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《本記事のポイント》
- トランプ米大統領が、パリ協定からの離脱を発表
- そもそも地球温暖化は仮説にすぎない
- パリ協定は、国の経済発展を遅らせる
アメリカのトランプ大統領が、地球温暖化対策の国際的なルールを定めたパリ協定から離脱すると発表し、世界各国に大きな波紋が広がっている。
ドイツ、フランス、イタリアの3首脳は、連名で声明を発表し、「パリ協定は再交渉できない」と、トランプ大統領の発表を非難した。政府関係者や経済界、マスコミからも、「大いに失望した」「協定に署名した194カ国との再交渉は現実的でない」「地球温暖化問題について、EUと中国が一層協力することになる」という批判の声が相次いでいる。
なお、アメリカはオバマ政権時にこの協定を批准しているため、すぐには離脱できない。協定の規定上、正式に離脱できるのは2020年以降となる。
そもそもパリ協定って?
パリ協定とは、京都議定書に代わる地球温暖化対策として、2015年に定められた新しい国際ルールのことだ。フランスで行われた、国連の気候変動枠組み条約締約国際会議(COP21)で採択され、2016年11月に発効した。
パリ協定は、先進国だけに削減の義務を課した京都議定書とは違い、世界196カ国・地域すべてに、温室効果ガス削減の目標を定めている。
協定の主な内容として、以下の項目が挙げられる。
- 地球の気温上昇を2度より「かなり低く」抑え、1.5度未満に抑えるための取り組みを推進する
- 温室効果ガス排出量を、2050~2100年の間に森林・土壌・海洋が自然に吸収できる量にまで、減らしていく
- 途上国の気候変動対策として先進国が2020年まで年間1000億ドル支援し、2020年以降も資金援助の約束をする
これに加えて、主要排出国は、温室効果ガスの排出量削減目標の提出および、実績点検を義務付けられている。しかし、世界第1の排出国である中国は、2030年までは事実上、排出量削減をしなくていいなど、矛盾も多い。
経済発展の足かせになるCO2排出規制
トランプ大統領は「気候変動問題はでっちあげ」とし、大統領選挙の時から、パリ協定からの離脱と途上国の温暖化対策への支援金の拠出停止を公約に掲げていた。そして気候変動に関する研究の予算を大幅に減らし、環境規制も取り払うことで、石炭やシェールガス開発を進め、新たな産業開発・雇用創出をしようとしている。
本欄で何度も述べているように、「二酸化炭素(CO2)が地球温暖化の原因」というのはあくまで仮説でしかない。
渡辺正・東京理科大学理数教育研究センター教授は、共著『地球温暖化論のウソとワナ』の中で、「地球温暖化問題の仮説は、因果の糸がまだきちんとつながっていない」と述べている。
渡辺氏によると、気候変動は、太陽の活動や火山、大気、海洋の変化などによる自然変動と、温室効果ガスやエアロゾル、土地改変などの人為的影響によって起こる。二酸化炭素だけでなく、自然の活動に加え、政治や経済、文化など、さまざまな要因が複雑に絡み合っているのだ。しかも、温暖化が本当に起こっているかすら、定かではないという。
また、NASA(米航空宇宙局)の研究により、1992~2001年、03年~08年にかけて、南極大陸の氷が増えていたことも明らかになっている。これは、「地球温暖化によって南極の氷が解けている」という説を覆すものだ。
二酸化炭素が地球温暖化の原因でない、あるいは影響があったとしても小さなものであるならば、パリ協定は、あまり意味のないものになる。これまで各国がCO2削減のために費やした費用も、他の開発事業に投資できたかもしれない。経済発展を阻害しているだけ、ということになる。
「二酸化炭素・性悪説」を捨て、国の繁栄へ踏み出すべき
大川隆法・幸福の科学総裁は、温室効果ガス対策について、次のように言及している。
「CO2を削減しようとする政策は、基本的に間違っていると私は思っています。『炭素を出すものは、一律、悪だ』という、"炭素全体主義"のような考え方を出されると、発展途上国は苦しみますし、工業生産等にそうとう影響が出て、先進国もダメージを受けるはずなので、景気の悪化に追い打ちをかけることになります」(『救世の法』所収)
パリ協定離脱を表明したトランプ大統領が"悪者"であるかのように批判を浴びせる現在の国際情勢は、まさに"炭素全体主義"に陥っているかのようだ。CO2削減に協力する人は「善」、しない人は「悪」、のような扱い方には注意しなければならない。
冷静に考えれば、二酸化炭素よりも、中国のPM2.5の削減のほうが喫緊の課題ではないか。日本では、トランプ大統領の離脱表明を批判しながら、なぜか原発再稼働に反対してCO2を排出する火力発電を増やす主張をする人々もいる。何かが矛盾している。
トランプ大統領は、アメリカの繁栄に向け、パリ協定離脱を決断した。離脱を機に、新たな産業や雇用が生まれていくことだろう。
一方、安倍晋三首相は5月末の主要国首脳会議(G7サミット)で、「地球温暖化対策を進めることは、経済成長と環境保護を同時に達成することだ」と、トランプ大統領を説得していた。しかし、日本と世界の繁栄のためにはどのような選択がいいのか、再考すべきだ。(中)
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