春は あけぼの
やうやう白くなりゆく山ぎは 少し明りて紫だちたる雲の細くたなびきたる (枕草子 清少納言)
少しずつ日の出が早くなってきて、まだ寒い日が多いこの頃ですが、春になってきました。
一千年も昔に、清少納言もこの東山にかかる細い雲の夜明けを見ていたのです。
~~
夏は 夜
月の頃はさらなり 闇もなほ 螢の多く飛び違ひたる また ただ一つ二つなど ほのかにうち光りて行くもをかし 雨など降るもをかし
秋は 夕暮
夕日のさして 山の端(は)いと近うなりたるに 烏の寝どころへ行くとて 三つ四つ 二つ三つなど 飛び急ぐさへあはれなり
まいて雁などの列ねたるがいと小さく見ゆるは いとをかし
日入り果てて 風の音 虫の音など はたいふべきにあらず
冬は つとめて
雪の降りたるはいふべきにもあらず
霜のいと白きも またさらでも いと寒きに 火など急ぎ熾して 炭もて渡るも いとつきづきし
昼になりて ぬるくゆるびもていけば 火桶の火も 白き灰がちになりて わろし
☆☆
やうやう白くなりゆく山ぎは 少し明りて紫だちたる雲の細くたなびきたる (枕草子 清少納言)
少しずつ日の出が早くなってきて、まだ寒い日が多いこの頃ですが、春になってきました。
一千年も昔に、清少納言もこの東山にかかる細い雲の夜明けを見ていたのです。
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夏は 夜
月の頃はさらなり 闇もなほ 螢の多く飛び違ひたる また ただ一つ二つなど ほのかにうち光りて行くもをかし 雨など降るもをかし
秋は 夕暮
夕日のさして 山の端(は)いと近うなりたるに 烏の寝どころへ行くとて 三つ四つ 二つ三つなど 飛び急ぐさへあはれなり
まいて雁などの列ねたるがいと小さく見ゆるは いとをかし
日入り果てて 風の音 虫の音など はたいふべきにあらず
冬は つとめて
雪の降りたるはいふべきにもあらず
霜のいと白きも またさらでも いと寒きに 火など急ぎ熾して 炭もて渡るも いとつきづきし
昼になりて ぬるくゆるびもていけば 火桶の火も 白き灰がちになりて わろし
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