朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

日本芸能史(第5回)「歌舞伎」

2008-11-17 | 伝統芸能
今日は、本職の実技はなし。田口教授の講演。
 まずは、歌舞伎の物語における女性の役柄について、具体的な歌舞伎のせりふ抜粋により事例研究しました。
 1.しらぬひ譚(ものがたり)、2.源氏物語明石巻、3.山椒太夫、4.あいごの若、5.国姓爺合戦、6.摂州合邦辻、7.妹背山婦女庭訓を取り上げ、
 歌舞伎ドラマにおける「象徴的な女性の役割」を意味づけしました。
 1)男性の救済者、庇護者
 2)死からの再生、肉体復活
 3)女性の犠牲死にて、不正解決

 その後、「東海道四谷怪談」における「お岩」さんストーリーの概説がありました。
 授業のハイライトは、25年前のビデオ撮影による、坂東玉三郎の「お岩」。
 「髪梳き」の場面の映像が、鬼気迫る大変な迫力でした。(あんまの宅悦に、伊右衛門と伊藤喜兵衛の謀略を告白され、喜兵衛親子に「お礼」を言いに行くため、鉄漿をつけ、髪をとかす。その後、出かけようとするが宅悦に止められ揉みあい、勢いあまって柱に刺さった抜き身の刀に触れ、首を切る)
 また、もう一つ。
 「提灯抜け」の場面。死後、うらめしやと亡霊になって伊右衛門を苦しめる。提灯が燃え、その中から幽霊として飛び出す。
 解説によると、
1.お岩の犠牲死、2.不正を正す、3.秩序の回復、
の過程を示している。
 すなわち、日本伝統的な土俗的な男女観を、歌舞伎は根底に有しているとのお説でした。(源泉は、中国からの演芸ではあっても、日本固有の展開をとげた)


(Wikipediaより)

 帰宅してから、ネットで調べました。名前だけしか知らなかった「坂東玉三郎」さんは、奇跡の人と呼ばれるほど、苦節し大発展した名優と知りました。
 (いろいろと勉強になります、これまでボクの知らない世界を垣間見ると)
コメント
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