朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

インドネシア7 (大統領選挙)

2014-07-01 | 外国の風物
昨日の朝日新聞ウェブ(2014-06-30)にこんな記事が掲載されました:

”「消費大国」インドネシアに熱視線 潜在力、周辺国圧倒”


(引用:http://www.asahi.com/articles/ASG6W543TG6WUHBI01M.html?iref=comtop_fbox_u03

”・・約350人収容の「JKT48劇場」は連日、超満員だ。AKB48の姉妹グループが「フライングゲット」などをインドネシア語の詞にして歌うと、場内は観客の大絶叫に包まれた。・・・所得水準は日本の14分の1だが、入場券は完売が続く。”

日本の製造業工程の多くをを担うアジア諸国の中で、中国は外交断絶状態、タイは政情不安定。そんな状況にあって、人口が約2億5千万人というこの国が注目を集めています。

”日本の製造業約1千社を対象に毎年行っているアンケートで、「中期的に有望な事業展開先」として、インドネシアが中国やインド、タイなどを抑えて初めて1位になった” 

と、朝日新聞は報じています。

7月9日に実施される5年ぶりの大統領選挙の行方がこの国の将来を決めることになるのでしょう。(現ユドヨノ大統領は再選され10年間務めた)


(画像引用:「Google画像検索」の各候補氏名による検索結果より選択)

画像左の「大工の息子」庶民派のジョコウィ候補と、右の「軍人出身、スハルト大統領の娘婿」保守派のプラボウォ候補との対決です。



 赤い旗はジョコウィ支持派のシンボル、黒い牛が中央に描かれています。

 ジョコウィ氏は「低所得者向けの教育・医療制度を全土に広げる」と公約し、プラボウォ氏は「巨大な汚職(年間約8兆円)を退治してそれを社会開発に回す」と訴えています。

 貧困比率11.6%と格差はなかなか縮まらないが、今後、中産階級が急速に増加すると予想されるので消費国としても魅力があります。

”人口の5割が30歳以下という若年層の分厚さにある。生産年齢人口(15~65歳)は25年まで増加が続く。個人消費がGDPの6割を占める内需大国で、若者はしばらく消費の主役であり続ける。
 AKB48のジャカルタ版「JKT48」の人気も、若者たちが支える。その魅力に内外の企業の注目も年々、高まっている。”(引用:上記朝日新聞)

人口は、毎年450万人づつ増えているそうです。



激しさを増す交通渋滞。大都市ジョグジャカルタに地下鉄も通勤鉄道もありません。



渋滞中の交差点で、音楽演奏をしてチップを期待する若者たち。



新築住宅の広告。プールサイドでBBQパーティをする夢の住まい・・・高度経済成長期の日本では「緑の芝生、郊外の一戸建て、電化製品三種の神器」が喧伝されました。



おふくろの味で大成功したShuhartiお母さんの地鶏唐揚げチェーン店本店の看板、宗教上アルコールは出さないようです。ビジネスは成功したのですが、夫は離婚して、モノマネで同じ地鶏料理店を始め、そこではビールも出すとか(差別化!)。



小学校生徒の制服姿。



街頭のポスタ-。ちょっと芸術的。



自転車タクシー。



庶民向けおみやげマーケット。



高級ホテル前の駐車場には、近くにある空軍士官学校の公用車トヨタが停まっていました。乗用車のほとんどは日本製でした。

第二次世界大戦で日本軍が降伏した直後、旧宗主国のオランダがこの国を再度占領するために進軍してきました。オランダ支配を阻止するためスカルノら民族主義者が独立戦争を始めたのです。それを応援するため旧日本軍の軍人3千人がここに留まってオランダに応戦しました。独立戦争開始の4年後、インドネシアは独立を成し遂げました。

世界大戦前、現地の政治家や軍人にとっては科学技術・軍事に長じた欧米人の植民地支配を当然でやむなしと、観念していたことでしょう。そこに、アジアの小国である日本帝国が正面から欧米支配を突破したことに驚き、アジア諸国に民族主義が急速に拡大したと思います。

そんな歴史もあってか、ここでの対日感情はとても良いと感じました。



国内線の空港には、KFCならぬCFCという名前でファーストフード売店がありました。



空港で国内線の出発が約1時間遅れたため、待合ロビーで座っていた時のことです。

ベンチの向かいに座っていたヒジャブで髪を隠した若いムスリム少女が日本語で話しかけてきました。学校で日本語を習っているとのこと。17歳と言っていたので高校3年生だと思います。「さくら」「はな」、あいさつ、大阪、「たこ焼き」そして、ドラえもんなどの質問と簡単な日本語での応答は大丈夫だったのですが、詳しく話をしたいと思い英語で話しかけたところとても上手な英語が返ってきました。

将来は「外科医」になりたい、日本に留学したい、東北大、東大、京大など大学の日本語名もよく知っていました。文科省の国費留学生に合格するには日本語力が非常に重要だがまだ自分はそのレベルに達していないとのこと。

機内持ち込みのバッグの中に入れていた「亀田の柿の種、たこ焼きソース味」の小袋を三つほどプレゼントしました。


(引用:http://ja.wikipedia.org/wiki/イスラム圏の女性の服装
コメント
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