(前の記事からの続き)
境界性人格障害の人々に どう接すればいいのか。
それを知るために、 重松清さんが ルカさんと会うことになった。
症状がひどかった1年前の ルカさんの日記。
「 私の未来に希望はない。
悪いところを直すように 考えろと言われる。
胃が痛い。 苦しい。
首を絞めて。 殺して。
苦しい 」
「 汚してほしい。
堕としてほしい。
誰か壊してくれ 」
重松 「性的な行為というのは、 一番きついことだから してしまうの? 」
ルカ「 そうです 」
重松「 それをやると、 一番きついときから 立ち直れる? 」
ルカ「 もっと落ちます 」
感情の波に翻弄されずに 生きていくには、 どうすれば良いのか。
重松「 どんな対応をしてもらうと、 一番楽になった? 」
ルカ「 ……単純に、 話を聞いてほしい 」
重松「 聞いてるだけでいいの? 」
ルカ「 はい、否定しないでほしいです 」
心の叫びを 聞いてくれる人がほしい。
それは 境界性人格障害の人に 共通する感情だ。
重松「 もうこの辺で充分だよ。
充分 君は思いやりがあるし、 もう充分 君は頑張ってるんだよ。
そう言ってくれる存在が 周りに増えて、
自分を責める声を かき消すくらい 沢山増えたらいいのにと思う 」
〔 TBS 「報道特集NEXT」 より 〕
(次の記事に続く)