタイプの人と 接する時には、あまり懇意にしすぎないことが 求められます。

 適度な距離を持ち、平静に対応することが 相手のためにもなり、

 信頼関係を作ることができます。

 近づきすぎると 依存されたり、期待されすぎたりします。

 こちらが期待に反すると 相手は裏切られたと感じ、

 何とか応えさせようと 執念深く まつわりつき、

 非難や脅しに 発展することもあります。

 自分の中にあるものを 相手に投影してしまうので、

 第三者として ニュートラルな立場を 取ることが肝心です。

 
 このタイプの人は、人を信じられないために

 ルールを非常に重視する 傾向があります。

 相手に対しても 首尾一貫していることを 過剰に求めます。

 だから 約束は必ず守ることが必要です。

 親密にしたり 疎遠にしたり 曖昧な態度を取るのではなく、

 終始貫徹した言動を するようにしましょう。

 そうしているうちに 信頼を得られるようになっていきます。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕
 
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妄想性パーソナリティ・スタイル

2007年06月09日 13時33分14秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48130051.html からの続き)

 妄想性パーソナリティ・スタイルの人は 基本的に人を当てにせず、

 自分のことは自分でします。

 人に対しては用心深く、じっくり相手を見てから 関係を深めようとし、

 自分のことを 迂闊にしゃべったりしません。

 でも一度 信頼すると その関係を大切にし、

 胸襟を開いて とても誠意を持って関わります。

 相手に理想を求めてしまう こともありますが、

 固執しないよう コントロールし、猜疑心は持ちません。

 微妙なニュアンスを感知して 相手の感情を鋭敏に感じ取り、心遣いをします。

 傷つきやすくはありますが、自分を失うようなことはありません。

 ヒステリックにならず 平静に意見を述べられます。

 正義感が強くて 規則を重んじ、義理堅いので 人から信頼されます。

 反面 相手の不実には 厳しいですが、寛容さも持ち合わせています。

 
 妄想性パーソナリティ・スタイルの人は 物事に慎重で、

 口を滑らせることはないので、役人や法律,政治の仕事に適しています。

 人を見抜いて 配慮したり 動かす能力を持っており、

 非常時にも備えて 仕事をするので、

 管理職や経営者として 成功する人もいます。

 周到で 失敗が少なく、堅実に昇進していくことも多いのです。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48170423.html
 
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妄想性パーソナリティ障害

2007年06月08日 11時38分00秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
 妄想性パーソナリティ障害は、強い猜疑心を特徴としており、

 人は必ず裏切るものだという 信念を持っています。

 その信念を証明するために 裏切りの証拠を探ろうとしたりし、

 逆にそれによって 人間関係を壊し、裏切られてしまうこともあります。

 権力者にもよく見られ、部下の忠誠を信じられず 不安になってしまいます。

 好意で近づいてくる人にも、自分を利用しようとしているのではないか、

 騙そうとしているのではないか と勘繰ります。

 そのため対人関係を作れず、チャンスも逃してしまいます。

 近親者の愛情や 友情も信用しませんが、表向きはそれを隠す 老獪さも持っています。

 
 もうひとつの特徴は 極度の秘密主義です。

 自分のことが人に知られて、悪用されないかと 常に危ぶんでいます。

 ささいなことでも 重要な秘密だと感じ、執拗に隠そうとするのです。

 時には気持ちを許し、自分のことを話すことがあります。

 しかし それを後悔したり、相手に依存したい感情と 裏切られる心配とで

 精神のバランスを崩してしまいます。

 
 また、傷つくことに過敏です。

 何でもない言葉でも邪推して 悪意や非難を感じ、怒ったり 侮辱されたと思います。

 何十年も前の言葉を正確に覚えていて、恨みを思い出したり 言い募ったりもします。

 妄想性パーソナリティ障害の人は、人を許すということが 最も困難です。

 自分の傷ばかりに捕らわれ、相手を許せないため 自分も苦しんでしまうのです。

 ジェラシーが極めて強いので、パートナーの浮気を 何の根拠もなく怪しみます。

 ストーカーのように相手を調べたり、DVに至ることもあります。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48153669.html
 
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スキゾタイパル・パーソナリティ障害の 原因と対応

2007年06月07日 11時54分52秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48084176.html からの続き)

 遺伝的要素は シゾイドと類似していて、

 幼い時に 温かなアタッチメントが 与えられなかったのではないか

 とも考えられています。

 シゾイドとの要因の相違は まだ良く分かっていません。

 
 スキゾタイパルの人と 接する時には、

 本人の特殊な世界を ある程度理解することが必要です。

 社会通念を押しつけると、相手は動揺し 攻撃的になったりしてしまいます。

 卓越した想像力や感性を 評価されれば、

 秘められたクリエイティブな力が 花開いていきます。
 

 スキゾタイパルの人は、自分のスタイルが尊重される環境で 生きることが重要です。

 ただし 社会的に成功するには、協調性や社交性も 身に付ける必要があります。

 自分の世界を求めていくことと、それを人に伝える努力の 両方が大切です。

 インスピレーション豊かな スキゾタイパルの人は、

 研究者,作家,宗教家,セラピストなどが 適しているでしょう。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕
 

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スキゾタイパル・パーソナリティ障害と スキゾタイパル・パーソナリティ・スタイル

2007年06月06日 11時10分52秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48046734.html からの続き)

 スキゾタイパル・パーソナリティ障害は 失調型パーソナリティ障害 とも言います。

 独特で奇妙な 思考や感覚に 支配された世界に 住んでいます。

 常に頭の中が 恐ろしく活発に動いており、自分と対話したりするので、

 独り言を言っているように見られます。

 統合失調症と近縁性が あるとされますが、幻覚や妄想が あるとまでは言えません。

 社交的でない点は シゾイド・パーソナリティ障害と似ていますが、

 シゾイドの人が エネルギーの低い おとなしいタイプであるのに対し、

 スキゾタイパルの人は 頭が働きすぎて、考えが限りなく広がっていきます。

 それが 現実を超越しているため、周りの人の目には 奇異に映ります。

 人間関係が不自然で、摩擦を起こしたりします。

 しかし 優れて直観的で、創造性やカリスマ性を 発揮することがあります。
 

 スキゾタイパル・パーソナリティ・スタイルの人は、

 独自の世界を持っており、自分の信念に従って生きています。

 けれども それに固執しすぎることはなく、他の人から学ぶ余裕もあります。

 観念的なことに優れていますが、現実能力も持ち合わせています。

 マイペースですが、過度に人を避けたり 恐れることはしません。

 信頼する人とは 安定した距離を保って 付き合っていくことも可能です。

 過敏ではあるけれど、感性が豊かで 直観的に人を見ています。

 でも 主観だけで決めつけず、客観的に見直すこともできます。

 精神世界や超常現象に 関心もありますが、幻想に浸ったりはしません。

 世間から恬然としていても、奇人ではなく マナーやエチケットも わきまえています。

 要するに、バランスを持っているのです。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48108043.html
 
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シゾイド・パーソナリティ・スタイルの 原因と対応

2007年06月04日 20時39分50秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48015317.html からの続き)

 シゾイド・パーソナリティ障害は、幼児期に豊かな愛情を 与えられなかったために、

 人からの愛情や庇護を 期待しなくなってしまったのではないか と言われます。

 ただ、大切に育てられても こういう性向を示す場合もあります。

 最近では、遺伝的,生物学的要因が 大きいとも言われます。

 ドーパミンが過剰で 過敏になってしまうために、

 人との接触が 苦痛になってしまうのではないか と考えられています。

 つまり シゾイド・パーソナリティ障害の人は、

 感情が鈍麻だからではなく、敏感すぎるので 人と接するのを避けるわけです。

 親がシゾイド的である場合も、子供はその環境を受け継いで

 同じ傾向を 示すようになってしまいます。

 ただし そういう親から生まれ育っても、シゾイドになるとは限りません。
 

 シゾイドの人と接する時に大切なのは、親しくしすぎないということです。

 シゾイドの人は 急に近づいて来られると、侵入されたように感じます。

 フレンドリーなのは良いことだ という “常識” で接すると、

 相手を混乱させてしまいます。

 なれなれしくせず 淡々と接し、少しずつ 距離を縮めていくのがいいでしょう。

 それから、本人のゆっくりしたペースを 大事にするということです。

 シゾイドの人は、スピードはなくても 驚くほど辛抱強く、

 堅実に歩んでいくことができます。

 外見からはイメージできないほど、創造的な面もあります。

 それを活かすためにも、本人のペースを 尊重することが大切です。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48084176.html
 
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シゾイド・パーソナリティ障害と シゾイド・パーソナリティ・スタイル

2007年06月03日 12時33分14秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47700525.html からの続き)

 シゾイド・パーソナリティ障害は 統合失調質パーソナリティ障害 とも言います。

 他人への関心が低くて、元々孤独を好みます。

 感情が平板で、表情も豊かではありません。

 親しい友人は ほとんどおらず、人の目を気にしません。

 外見にも無頓着で、異性への関心も乏しいと言えます。
 

 シゾイド・パーソナリティ・スタイルの人は、

 一人でいることを好み、人に頼る必要性を感じません。

 人と付き合うことを 楽しいとは思いませんが、

 必要な交流は持って、周りから浮かないように 配慮できます。

 感情は穏やかで 落ち着いています。

 人と対立することがなく、質素で 安定した存在です。

 性的には淡白で、結婚が遅れたり 独身を通したりしますが、

 異性問題で失敗することはありません。

 世俗的な欲がないので、高潔なイメージで 尊敬されることもあります。

 自分の世界を大切にし、周囲に影響されることはありません。

 即物的なことより 精神性を求めています。

 独自の世界を作り上げたり、こつこつと努力して 成就することもあります。
 

 人間相手より、自然や機械を対象にした 仕事が向いています。

 地道な作業を 淡々と続けていく分野で 特性を活かせるでしょう。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48046734.html
 
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