ネタは降る星の如く

とりとめもなく、2匹の愛猫(黒・勘九郎と黒白・七之助)やレシピなど日々の暮らしのあれこれを呟くブログ

靖国に祀られていない霊たちのことを考える

2005-08-14 00:59:34 | 雑記
 告白するまでもないかも知れないが、私は日本国憲法に込められた非戦の誓いを尊びたいと思う、護憲派の、ヘタレながらやや左派。戦争はもう嫌だという、戦中派の母の思いを感じて、戦争を起こさないためには自分の信条を弾圧の心配なく語れる社会が大事だとも思い、26年間、思想信条の自由を重視する人権運動に関わっている。

 ……それが、徳川幕府の末期、倒幕派・討幕派を威圧した新選組に関心を持つようになって、早くも4年以上になる。彼らの行動に共鳴したわけではない、現代に引き替えてしまえば、彼らは時の政府を維持するために武力で人々を威圧したparamilitary(準軍事組織)でもあった。ごく25年ほど前に、南米のチリやアルゼンチンで、民主主義や人権を求めて活動した人々を拉致し、殺害した正体不明の武装した人々と、根っこはあまり変わらない。

 それなのに、どうしてこんなに彼らに関心を抱くのかと考えてみて、少し思い当たることがある。

 新選組の皆は、靖国神社には祀られていない。もっと甚だしいのは会津藩の人々で、彼らのうち禁門の変で長州と戦って死んだ人々は時の帝を守ったから英霊として祀られているが、鳥羽伏見の戦い以降の戦死者も靖国神社に祀られていない。

 さらに言えば、戊辰戦争の時に会津藩を攻め立てた人々のうち、西郷隆盛はじめ、西南戦争で時の新政府に逆らった者たちも、靖国神社に祀られていない。

 祀られているのは、時の天皇のために命を落とした人々のみ。

 会津藩が幕府と朝廷の双方のために尽くしたということも忘れさられて、鳥羽伏見の戦い以降に朝敵・賊軍と位置づけられた彼らの魂は、靖国神社にはない。

 私が好きな土方歳三も、時の政府から見たら当然かも知れないが、反政府に抗戦したという理由で祀られていない。

 その辺りが、私が靖国神社に抱く、喉に刺さった小骨のような感覚だ。うまく理屈で語れないのだけど、時の権力に従わなかったという理由で、帝にまつろわぬ者どもとして、切り捨てられてしまった霊たちが存在する。

 そうした霊たちをも等しく祀る墓所であったら、私も靖国神社に参ったかも知れない。でも、時の政府の都合で合祀するか否かを定められてしまった人々の霊がある限り、なかなか素直にお参りする気になれない。

 ……こんなことを60年以上前に口にしたら、私は非国民と言われるんだろうね。そういうレッテルを貼られて弾圧されるような時代が、二度と起きて欲しくない。だから、私は、日本国憲法を守りたい。 

ゲンダイ・金子勝の記事から

2005-08-12 13:08:50 | 時事
 基本的にゲンダイは嫌いだが、これは署名つきでもあるし、最後のパラグラフに同感したので貼り付けておく。

「失われた5年だった」小泉政権

 しかも、小泉首相は、スローガンを叫び感情に訴えるだけで、具体的な政策については説明責任を放棄してきた。いわゆる「ワンフレーズ・ポリティクス」だ。その結果、国民は思考停止に陥り、議論の場である国会を空洞化させてしまった。その意味で、小泉政治の最大の罪は、人々から思考力を奪ってしまったことにある。もし小泉のワンフレーズを口にしている自分を発見したら気をつけろ! それはバカが着実に進行している症状だからだ。


……バカが伝染る《うつる》、と子供の冗談口でよく言ったものだが、実際に伝染るのだな。

立花隆・アメリカの関心は郵貯の金だけ

2005-08-12 12:31:14 | 時事
立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」
第38回 海外メディアが伝えた小泉・郵政解散劇の評判


3日前から、NHKの取材のつづきで、米ロサンゼルスに来ている。小泉首相が解散総選挙の決定を下した日だ。

日本ではもちろんトップニュースになったにちがいないが、アメリカでは、ほとんど無視された。

CNNのニュースの一項目にはなったが、1分はなかった。40秒程度の扱いだった(半日くらいしたら2分30秒くらいの扱いになった)。「USA TODAY」は、完全に無視して、1行も報じなかった。ロスの現地紙「Los Angeles Times」紙は、1面ではなくて、8面でニ段組の記事で報じたが、これはロスに日本人が多く住んでおり、日本人の関心が高いからだろう。しかし、その辺の一般のアメリカ人にとっては、日本の政治など全く関心がないのである。


 日本が憲法の解釈を枉げてイラクに自衛隊を派遣しても扱いはその程度、というのは、アメリカに生活していた時の経験でわかる。

 当時のワールドニュースのトップはイラク(湾岸戦争中だった)でありパレスチナであり、その後でヨーロッパ。東海岸に住んでいたせいもあるのか、南米やアフリカやアジア太平洋への関心の低さには愕然としたものだ。
 日本は経済ニュースでは出てくるが、政治ニュースでは出てこない。そういう国と見られているのだ。

 しかし、アメリカ人にバランス感覚や国際センスを期待すること自体をすでに諦めてしまっている私は、もはや怒ることもできない。立花さんの記事に戻る。

「Los Angeles Times」の記事にしても、あるいは、CNNの長めのニュースにしても郵政民営化の説明で強調されるのはただ一点、郵貯が世界最大の貯蓄銀行で、それが民営化されたら、350兆円におよぶ郵政マネー(簡保も含めて)を持つ世界最大の銀行が生まれるということである。アメリカの関心は(政府も民間も)郵政民営化の問題で関心があるのは、この一点だけなのである。

郵政民営化の問題で、日本のメディアで、あるいは日本の議会で展開されているようなあれこれの諸問題には誰一人関心がない。

そんなことはどうでもいいことだと思っているのだ。郵政公社が(ひいては政府が)かかえこんでいた、そのとてつもない量の資金を、早くグローバルな金融資本市場に放り出させ、一刻も早く国際金融資本家たちが互いにキバをむき出しあってその取り合いをするにまかせよということなのだ。


 ウォールストリートジャーナルは、それしか関心がないだろう。アメリカ政府もそれしか関心がないだろう。

 六カ国協議でも、日本はすっかりハブにされていたっけな。国連の常任理事国入り運動でも、日本は影響力のなさを露呈したっけな。

郵政マネーの回転で動かしてきた日本経済の相当部分を小泉首相は郵政システムぶちこわしのあとどうしようというのか。

資金量350兆円の世界最大の銀行をつぶし、その回転力に頼っていた日本経済の一定部分から突っかえ棒を引き抜くからには、そのあとどのようなシステムに改変し、その過渡期をどのように混乱なしに切り抜けていくのか。

少なくもそのためのベーシックなアイデアが出されていなければならないはずなのに、何もない。

それなしでは、小泉首相はただ、破壊のための破壊に狂奔する日本国史上最大の国家システム破壊者といわれても仕方ないだろう。


 ここ数日、ちょこちょこと書いていた雑感が立花さんの論調に近くなっているなぁ(汗)。

 国内のメディアが小泉パフォーマンスばかりを取り上げ、国民の多くはバラエティ番組を見る感覚そのままで政治ショウに見入っている。

 目先のことで一喜一憂しているうちに、民間銀行は潰れても郵貯は潰れまいという信仰のもとに貯めてきた老後のための資金を、外資にいいようにされてしまうかも知れない……そして、外資銀行の預金は、1000万円の元本保証がないのだ(滝汗)。

北京で迎える8月15日

2005-08-11 20:39:51 | 日常
 来週、北京に出張する。終戦記念日を北京で迎えることになる。

 気持ちとしては真っ先に天安門広場に行って天安門事件で亡くなった人々のために手を合わせたいのだが……日本人にとっての終戦記念日が中国人にとっては違う意味を持つことも想像できるし、このところの反日感情を考えると(ニュース記事「8・15」反日活動呼びかけ、中国当局抑え込みへ)、この日に天安門広場に行くことがよいかどうか……仕事を抱えて出張するわけでもあるし、じっくり様子を見てから行動したい。

 8月15日といえば、今読んでいる『昭和の三傑 憲法九条は「救国のトリック」だった』堤堯(集英社インターナショナル)で幣原喜重郎について述べる章で印象的な場面があった。出典は伝記『幣原喜重郎』幣原記念財団だそうだ。
 ――終戦の玉音は日本倶楽部で聞いた。「満堂愕然として色を失い、万感胸に迫って頭を垂れ、一語を発する者もない。一隅よりすすり泣きが聞こえた。私も思わず手巾で目を蔽った」
 帰途の電車の中、乗客が一人、涙ながらに悲憤慷慨する。
「なぜ今回の戦争に突入しなければならなかったのか、納得できない。政府や軍部は楽観的な報道のみを掲げ、無条件降伏の状況に迫っていたことなど、一言も公表しなかった。国民に目隠しをし、場に追いこむ牛馬と同じ扱いではないか」
 これを聞いて「満車の乗客はことごとく同感の叫び声を揚げた」。この状景を思い出しては「夜半夢平かなることを得ない」。今回、国政を担当するにつき、この光景が絶えず私を刺激する。
 「国民が子々孫々、その総意に反して戦争の渦中に引き込まれることなきよう、憲法の根本的改正によって、国政に対する国民の指導権を強化する外なきことを信じた」

 これが、日本国憲法を発布した時の内閣、幣原喜重郎の胸中……。

 憲法改正が叫ばれる声が大きくなってきた昨今、これを読み、自分の母から聞いた昔語りを思い出す。疎開先で見た東京大空襲の炎。玉音放送。教科書に墨を塗らされ、今までの教育が否定されるのを実感した時のこと。食べるものにも苦労した戦中と戦後。

 幣原喜重郎が記した「その日」から60年が経つ、8月15日。私は北京で何を見るのだろうか。そして、何を感じるだろう。

立花隆、分裂選挙の展望

2005-08-11 12:30:21 | 時事
うーむ、なるほど。

立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」 第37回 衆院解散、派閥解体で小泉首相が狙う次の一手

 派閥を解体して小泉党にしようとしている、ということは、薄々感じられるのだけど。

民主党が選挙に勝って、次の政権は民主党のものになることが必至という見方が強いという話は前にも書いた。小泉首相をそのような不利な客観的情勢を承知の上で、あえて誰も賛成しない解散、総選挙に踏み切ったのはなぜか。

自暴自棄の行動なのかというと、私はそうではないと思う。たぶん大きな計算が背後にあるのではないか。

自民党が分裂選挙に走ったら、自民党が民主党に敗北すること必至といわれるが、私は必ずしもそうではないと思う。自民党が分裂選挙になるなら、民主党も分裂選挙になるように誘導すればよいのである。

(中略)

自民党が分裂して、民主党が分裂しなかったら、自民党の敗北(小泉政権の終わり)は必至である。小泉首相はそれ以前に必ずや民主党員の懐の中に手をつっこんでくるだろう。93年に自民党、社会党、さきがけが合流して、権力をとったことがあることを思い出せば、自民党と民主党がそれぞれ分裂して、組み合わせを変えることなど、大いにありうる話だと思う。


 自民は分裂選挙だから民主党に有利、と結論づけないところが、穿っているなぁ。

 私が最近よく読んでいるブログ「世に倦む日日」では、筆者thessalonikeさんの鋭い政情分析にいつも感心させられている。今回は民主党の勝利を大胆予想されているのだけど、この結果予想に関してだけは、「うーん、そんなに簡単に行くかなぁ」と、少しひるんだ。理屈でなく、勘とか直感の部分で。何しろこの4年間、小泉首相がやらかしてきたチョンボの数々を敵失として利用しきれていない民主党だ。

 そう思っていた時に、この立花さんの文章を読んで、なるほどと思った。小泉という人は、政策の中身は丸っきりわかっていないが、メディアを使って政敵のイメージを貶めるのはうまい人物だ。まだまだ投票日まで1ヶ月近くある中で、民主党に対してどういう手を打って来るか、それも注目する必要があるだろう。

 以下のような記事も、民主党を油断させるものではないかと疑ってかかったりして(汗)。

自民・公明で過半数獲得は微妙、民主の単独過半獲得はない=自民・加藤紘一氏
選挙の見通しについて、加藤氏は、「小泉首相は、自民党と公明党で過半数を取れると思っている。しかし、それは、ちょっと難しい」と述べ、自民・公明でも240議席程度と、厳しい見方を示した。

 加藤氏は、自民・公明は過半数を得るために、反対派の一部と組むこともあるだろうとし、そうなれば、「(首班指名では)小泉さんには代わってもらうか、(過半数割れのまま)弱い政権になる」と指摘した。


「自民党をぶっ壊す」公約は実行してますな……

2005-08-10 13:04:02 | 時事
「ローマ皇帝思い出す」 小林氏、自民の方針批判
小池氏くら替え出馬に意欲、小林氏は怒りあらわ
小林興起前議員は議員会館で緊急会見。「ローマの皇帝が処刑人を闘技場に引きずり出して猛獣と戦わせ、もてあそんだことを思わせる。勝って自民党に戻って党改革をしたい」などと怒りをあらわにした。


[衆院選]竹中氏くら替え有力 亀井氏に対抗か 自民検討

 まぁ、無所属で立候補しても当選すれば「みそぎは終わった」として自民党に戻るつもりだった郵政民営化反対派としては、自分の計算の甘さを今さら思い知るような状況ですな……。

 そして、土建族と特定郵便局という自民党の伝統的な支持基盤を崩すことによって「自民党をぶっ壊す」という公約は確実に実行している小泉首相、壊した後の展望は……?

 解散までは小泉首相支持が世論調査では多かったけど、この辺りの強引さというか強気姿勢がどう投票者に影響するかが注目の一点。

マジで航空会社を替えてます

2005-08-10 08:58:12 | 時事
 6月頃に『日経ビジネス』で日本航空のトラブル多発が特集されて、以来、全日空を使うようにしている(先日の函館旅行はマイレージが貯まっていたので久し振りにJAL便を使ったが)。

<空のトラブル>日航グループが55% 本紙の調べで判明
旧日本エアシステムと経営統合した02年10月以降、日航グループのトラブルは増えており、今年は過去最悪のペース。3月に国土交通省から事業改善命令を受けた後も続いている。


これだけ指摘されて改善が進まないということの方が、怖い。

各種世論調査より

2005-08-10 08:49:57 | 時事
首相支持率61% ニッポン放送緊急アンケート
小泉首相「支持」は61%で、「不支持」の39%を引き離した。理由は「公約をやり抜こうという姿勢」「利権の構造を改革すべきだ」などだった。半面、「郵政民営化に賛成」という意見はほとんどなかった。「不支持」理由は「国民生活のことを考えていない」など。


内閣支持率上昇47.3% 過半数が民営化に賛成 共同通信調査
郵政法案の参院否決と衆院解散を受け、共同通信社が八日夜から九日にかけて実施した全国電話調査で、小泉内閣の支持率は47・3%に上り、七月調査の42・6%を上回った。不支持率は39・4%と七月の45・5%から減少。郵政民営化に対しては賛成が51・6%と反対の31・1%を超えた。


<世論調査>小泉内閣の支持率は46%で、9ポイント上昇
小泉内閣の支持率は46%で、過去最低だった先月の前回調査(37%)から9ポイント上昇。逆に不支持は37%と3ポイント減少、衆院解散の賛否も「賛成」が54%と「反対」の36%を大きく上回った。また9月11日投票の次期衆院選で「自民党を軸にした政権を望む」と答えた人は50%を占め「民主党を軸にした政権を望む」の35%を上回った。


「解散は当然」52%、首相続投は賛否二分…読売調査
参院での同法案否決を受けて、首相が衆院を解散したことについて、「当然だと思う」52%が、「そうは思わない」35%を上回った。

 しかし、法案採決で、反対や棄権をした自民党議員が相次いだことについて、「首相の方が問題」と思う人39%と、造反した「自民党議員の方が問題」と思う人41%とが、ほぼ拮抗(きっこう)した。自民支持層では、造反議員への批判が57%と多かったものの、選挙のカギを握る無党派層では「首相の方が問題」が43%と多数派だった。


 ……増税されても、将来の年金をどかんと減らされても、虎の子の郵便貯金が民営化によってどこに行くかわからなくても、小泉内閣支持ってお幸せな方々が沢山いらっしゃるようで(滝汗)。

「自己陶酔解散」か……

2005-08-09 14:57:31 | 時事
 昨日から「八つ当たり解散」とか「自爆解散」とか、いろいろ言われてますが、私は「自己陶酔解散」に一票入れたい。

亀井氏激白「綿貫氏は党首の有力候補」 (夕刊フジ)
それでも、首相は、後見人の森喜朗前首相(68)もサジを投げるほど自己陶酔しており、「古い自民党をブッ壊して、新しい自民党で戦う」などと発言をエスカレートさせている。