「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

警察の関与

2012年02月16日 22時52分07秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 警察への連絡はそれ自体、 虐待の証拠になりますし、

 虐待者の行動を 深刻に捉えている証拠にもなります。

 警察に連絡する際には、 まず安全な場所を見つけ、

 慎重に言葉を選び、 明瞭に話します。

 声を上げたり叫んだりすると、 かえって応答を鈍くします。

 名前, 住所, 通用口の場所なども伝えます。

 何が起こったのか、 はっきりと述べましょう。

 パートナーが 武器を使用した場合、 できるだけ詳しく 武器の説明します。

 可能なら 対応した警察官の名前を聞き、

 電話をかけた日時に添えて メモしておきましょう。

 警察が到着すると、 提出した証拠書類などについて 尋問を受けることになります。

 できれば、 状況を知っている友人に 同席を依頼してください。

 ボーダーの人は、 皆さんのせいにして 偽りの申し立てをすることがあります。

 特に 虐待者が女性の場合、 警察は彼女らの言い分を 信じるかもしれません。

 証拠を作り出すこともあります。

 そのときのために 先程の証拠書類が重要です。

 冷静さを失ってはいけません。  (深呼吸しましょう。)

 何より大切なのは、 パートナーの思惑に乗らないことです。

 自制心を失うのは 彼らの思う壺です。

 病院で治療を受けた場合は、 それを文書で証明してもらいましょう。

 拘束命令や保護命令を 要請することもあるかもしれません。

 訴訟も視野に入れ、 地域の手続きを 詳しく知っておきましょう。

 行政機関には 様々な援助があります。

 警察に連絡すると、 その後6ヶ月以内に 再び暴行される危険性が

 50%以上さがることが分かっています。

 暴れ回っていた人も、 適切な介入によって、

 自分の過剰な支配欲に 気付くようになります。
〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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安全対策 (3)

2012年02月15日 22時52分20秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

・ 救急箱や、 重要な書類, カード, 保険証,

  その他を入れた、  「非常用持ち出し袋」 を用意しましょう。

  着替えや子供のおもちゃを 入れておくといいかもしれません。

  それを 信頼できる人の家や職場などに 置かせてもらってください。

・ 虐待について 一部始終を記録しておくのは、 極めて重要です。

  目撃者がいれば、 その人の名前なども書き留めます。

  パートナーの障害を証明できる、

  治療請求書や入院記録なども 控えておきましょう。

  ここまでやるのは 抵抗があるかもしれません。

  皆さんがパートナーを 愛しているのは分かります。

  でも、 皆さんの大切な人と この障害を区別して考えましょう。

  パートナーの行動を 文書で証明するには、 法的な助言を得るべきでしょう。

  弁護士, 警察, 保護施設に連絡してください。

  物的証拠や目撃者がない場合、 水かけ論になりがちです。

  写真やビデオ, 録音など、 物理的な証拠を 残すことを考えましょう。

  ボーダーの人の行動を 見ていない人たちに、

  事態の深刻さや危険さを 信じてもらう助けになります。

・ 喧嘩が始まりそうになったら、 誰か大人の人を 自宅に呼んでください。

  パートナーの行動化を防げるかもしれませんし、

  目撃者になってもらえるかもしれません。

・ お子さんがいる人は、 一刻も早く 弁護士に相談するべきです。

  皆さんだけが家を出る事態や、 パートナーに逆らって お子さんを連れ出すことに

  ならないようにしなければなりません。

  法的に有利にはならないからです。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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安全対策 (2)

2012年02月14日 21時37分55秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

○ 第2のステップは、 虐待的な家族で固守されている 鉄則を破ることです。

  外部に助けを 求めるべきでしょう。

  自分の力だけで何とかしようとしても、 もはや無理なのです。

  周囲の人、 専門家、 信頼できる人、 誰でも構いません。

  虐待について 胸を張って語ってください。

○ 皆さんとお子さんを守るための 有効な計画を立てておきましょう。

・ 自宅の様々な所からの 逃げ道を確認してください。

・ 手頃で見つかりにくい場所に、 車と自宅のスペアキーを 確保しておきましょう。

  ある男性は、 スペアキーを近所の家に隠し、

  その家の人は 逆に彼の家に 自分の鍵を隠しました。

  こうすれば 鍵と家を一致させることはできません。

・ 警察に連絡するための 暗号を決めておくとよいでしょう。

  そして お子さんや周りの人に 教えておいてください。

・ 安全な逃げ場, 交通機関を 頭に入れておいてください。

  2通り 考えておくといいでしょう。

  友人やタクシー会社の 電話番号も控えておいてください。

・ 廊下など狭い場所で 言い争いを始めるのは避けてください。

  包丁など 危険な道具がある場所も 避けましょう。

・ 皆さんの個人口座を 準備したほうがよいでしょう。

  銀行からの連絡は 信頼できる人宛にしてください。

  家を出るための 資金を貯めておくのは、 非常に大切なことです。

・ 秘密の場所に 現金を用意しておくのも必要です。

  信頼できる人の 家などがいいでしょう。

(次の記事に続く)

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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安全対策 (1)

2012年02月13日 22時42分59秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 皆さんが 自分の安全を守るための 対策を考えていきます。

 事前に方針を決めておくことで、

 皆さんとお子さんの危険性を 小さくすることができます。

 暴力行為が起きてしまっても、 この先の危害を防ぐこともできます。

○ 何よりも重要なのは、

 虐待や暴力行為について 自分を責めるのをやめることです。

 「もし自分が ~~していれば」 「 ~~すべきだったのに」

 という言葉は忘れましょう。

 皆さんが何をしようと、

 パートナーは理由を見つけては 皆さんを責めるに違いありません。

 罪悪感だけでなく、 犠牲者の多くは 屈辱感を感じます。

 罪悪感は 過ちを犯してしまったという感情で、

 屈辱感は 自分の存在を過ちと捉える 感情と言えるでしょう。

 虐待を受けることで、 中毒にも似た 屈辱的感情が起こるといいます。

 すると ますます身動きが取れなくなり、

 自由な選択や、 自分を守ることができなくなります。

 屈辱感により 思考は停止し、  「普通」 の関係とは何か 全く分からなくなり、

 何がまともなのかも 判断できなくなってしまうのです。

 暴力を目撃した子供は、 屈辱的な思いに駆られます。

 子供にとって、 自分の親が 暴行されるのを見ることは、

 自分が暴行されるのと 等しいのです。

 このように、 虐待によって認知が歪み、 思考力が鈍り、

 緊急事態に直面していながら、 迅速な対応が取れなくなってしまいます。

 そんなサイクルが 永遠に続き、 皆さんが 積極的な態度に出ない限り、

 事態は 悪化の一途を辿るのです。

(次の記事に続く)

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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男性に対する虐待(3)

2012年02月12日 19時41分18秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

 男性の被害者はどうしたらいいか、 いくつか提案してみます。

・ 現実から目をそらしたり 無視してはいけません。

  暴力を軽く考えず、 信頼できる人に ぜひ相談してください。

  皆さん自身が話さなかったら、 誰も助けようがありません。

  家庭内暴力は 男女どちらか一方から始まるのではなく、 双方から始まります。

  むしろ女性が 最初に手を出す割合のほうが、 著しく高いと言っていいでしょう。

  それを認めないと、 相手を叩いてもいいというメッセージを

  子供に伝えてしまいます。

  やがて子供たちは その教えを、 自分自身の夫婦関係へ 移行させていきます。

・ ネットでは、 虐待される男性向けの情報が 多々紹介されています。

  「虐待された男性 (または女性)」 と入力すれば、

 豊富な情報が手に入るでしょう。

〔注: これはアメリカでの話ですが、 日本のサイトでも いくつか出てきます。〕

・ 暴力を 深刻に受け止めてください。

 男性は 女性が攻撃してきても 真面目に受け止めませんが、

 エスカレートする可能性があります。

 女性に叩かれたら、 最初のときに、

 再びこういうことをしたら 二度と会わないと 釘を刺すべきです。

・ 殴られたからといって、 殴り返すのは禁物です。

 お子さんを連れて 安全な場所に非難してください。

 女性を力で抑えつけようとしたら、

 皆さんの方が  「虐待者」 呼ばわりされるだけです。

 皆さんには  「清廉潔白な経歴」 が必要です。


〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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男性に対する虐待(2)

2012年02月11日 11時45分29秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

 助けを求める屈辱感から、 男性は家庭内暴力にどう反応するか、

 以下に例を示します。

「自力で何とかできる」  男気の装い :

 親しい人からの攻撃は、 身体だけでなく 心までも傷つけます。

 うつ状態や物質乱用を招き、 自信を失い、 自殺に至る可能性もあります。

「男は無言」 :

 家庭内暴力を 周りの人や専門家に 口外しないというのは、 男女に共通しています。

 しかも男性は女性よりも、 強い疑いや あざけりの目で見られるため、

 ますます口を閉ざしてしまうのです。

現実逃避 :

 男性は 悲惨な家庭生活に目を背け、 そこから逃れようと 会社で残業をしたり、

 自宅でも 書斎やガレージなどにこもったり、

 車中や友人宅で 寝泊まりすることもあります。
 

 なぜ男性は 女性のもとに留まるのでしょう? 

 法的に男性のほうが、 わが子との連絡が 絶たれることを恐れています。

 また、 自分がパートナーを助けられると 思い込んでいることもあります。

 加えて、 離れることで 感情的に不安定になりたくないという 思いがあります。

 関係を失う恐怖と、 その後の未知の恐怖から、

 不健全なパターンを繰り返すのでしょう。

失敗に対する恐怖 :

 男たるもの 妻子を養えなければ 本物の男ではない、 と従来言われてきました。

 「できて当然」 のことが できないという気持ちに 駆られるのかもしれません。

子供に対する懸念 :

 男性は 自分が盾になることで、 わが子を虐待から守る という思いがあります。

 わが子が 支配的な妻の掌中にあっては、 会うこともままならないと 思っています。

男性のための拠り所が少ない :

 女性のためには 緊急電話相談や保護施設がありますが、

 男性を対象にしたものは ほとんどありません。

 それどころか 施設を運営する人々が、 「男性被害者」 は存在しない,

 いたとしても問題にするまでもない、 と考えていることもあります。

(次の記事に続く)


〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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男性に対する虐待(1)

2012年02月09日 22時27分25秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 男性に対する暴力は、 当初考えられていたより はるかに多いことが分かっています。

 家庭内暴力には、 女性からの、

 もしくは男女双方からの 攻撃が含まれているのです。

 アメリカのある州では、 家庭内暴力検挙者の 35%が女性というデータもあります。

 女性の場合は、 物を投げる, 叩く, 蹴る, 押しのけるといった傾向があります。

 金切り声で叫ぶ, 相手を眠らせない, 睡眠中に襲いかかる,

 男性の急所を攻撃する, 噛みつく, 武器を使用する傾向も

 女性のほうが高いものでした。

 付け狙うというストーカー行為は、 男性と同じくらい 女性にも見られます。

 男性は、 銃で脅す, 首を絞める, 散々に叩きのめす, 髪の毛を引っ張る,

 押しのける, わしづかみにする, 突き飛ばすといった行動が 多く見られます。

 男性による虐待的行動のほうが 命に関わる危険性が 高いかもしれません。

 では何故、 暴力を振るうのは男性だけだという 社会通念が根強いのでしょう? 

 下記のような理由から、 男性は虐待を報告したがりません。

・ 男性は 自分を犠牲者と考えていません。

  男として 自分が彼女を守ってやらなくてはならないと 思い込んでいます。

・ 誰に相談したらいいか 分からないこともあります。

  決まりが悪い, 相談しても信じてもらえない,

  自分のほうが逮捕されると 恐れています。

・ 緊急電話相談や避難場所がありません。

  逃げたら 子供を置いていかざるを得ない という思いもあります。

・ 虐待を受けるのを  「女々しい」 と捉えています。

  自分の力で対処しなくてはならない と考えてしまいます。

(次の記事に続く)

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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虐待のサイクル

2012年02月08日 19時21分26秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 家庭内暴力に 対策を講じないでいると、

 一定のパターンで 虐待はエスカレートしていきます。

第1段階 : どんどんエスカレートしていきます。

 ボーダーの人が 犠牲者を支配しようとし、 緊張が高まっていく時期です。

第2段階 : ボーダーの人が 破壊者と化します。

 ますます威力と支配を 強めていく時期です。

第3段階 : 破壊的行動が弱まり、 比較的 落ち着きを取り戻す時期です。

 ボーダーの人が許しを請い、 深い自責の念を 示すこともあります。

 ノン・ボーダーラインの人は 必ずと言っていいほど、

 幻の希望を抱き、 よりを戻そうとするのです。

 しかし 正しい治療を受けていない限り、

 またすぐ 元のサイクルに戻ってしまいます。

 ボーダーの人のなかには 虐待の自覚さえない人もおり、

 暴力的な態度を取った直後に、 愛情を表現しようとします。

第4段階 : 虐待的な日常に 戻っていく時期です。

 孤独と混乱が深まるにつれ、 ふたりの関係を支えていた 愛情や信頼が、

 音を立てて崩れていくのです。
 

 虐待に脅えながら 過ごしているなら、 皆さん自身の人生を 取り戻すときです。

 すぐ別れるのではなくても、 境界を設定する必要があります。

 パートナーが境界を顧みなければ、

 助けを借りてでも、 虐待状況から身を潜めましょう。

 犠牲者のなかには、 何の助けも得ていない人が 多いのです。

 虐待の被害者である 認識がないからです。

 彼らは  “良い時” だけを思い出し、

 そういう時が パートナーの “本当の” 姿だと 思い込もうとしています。

 しかし 暴力を軽く考えると、 暴行に拍車をかけることになります。

 ボーダーの人も皆さんも 助けを得ないまま、 虐待のサイクルが続いてしまうのです。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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度を越した 「愛情」 (2)

2012年02月07日 21時16分09秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

 さらにフォワード博士は、 次のように述べています。

・ 警告サインに注意してください。

  不適切な嫉妬を抱いたり、

  皆さんのプライバシーを 侵害しようとすることもあります。

 「信じられないほどの良い」 感情も 警告サインです。

・ パートナーが どのような行動を取ろうと、 皆さんには責任のないことです。

・ 法的援助を求めましょう。

  避難所 (シェルター) を探し、

  警察, 友人, 家族などに 助けを求めてください。

  家を出たり、 電話の発信者通知も外しましょう。

  思いつく限りの対策を 講じることが必要です。

  パートナーの暴力が 最も危険を極めるのは、

  皆さんが 彼らのもとを離れたときです。

・ どのような連絡にも 一切応じてはいけません。

  連絡を取ろうとすることは、

  パートナーに対して 関心を示すことになってしまいます。

  構わないでほしいと 言いたい気持ちになるかもしれません。

  でも ここで連絡を取ってしまったら、

  ずるずると相手との接触を 続けることになるだけです。

 相反する感情を抱く ノン・ボーダーラインの人にとって、

 パートナーとの連絡を控え、 様子を窺うのは、 実際には非常に難しいことです。

 まだ パートナーとの関係を断ち切る準備が できていないのかもしれません。

 ボーダーの人はそれを悟り、 ますます自分の意見を 押しつけてくるでしょう。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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度を越した 「愛情」 (1)

2012年02月06日 23時05分16秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 相手から圧倒せんばかりの 関心を寄せられてしまう、

 それが 度を越した 「愛情」 です。

 げんこつではなく チョコレートが攻撃手段だとしても、

 受ける側の不安に 変わりはありません。

 ノン・ボーダーラインの人が離れていったとき、

 ボーダーの人は パートナーを取り戻そうとして、

 尋常でない行動を 取ることになります。

 どれほど相手を苦しめることになろうと、

 目的を果たすためなら どんなことでもしてしまいます。

 ボーダーの人の 頭の中では、

 自分の行動は 全てパートナーがそうするように  「仕向けた」 のです。

 パートナーが帰って来ようとしないから、

 このような行動に出るしかなかったと 考えています。

 スーザン・ フォワード博士は、

 暴力が起こりやすい状況として 以下のものを挙げています。

・ 攻撃される側が 警戒を緩めたとき。

  暴力に晒されながらも、

  かつて愛した人が このようなことをすると信じられないときです。

  なかには、 露骨な脅しにさえ 敢えて目をつぶる人もいます。

・ パートナーが 物や動物, 人に向かって、 かつて暴力を振るったことがある。

・ パートナーが 薬物やアルコールの問題を抱えている。

  感情が高ぶったり、 判断が鈍くなります。

・ あらゆる脅しを仕掛けてくる パートナーの場合。

  ただし、 その脅しは 真剣に受け止める必要があります。

(次の記事に続く)

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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虐待のタイプの確認

2012年02月05日 19時19分46秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 皆さんのパートナーの虐待的行動には、

 少なくとも 次のふたつのレベルが 考えられます。

 自分の感情的なニーズを 満たそうとして、

 無意識にそのような行動に 出ていると思われます。

 皆さんに責任はありません。

非身体的レベル :

 怒鳴る, 金切り声をあげる, 悪態をつく, 人を脅す言葉を口にする。

 パートナーとの関係に 緊張が高まり始める時期です。

 信頼や親密さは 見る影もなくなるか、 激減するでしょう。

 感情的虐待は 身体的虐待に劣ることなく、

 二人の関係と 皆さんの自尊心にとって 危険なものです。

身体的レベル :

 押しのける, 突き飛ばす, 平手打ちなど、 相手に対する実質的攻撃。

 恐怖が増し、 信頼と親密さを見いだすことは ほとんど不可能と言えるでしょう。

 いずれのタイプでも、 虐待を受ければ、 混乱に陥ることは避けられません。

 かつて 自分が恋に落ちた人の面影と、

 今や虐待者と化した パートナーの姿を重ね合わせようとして、

 試行錯誤を繰り返すことになります。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) 〕 より
 

 「境界に生きた心子」 にも書きましたが、

 心子は 言葉による攻撃は凄まじかったものの、

 身体的な暴力を 振るったことはありませんでした。

 ただ一度の 例外を除いて。

 「あたしが死んだら あなたのせいだからね !」

 心子は 腕を存分に振るって 僕に殴りかかり、 間一髪、 僕は手でさえぎりました。

 心子は 腕を大きく 後ろから振り回した分だけ、

 故意に時間をかけて 殴りつけたようにも見え、

 端から よけられるようにしたのではないか とも思えました。
 
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家庭内暴力と感情的虐待

2012年02月04日 20時48分08秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 言葉による暴力も含め、 家庭内暴力と感情的虐待も 無視できない問題です。

 いくつかの特徴を挙げます。

・ 皆さんのパートナーは、

  皆さんが誰と会い、 誰と話をしてもいいかを 指示しようとしますか? 

  家庭外での活動や関係を 制限, 阻止しようとしますか? 

・ 皆さんのことを 嘘つき呼ばわりしたり、 人前でこき下ろしたりして、

  感情的ゆすりをすることがありますか? 

・ それぞれの役割について、 断定的にルールを決めていませんか? 

・ 性的持論を並べて、 皆さんのセックスの仕方などを 批判したりしませんか? 

・ 物を投げつけたり 壊したり、 刃物で脅したりしませんか? 

・ 自分自身や ペット、 誰かに 危害を加えると言って脅しませんか? 

  または実際に 脅しを実行することはありませんか? 

・ 皆さんを押しのけたり 突き飛ばしたりしませんか? 

  お前なんか死んでしまえ, 刑務所には入れ, そうすれば俺は幸せになれる、

  などと口にしませんか? 

・ 資産管理一切を 牛耳ろうとしませんか? 

・ 本来なら 皆さんがしそうもない行動を 強要しませんか? 

・ 皆さんが 約束を破ったと言って、

  寝ているのに 無理やり叩き起こしたりしませんか?

・ 子供を手先のように使って メッセージを伝えたり、

  親と他の兄弟たちとの間に 対立を引き起こしたりしませんか? 

・ 乱暴や虐待的行動をしておきながら、

  それを認めなかったり、 皆さんのせいにしたりしませんか? 

・ あの手この手で 皆さんのやる気をそいだりしませんか? 

  あなたの言うことなんて 誰も信じやしない、 などと言いませんか? 
 

 以上のうち、 例えひとつしか該当しなくても、

 程度によっては 危険信号であるとに変わりはありません。

 虐待的なパートナーは 何らかの介入を試みないと、 ますます拍車がかかります。

 一刻も早く 助けを求めてください。

 「今度こそ変わるから」 と 言うかもしれませんが、 躊躇する必要はありません。

 皆さんは 自分自身とお子さんの安全を 守る責任があるのです。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) 〕 より
 
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第一段階における 他の問題

2012年02月03日 18時55分57秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 ノン・ボーダーラインの人は ボーダーのパートナーを愛するうえで、

 いくつかの段階を経ていきます。

 第一段階 (混乱の段階) の問題を、 いくつか取り上げたいと思います。

 これらの多くは、  「境界設定」 によって 対処することができます。

・ パートナーの障害に 対応するなかで、 自分のアイデンティティを見失う。

・ 常に 混沌とした状況にいる。

・ パートナーの金遣い, 自殺・ 自傷の試みなど、 破壊的な行動を心配している。

・ 巧妙に操作されていると感じている。

・ 自分の責任でもなく、 取り組むこともできない障害を 持つ相手に、

  道徳的義務感を抱くことに 釈然としない。

・ パートナーのために、 法律, 仕事, 金銭 その他の問題に直面している。

・ 子供を守ることを考え、 不安, 懸念, 混乱を抱いている。

・ パートナーの愛情行為は本物なのか、

  それとも障害の一部なのかという 疑問に駆られる。

・ パートナーの行動が豹変したことに、 自分が何をしたのかという 疑問に駆られる。

・ 平穏を乱したくないために、

  どこまでパートナーの要求を 受け入れるべきかという 疑問に駆られる。

  パートナーから浮気を疑われたために、 人に会うこともやめてしまった。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) 〕 より
 
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孤立することの悪影響 (2)

2012年02月02日 23時00分37秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

○ ベトナム捕虜

 ベトナム戦争で捕虜となり、 帰還した人々の報告によると、

 他の捕虜と暗号で コミュニケーションを図ったことが、

 孤立と拷問に耐えられた 大きな要因だということです。

 見つかれば 拷問される恐れも省みず、 連絡を取り合ったのです。

 生き長らえることができたのは、

 他の捕虜を支えるために 自分が必要だと 知ることができたからでした。

○ 学習された無力感

 魚の実験を紹介します。

 水槽の中央に ガラスの仕切りを入れ、

 一方にバラクーダ、 一方に餌の魚を入れました。

 バラクーダは 餌を捕らえようとするたびに ガラスにぶつかります。

 そしてとうとう 餌を諦めたのです。

 その後、 仕切りガラスを外しましたが、

 バラクーダは その向こうに行こうとせず、 餓死してしまいました。

 バラクーダは、

 「学習された無力感」 と 呼ばれる状態に 陥ったと考えられます。

 学習された無力感は、 人間 (特に子供) にも 当てはまります。

 自分の感情を傷つける 人や状況から、 我が身を守ろうと 何度も試みながら、

 うまくいかなかったときなどに 起こります。

 多くのノン・ボーダーラインの人が 我が身を救えない無力感も、 その一例でしょう。

 部屋から出ていくことさえ 考えつかなくなってしまうのです。

 極限まで 打ちひしがれてしまったことが原因です。

 例え 健全な自己評価を持ち、 幸せな子供時代を 送ってきた人であっても、

 例外ではありません。

 まして、 幼少期に恵まれなかった人 (傷つきやすい人) なら、

 数ヶ月で 牢獄に捕らわれたようになってしまうでしょう。

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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孤立することの悪影響 (1)

2012年02月01日 22時15分03秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 孤立は 極めて恐ろしいものです。

 人から希望, 自己評価や 個性を奪います。

 強力なだけでなく、 即効力をも秘めているのです。

 皆さんがどれほど孤立してきたか、

 いくつか質問をしますので、 判断の目安にしてください。

・ パートナーと付き合い始めてから、 友人が減っていませんか? 

・ もしそうなら、 それはパートナーが、

  人と会うことを控えるよう 要求するからではありませんか? 

・ プライベートな生活を 人に知られたら 恥ずかしいと思いますか? 

・ 理不尽だと気付きながらも、 従わざるを得ない  “ルール” がありますか? 

・ パートナーのせいで、 友人や家族と疎遠になり、 犠牲を払っていませんか? 

・ パートナーのために 外出を避けていませんか? 

・ 新しい友人ができたとき、

  パートナーは その人に会いたがらないことは ありませんか?

・ 電話中にパートナーが帰宅したとき、 その電話について質問されたくなくて、

  電話を切ってしまうことは ありませんか? 

・ パートナーの詮索を避けるため、 異性との連絡を控えていませんか? 
 

○ 囚人研究

 ある実験が行なわれました。

 男子学生を ふたつのグループに分けて、

 一方は 「捕らわれる側」、 もう一方は 「捕らえる側」 という設定です。

 “牢屋” に両グループを入れ、

 それぞれの役割を 演じるようにとだけ指示し、 あとは何も言いませんでした。

 すると、 “看守” 側は辛辣になり、 過剰に厳しい態度を取る 学生もいました。

 “囚人” 側は 外界から孤立するにつれ、 うつ状態に陥りました。

 看守からクズ呼ばわりされると、 自分をそう考えるようになったのです。

 看守は ますます残忍になりました。

 驚いたことに、 囚人は誰も文句を言わず、 実験をやめたいとも言わなかったのです。

 関係者の精神状態が懸念され、 実験は早々に 打ち切りになりました。

 数年後、 学生たちは依然として、

 実験時の無力感, 孤立感を忘れていませんでした。

 むしろ、 あれが実験だったことを 忘れ始めていたのです。

(次の記事に続く)

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕
 
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