沖縄の保守が、アジアを守るために声を上げた――。
民間でつくる「アジアの平和を守ろう」実行委員会が21日、那覇市の沖縄県庁前広場で集会、デモ行進を行った。尖閣諸島付近の海域をはじめ、台湾や南シナ海で、横暴な振る舞いを続ける中国に対して、日本政府に毅然とした対応を求めるよう訴えた。
「中国は、尖閣周辺での威嚇行為を停止せよ!」
「日本政府は、台湾を国家として承認し、国連加盟を支援せよ!」
「中国は、情報を開示し、民主化せよ!」
那覇最大の繁華街「国際通り」で、参加者約330人がシュプレヒコールを上げると、沿道からは、一緒にこぶしを上げたり、「ありがとう!」などと声がかけられた。
台湾人観光客からは、英語で「沖縄は日本です。中国ではありません!」「台湾と中国は一緒ではない。台湾は独立した国です!」と声が上がるなど、多くの賛同の声が寄せられた。
沖縄の「保守」の声
このデモは、立党以来一貫して、沖縄の米軍基地の大切さや国防強化の重要性を訴えてきた、幸福実現党沖縄県本部の山内晃代表と金城竜郎副代表が、呼びかけ人となって開催。
地元の「沖縄百歳まで生きる会」(大浦公子代表)や「沖縄の自由と繁栄を守る女性の会」(下地玲子代表)、「ゆんたくシーサーラジオ」パーソナリティの東 郷美奈子氏、徳留愛奈氏のほか、「国防サークル」をつくる大学生の高江洲大槻さん、山本隆介さんなどが賛同して行われた。
「わが国が中国に支配される最悪の未来を招きかねない」
沖縄では、「米軍基地はいらない!」などとアメリカ軍を追い出そうという意見が支配的だ。しかし、同実行委員会は、こう主張する。
「同盟国の米国が核の先制不使用を考えているのであれば、わが国は、ますます危険な状態に置かれる。いま、『米軍基地はいらない』という民意によって、わが国が中国に支配される最悪の未来を招きかねない状況にある」
「いま、恐れるべきは、中国の台湾併合の動き。わが国は、台湾を独立国家として承認し、国連加盟を支援し、日台条約を結ぶことによって、日台の平和を守るべき」
「私たちは、中国型の政治システムでアジアが支配されるか。それとも、自由主義圏で共同して、アジアの平和を守り抜くか。大きな岐路に立たされている」
「翁長知事は、アメリカに抗議して、中国に抗議しないのはおかしい」
今月8日には、過去最多の15隻の中国公船が尖閣諸島の接続水域内に入り、周辺では300隻にも及ぶ中国漁船が航行した。
危機感を抱いた幸福実現党沖縄県本部は翌9日、沖縄県庁を訪れ、翁長雄志知事宛てに、「(沖縄の米軍基地に対しては)訪米してまでアメリカ政府に抗議をしているが、中国政府に対して直接抗議しないのはおかしい」と指摘。中国への抗議を日本政府に働きかけるよう要請した。
同党県本部の新里卓幹事長は、こう話す。
「今回デモを行って、尖閣問題を抱える沖縄から、台湾の国連加盟や中国の民主化など、アジアの平和実現に向けて発信することは、とても大きな意義があると感じました。これからも、広い視野を持って、アジア地域の平和を守るための取り組みを重ねていきたい」
沖縄から立ち上がっている、アジアの平和を守る取り組みに、今後とも注目していきたい。
(山下格史)
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