「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

接し方 -- TBSで境界性人格障害の特集 (6)

2008年11月13日 23時54分16秒 | ボーダーに関して
 
(前の記事からの続き)

 境界性人格障害の人々に どう接すればいいのか。

 それを知るために、 重松清さんが ルカさんと会うことになった。

 症状がひどかった1年前の ルカさんの日記。

「 私の未来に希望はない。

 悪いところを直すように 考えろと言われる。

 胃が痛い。 苦しい。

 首を絞めて。 殺して。

 苦しい 」

「 汚してほしい。

 堕としてほしい。

 誰か壊してくれ 」

重松 「性的な行為というのは、 一番きついことだから してしまうの? 」

ルカ「 そうです 」

重松「 それをやると、 一番きついときから 立ち直れる? 」

ルカ「 もっと落ちます 」

 感情の波に翻弄されずに 生きていくには、 どうすれば良いのか。

重松「 どんな対応をしてもらうと、 一番楽になった? 」

ルカ「 ……単純に、 話を聞いてほしい 」

重松「 聞いてるだけでいいの? 」

ルカ「 はい、否定しないでほしいです 」

 心の叫びを 聞いてくれる人がほしい。

 それは 境界性人格障害の人に 共通する感情だ。

重松「 もうこの辺で充分だよ。

 充分 君は思いやりがあるし、 もう充分 君は頑張ってるんだよ。

 そう言ってくれる存在が 周りに増えて、

 自分を責める声を かき消すくらい 沢山増えたらいいのにと思う 」

〔 TBS 「報道特集NEXT」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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依存 -- TBSで境界性人格障害の特集 (5)

2008年11月12日 11時17分51秒 | ボーダーに関して
 
(前の記事からの続き)

 見捨てられることに脅える 境界性人格障害の人々。

 都内の大学に通う ルカさん。 (仮名・22才)

 寂しさに苛まれるたび、

 自分を必要としてくれる 人を探すため、 歓楽街に足を運ぶ。

 この日も、 わずかな時間で 何人もの男性から 声をかけられた。

男 「地方から出てきた? 」

ルカ 「もともと東京 」

男 「体を売ってるの? 」

ルカ 「そういうのじゃないです 」

 自分に自信が持てず、 小学3年のとき リストカットを始めた。

ルカ 「自分は 罪深い人間だと思ってる。

 さっさと死ななければと、 常に思って 生きてきた。

 価値がない。

 何もできない 」

 今 ルカさんには、 心を許せる パートナーがいる。

 2年前に知り合った マサトさん。(仮名)

 ルカさんはマサトさんに 執拗にメールを送り、

 自殺をほのめかすなど、 振り回してきた。

マサト 「薬を大量に飲んで 病院に運ばれたと、 留守電に入っていて、

 病院へ行くと ベッドで寝ていた。

 それを見たとき、 パニックになりましたね 」

ルカ 「見捨てられて、 自分は一人になって、 そのまま全てが終わる 」

スタッフ 「全てというのは? 」

ルカ 「全てのこと。 例えば命とか 」

 マサトさんは、 独学で学んだ 病気の対処方法を 携帯電話に書き込み、

 ルカさんとの接し方の 参考にしている。

 マサトさん自身も 性同一性障害を抱え、

 理解されないことの 苦しみを知っているからだ。

マサト 「病気でつらいのは 本人だから、

 苦しみながらも 頑張っている本人を 否定する言い方はいけない 」

 しかしそれでも、不特定多数の男性と 性的関係を持つ ルカさんの行動は、

 なかなか理解できない。

 だがそれは ルカさんにとって、

 見捨てられる不安を 打ち消すための行動だった。

マサト 「本当は 性的なことに対する 嫌悪が強いのに、

 自分を傷つけたくなると してしまうのには驚いた」

〔 TBS 「報道特集 NEXT」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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見捨てられ不安 -- TBSで境界性人格障害の特集 (4)

2008年11月11日 10時48分11秒 | ボーダーに関して
 
(前の記事からの続き)

 境界性人格障害は、 感情の起伏の激しさから 他人を振り回し、

 孤立していく 対人関係の病でもある。

 大阪のマンションで 独り暮らしをする 美鳥(みどり)さん。(仮名・31才)

 3年前に アパレル関係の仕事をやめ、 今は療養中だ。

 美鳥さんは、 身近な男性に 見捨てられる不安から 逃れるため、

 あえて 無理な要求を突きつけ、 結局 破滅的な結末を 迎えてしまう。

美鳥 「最初に出たのが、 試し行為。

 ありとあらゆる 試し行為。

 急に噛みついたり、 殴っていいかと ひたすら聞いたり。

 どれだけ自分を 可愛がってくれるか、 どれだけ要求 に応えてくれるか 」

 その奇妙な行動は、 会ったばかりの 取材スタッフにも向けられた。

 取材のあと、 一人になるのを恐れたのか、

 部屋から出てきて スタッフのあとを追ってきた。

 何でもない質問をしながら、 エレベーターに 一緒に乗り込む美鳥さん。

 全ての階の ボタンを押し、わざと 時間がかかるようにして、

 引き止めようとする。

 自分は他人から どう見られているのか、

 極度な不安が 美鳥さんを 非常識な行動に駆り立てる。

 美鳥さんは エレベーターの中で うずくまってしまい、

 スタッフが帰っていっても そのまま動かなかった。


 美鳥さんの症状が現れたのは 7年前、 ある男性との別れが きっかけだった。

 いま 美鳥さんを支えてくれる人は 周囲にいない。

 その孤独と不安が、 ときに彼女を パニックに陥れる。

 畳に倒れて 震えながらあえいでいる 美鳥さん。

美鳥 「(泣きながら) 頑張っているのに、 なんでダメなの?」

 見捨てられることを恐れ、 必死で 他人にしがみつく。

 そのことが 自分を孤立させる。

〔 TBS 「報道特集 NEXT」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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自傷行為 (2) -- TBSで境界性人格障害の特集 (3)

2008年11月10日 10時57分41秒 | ボーダーに関して
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/56610434.html からの続き)

 今、 境界性人格障害を患う人は およそ250万人。

 その8割が 女性だという。

 ギャンブルや過食, セックス依存, 浪費など 自己破壊的行動が特色。

 その根底には、 身近な人に 見捨てられるのでないかという、

 極度の 「見捨てられ不安」 が あるとされている。

 麗さんは 母親に付き添われて、

 月に2回、 車で1時間かけて 通院している。

 対応の難しいこの病気を 治療してくれる病院は 多くない。

 診察室。

 麗さんの自傷行為が 止まらない背景には、

 境界性人格障害特有の  「虚無感」 があるという。

ドクター 「心の穴があって、 埋められないものが 虚しさにつながる。

 その心の穴は ふさがらない?」

麗 「ふさがらない。

 他人と比較したり、 世の中と自分を考えると、 自分はポツンとしている」

 40~50人に一人は 境界性人格障害になる。

ドクター 「誰かに常に 関心を向けてもらうことで、 心の欠損を補える。

 常に自分に 関心が向いていないと、 不安になってしまう」


 年間3万人を越す 日本の自殺者。

 自殺を図った人は その10倍で、

 繰り返す人は 20~30代の女性が 圧倒的に多い。

 彼女たちの6割以上が、 境界性人格障害をあわせ持つ 疑いがあるという。

ドクター 「客観的に 評価してもらえないなかで、

 周りから疎外され、 孤立する。

 だから自殺行動を 衝動的に取ることが多い」

〔 TBS 「報道特集 NEXT」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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「境界性人格障害」 が ミクシィ日記で30位

2008年11月09日 23時59分34秒 | 「境界に生きた心子」
 
 今日、 僕のミクシィへのアクセスが 爆発的に増大しました。

( 日頃の20~30倍 )

 きのうの TBSの放送の影響にしては 多すぎるのではないかと

 訝ったのですが、 ちょっと調べてみました。

 すると、 「境界性人格障害」 という言葉が、

 ミクシィ 「日記キーワードランキング」 というもので、

 昨日付け 30位にランクされていました。

http://mixi.jp/keyword_ranking.pl?year=2008&month=11&day=08

 これは放送の影響です。

 そこの 「境界性人格障害」 をクリックすると、

 「境界性人格障害」 が書かれている日記が 検索されて出てきます。

 僕の日記も表示され、 そこから多数の人が 来てくれたのだと思います。

 それだけ 境界性人格障害に関心を持って、

 日記を書いた人が 多かったということで、

 ミクシィの日記で  「境界性人格障害」 を検索した人も 沢山いたでしょう。

 そこから 僕の日記を開いてくれた人も 多いはずです。

 やはり テレビの力というのは絶大です。

 僕のブログのアクセス数も 倍増していますが、

 ブログの検索機能は あまり使い勝手が 良くないのかもしれません。

 実はAmazon でも、 放送直後から

 「境界に生きた心子」 が 立て続けに購入されて、

 10冊ほどあった中古品が ほとんどなくなってしまいました。

 売上ランキングも、 発刊直後を除いて 今までの最高記録を記しました。

 もう新品も中古も なくなってしまい、

 その意味では、 このタイミングで放送されたのは 何とも遺憾なことです。

 中古品はまた 誰かが出品するでしょうが、

 在庫があれば もっと多くの人の元に 心子の本が届いたのに と思うと、

 とても残念でなりません。

 なお Amazon の商品説明の欄には、

 拙著が 星和書店から再出版されることを 記しました。

 そのときにまた 購入されることを祈るばかりです。

 それにしても、 ボーダーのことが 知られさえすれば、

 人々は関心を持ってくれる ということが分かりました。

 もちろん誤解もありますが、希望も持てると 感じています。
 
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自傷行為 (1) -- TBSで境界性人格障害の特集 (2)

2008年11月09日 15時50分31秒 | ボーダーに関して
 
(前の記事からの続き)

 乱立する自殺サイト、 今の日本では 死にたいと訴える若者が 少なくない。

 そんな彼らの多くに 関わりのある心の病、 それが境界性人格障害だ。

 愛知県の麗(うらら)さん。 (仮名・21才)

 5年前、 境界性人格障害と診断された。

 境界性人格障害の人に よく見られる行動が 自傷行為。

 麗さんも5年にわたり、 リストカットを繰り返してきた。

麗「 絶望の真っ只中で、

 社会全体に絶望していたし、 自分自身にも絶望していた 」

 孤立することの恐怖が、 麗さんを 自傷行為に駆り立てる。

 袖をまくると、 腕には無数の リストカットの傷痕。

麗「 深い傷ができない。

 それが不満なので、 深い傷ができるまで また切る。

 気分が沈むと 切りたい。

 切って 我を忘れたい 」


 麗さんは 母と兄、 いとこと暮らしている。

 父親は、 リストカットを繰り返す 麗さんをなじり、 3年前に家族を捨てた。

 責任を感じた麗さんは、 自己嫌悪に陥り、 さらに腕を切る。

 そんな娘を見る 母の神経は、 いつも張りつめたままだ。

母「 本当に恐いのは トイレの中と、 風呂場と、 一人になる所。

 自分の部屋に 閉じこもっているときも、 扉を空けるときは恐怖です 」

 麗さんは 生きていることに虚しさを感じ、

 深夜一人になると リストカットの衝動を 抑えられなくなる。

 その様子を、 本人の了解を得て 無人カメラで撮影した。

 頭を 掻きむしるように抱え込んで、 唸っている麗さん。

麗「 抑えきれない、 衝動が…… 」

 不安と焦りから 逃れる方法が 薬だ。

 麗さんは 安定剤と睡眠薬を 服用したあと、

 さらに薬をすりつぶして、 ストローで鼻から吸入する。

 それで 即効性が増すと 思い込んでいる。

 薬の量が 前日よりも増え、 足元もおぼつかない。

 午前3時、 自ら カメラを持って移動し、 トイレに向かった。

 腕を縛り、 リストカットの 準備を始める。

 このあと、 31針縫う 怪我を負った。

(カメラの映像は ここで途切れる。)

〔 TBS 「報道特集 NEXT」 より 〕

(続く)
 
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TBSで 境界性人格障害の特集 (1)

2008年11月08日 20時37分09秒 | ボーダーに関して
 
 今日 TBSの 「報道特集NEXT」 (夕方5:30) で、

 境界性人格障害を特集していました。

 僕も 全く偶然に見て、 慌てて録画をした次第です。

 実際に ボーダーの人3人を 半年にわたって取材したというもので、

 ついにテレビも ここまできたかと驚きました。

 3人のうち二人は 顔を完全にぼかしていましたが、 一人は素顔でした。

 ボーダーの人が テレビ画面に登場するのは 相当抵抗があるでしょうから、

 TVで このテーマを取り上げるのは、

 非常に難しいだろうと 僕は思っていました。

 でも この人たちは、

 ボーダーを 理解してほしいという気持ちで 取材に応じたそうです。

 ボーダーに少しずつ 光が当てられてきて、

 社会的に 認知され始めるように なってきたのかと思うと、

 驚きと共に とても感慨深いものがあります。

 これからきっと、 他の場でもだんだん

 取り上げられるように なるのではないでしょうか。

 昨年は 日テレの 「世界仰天ニュース」 で、

 ボーダーと猟奇殺人を結びつけた、 とんでもない誤解を与える 

 興味本位の描き方をされて、 多くの人が傷つきました。

 今後は 良心的な、 ボーダーを正しく理解するための

 報道がされていくことを 期待しています。

 「報道特集NEXT」 では、

 「境界性パーソナリティ障害」 ではなく 「境界性人格障害」 という言い方で、

 自傷行為に重点を置いた 構成がされていました。

 特に心子の 一番の特徴であった 感情のアップダウン、

 理想化とこき下ろしは あまり触れられておらず、

 ボーダーの紹介として 偏った感はあります。

 しかし こういう対人関係においての トラブルを、

 TVで取り上げるのが 難しいのではないかと 僕は思っていたのです。

 親しい人との 感情的なぶつかり合いというのは、

 他人には見られたくない 最もプライベートなことでしょうから。

 もしかすると この番組でもそのために、

 対人的な 感情のトラブルのエピソードを 扱いにくかったのでしょうか。

 以後、こういう面も理解されるように 伝えていってほしいものだと思います。

 番組の内容を 順を追って 紹介していこうと思います。

(作家の重松清が 一部レポーターを勤めていました。)

(次の記事に続く)
 
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拘置 最長37年 -- 死刑執行の現実 (6)

2008年11月07日 21時45分26秒 | 死刑制度と癒し
 
(前の記事からの続き)

 帝銀事件の平沢貞通死刑囚 (当時95才) が 1987年に獄死して以降、

 執行されないまま 死亡した死刑囚は7人。

 このうち4人は 70才以上で、 10年以上の拘置ののち 病死しています。

 2006年には、 拘置中にリウマチを患って 両足が不自由だった死刑囚が、

 車椅子で 刑場に連れて行かれ、 刑務官に両脇を抱えられて 受刑したといいます。

 一貫して無実を訴えている 袴田死刑囚 (72) は、

 80年に死刑が確定した 数年後から、

 意味不明な発言を 繰り返すようになりました。

 拘禁反応という 精神の障害が指摘されました。

 死刑確定から 20年以上拘置されている 死刑囚は9人おり、

 最長は 37年10ヶ月になります。

 法務大臣によって 執行数に差があったことや、

 再審や恩赦を請求している 死刑囚の執行が 控えられてきたためでもあります。

 再審の請求は 執行停止理由ではありませんが、

 万が一にも 冤罪の人の命 を奪ってはならないとして 対象から外されます。

 長期間拘置の間に、 病気や精神的な 問題が生じて、

 死を待たざるを得ない 死刑囚もいます。

 再審請求で 執行が先延ばしになる 弊害はありますが、

 執行されないよりは いいのかもしれません。

 それとは反対に、 早期に執行される ケースも出始めています。

 裁判員制度を念頭に 争点が絞られて、 わずか2ヶ月で 判決が出され、

 被告が控訴を 取り下げたため、

 2年8ヶ月という 異例の早さで執行された 死刑囚もいました。

 長期拘置の矛盾を 見つめなおすべきなのかもしれません。

〔読売新聞より〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/56719246.html
 
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告知は1時間前 -- 死刑執行の現実 (5)

2008年11月06日 22時17分41秒 | 死刑制度と癒し
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/56517461.html からの続き)

 「近づいてくる刑務官の足音が、 どの房の前で止まるか。

 奥歯をかみしめ、 耳を澄ませる。

 自分ではないと分かるまで、 体が固まって 動かなかった」

 死刑囚として再審無罪になった 免田栄さんは、 獄中生活をそう振り返ります。

 30年以上も 死の恐怖と隣り合わせでした。

 死刑の執行は 当日の朝、 死刑囚に告げられます。

 独房から呼び出され、 執行されるまでの時間は 約1時間。

 遺書を書いたり、 たばこを1本 吸ったりすることはできますが、

 スケジュールは 分単位で決められています。

 1970年代までは、 執行の数日前に 告げるケースもあったそうです。

 ある死刑囚は 執行の前3日間に、

 親族や弁護士と懇談して 別れを惜しみ、 好物の寿司を食べたり、

 他の死刑囚が 送別のお茶会を 開いてくれたりしたといいます。

 しかし 70年代中頃、 数日前に告知された死刑囚が 自殺する事件が起き、

 それ以来 告知は当日の朝になりました。

 「死刑囚が 常に精神的緊張を 強いられていることは遺憾だ」

 国連拷問禁止委員会は 日本政府にそう勧告しました。

 政府は 「当日より前に 告知すると、 死刑囚が不安定になり、

 深刻な精神的苦痛を 被る恐れがある」 と 反論しています。

 心情が安定している 死刑囚には、

 事前告知があってもいい という指摘があります。

 個々の事情を見極めて、

 事前告知と当日告知を 使い分けるべきではないでしょうか。

〔読売新聞より〕

(次の日記に続く)
 
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「境界に生きた心子」 品切れ

2008年11月04日 09時11分32秒 | 新風舎から星和書店へ、新たな歩み
 
 Amazon の 「境界に生きた心子」 の在庫が、

 昨日ついに なくなってしまいました。

 現在は 中古が8冊ほど 出品されているだけです。

( 僕の手元には 10冊残してあります。)

 10月半ば Amazon に 最後の納入をしてから、

 たまたま 購入者が少なくて 在庫を保っていたのですが、

 月末から売上が回復し、

 最後の3日間で 立て続けに9冊 or 10冊 売れて (中古を含む)、

 とうとう 底をつきました。

 このときの Amazon での “瞬間” 売上ランキングは、 4805位でした。

 ジャンル別のノンフィクションでは 102位。

( ちなみに、 今までのベストランキングは 1362位。)

 今後は 中古がまた新たに 出品されるでしょうが、 多くはありません。

 「境界に生きた心子」 新風舎版の新品は、

 これで 人の手に渡ることはありません。

 新風舎版のAmazon での 役割を終えたような気がします。

 しばらく 「境界に生きた心子」 が 入手できない時期が続きます。

 星和書店版の発刊が いつになるか

 まだ はっきり分かりませんが (年を越しそう?)、

 早く心子の本が 生まれ変わってほしいものです。
 
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独房で待つ日々 -- 死刑執行の現実 (4)

2008年11月02日 19時55分16秒 | 死刑制度と癒し
 
(前の記事からの続き)

 大阪池田小学校事件の 宅間守死刑囚は、

 大阪地裁の死刑判決後、 控訴を自ら取り消して 死刑が確定しました。

 自殺を試みたことがあるため、

 カメラで24時間監視される 自殺防止房があてがわれて、

 そのカメラに苛立っていました。

 拘置所の死刑囚の独房は、

 4畳ほどで 便器と洗面台だけが付いており、 冷暖房はありません。

 宅間は、 「執行を待つ苦しみは 刑に入っていない。 不当だ」

 とも 言っていたそうです。

 刑事訴訟法は、 死刑確定から6ヶ月以内に

 刑を執行しなければならないと 定めています。

 しかし実際は 早くても2~3年かかります。

 宅間は弁護士に、 「6ヶ月以内に執行しないなら、 法務大臣を訴える」

 という手紙も 書いていました。

 死刑囚は 他の服役者と異なって、

 心情を安定させるために ビデオや将棋,碁を 一人で楽しんだり、

 自費で菓子や果物などを 食べることができます。

 宅間は 控訴を取り下げた 理由のひとつに、

 死刑が確定すれば 待遇が良くなるからと 明かしていたそうです。

 かつては、 死刑囚たちが 一緒に野球をしたり、

 短歌や書道を習っていた 時代もありました。

 しかし近年は 死刑囚同士のトラブルを防ぐため、

 集団処遇は途絶え、 他の死刑囚と 顔を合わせないようにされています。

 運動も入浴も すべて単独で、狭い居室に ぽつんと放置されています。

 4分の1の死刑囚は 面会も全くなく、 外部から隔絶されているのが 実態です。

 死刑囚は 「死ぬ」 という 将来しかありません。

 心情を安定させて、 犯した罪と向き合わせることは 非常に難しいといいます。

〔読売新聞より〕

(続く)
 
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